長期収載品の選定療養について、制度の概要は分かっていても、実際の会計で迷いやすいのが「いくら増えるのか」の部分です。2026年6月1日からは負担額の考え方が変わるため、従来の感覚のままだと説明がずれやすくなります。
計算で押さえたいのは、「価格差を出す」「2026年6月1日からはその2分の1を使う」「最後に消費税が加わる」の3ステップです。
この記事では、長期収載品の選定療養の負担額を、2026年6月1日からの新ルールに合わせて、計算式と具体例で整理します。

もくじ
まず結論:2026年6月1日からの計算式
| 項目 | 2026年6月1日から |
|---|---|
| 価格差 | 先発医薬品の価格 – 後発医薬品の最高価格 |
| 特別の料金(税別) | 価格差 × 2分の1 |
| 会計時 | この特別の料金に消費税が加わる |
従来の「4分の1」ではなく、2026年6月1日からは「2分の1」で計算する点が最大の変更です。
計算の手順を順番にみる
- 先発医薬品の価格を確認する
- 同じ成分・規格・剤形で最も高い後発医薬品の価格を確認する
- 先発価格から後発最高価格を引いて価格差を出す
- その差額の2分の1を特別の料金として計算する
- 最後に消費税分を加える
具体例でみるとどうなる?
| 例 | 価格差 | 2026年6月1日からの特別の料金(税別) |
|---|---|---|
| 先発100円 / 後発60円 | 40円 | 20円 |
| 先発150円 / 後発110円 | 40円 | 20円 |
| 先発82円 / 後発50円 | 32円 | 16円 |
会計では、この税別の特別の料金に消費税が加わります。患者説明では、まず税別の考え方を示し、そのあと「実際のお支払いでは税が加わります」と補うと分かりやすいです。
従来ルールと比べるとどう変わる?
| 価格差40円の例 | 従来 | 2026年6月1日から |
|---|---|---|
| 特別の料金(税別) | 10円 | 20円 |
同じ価格差でも、2026年6月1日以降は従来より高くなるため、患者さんが「前回より高い」と感じやすい場面が増えます。
薬局で迷いやすい確認ポイント
| 迷いやすい点 | 確認したいこと |
|---|---|
| 比較に使う後発品価格 | 複数ある場合は最も高い後発医薬品の価格を使う |
| 対象医薬品か | その時点の対象医薬品リストに入っているかを確認する |
| 何に税がかかるか | 特別の料金は課税対象である |
| 薬剤料以外も変わるか | 診療や調剤の費用がこの変更で一律に上がるわけではない |
患者さんへどう伝える?
会計で差が出たときは、次の一言が使いやすいです。
- 「2026年6月1日から、先発品を希望されたときの追加負担の計算方法が変わっています」
- 「先発品と後発品の価格差をもとに計算しています」
- 「今回はその差額の2分の1が特別の料金のベースです」
計算を全部読み上げるより、「なぜ増えたか」を一文で伝えるほうが納得されやすいです。
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まとめ
長期収載品の選定療養の負担額は、2026年6月1日から「先発医薬品と後発医薬品の価格差の2分の1」をもとに計算します。従来の4分の1から見直されるため、同じ価格差でも患者負担は重くなりやすくなります。
実務では、対象医薬品かどうか と 価格差の比較対象 を確認したうえで、患者さんには「2026年6月1日から計算方法が変わった」と端的に説明するのが分かりやすいです。



