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片頭痛持ち薬剤師が実際に使っている頭痛薬

こんにちは、ご覧いただきありがとうございます。

今回は以前の痛み止めの記事に関連して片頭痛の治療薬、予防薬について解説します。

効果的に痛みを抑える!NSAIDsとアセトアミノフェンの賢い使い方と注意点

実際に私も偏頭痛を持っており、ひと月に約20日程度は頭痛を感じており、数ヶ月おきに数日間仕事もできないほどの片頭痛発作が発現することがあります。

頭痛時にどんな薬を使っているか、最近では新薬の予防薬も出てきたのでそれらを説明したいと思います。

そもそも頭痛とは?

片頭痛とは緊張型頭痛、群発頭痛とともに一次性頭痛(原因となる病気がない頭痛)に分類される頭痛です。

片頭痛は頭痛発作を繰り返す疾患で、1回の発作は通常4〜72時間程度持続します。

典型例では頭のどちらかに頭痛が起こる片側性、脈拍に連動して痛みを感じる拍動性日常的な動作で頭痛が悪化するのが特徴です。

頭痛に伴ってしばしば吐き気や嘔吐光や音によって頭痛が悪化することがあります。

原因としては、なんらかの理由で脳内の血管が収縮し、再び拡張する際に血管が神経を圧迫し頭痛が起こるという脳血管仮説が有力な説となっています。

最近はこの仮説に基づき、血管を拡張させたり炎症を起こす物質を抑える片頭痛の予防薬が発売されました。

次に、よく使われる薬、僕自身が使っている薬について解説していきます。

片頭痛の治療薬

基本的には痛み止めを使用します。

痛み止めと言っても様々あるので順に解説していきます。

アセトアミノフェン

以前の痛み止めの記事でも紹介した安全性の高い鎮痛薬、アセトアミノフェンです。

私の使用感で言うと、正直な話、片頭痛発作には無効なんじゃないかというくらい効きません

強い痛みにはあまり効果がない印象ですね。

痛くなり始めに1000mg程度の用量で使えば多少は効いた感じがあっても効果は限定的ですし、痛みが強くなってからでは私の場合、どれだけ飲んでも効きません。

NSAIDs

こちらも以前の痛み止めの記事に登場した痛み止めですね。

私が頭痛時に使うNSAIDsは基本的にはロキソニンです。

アセトアミノフェンに比べれば多少は効きますが、痛みが強いときにはやはり劇的に効いている実感はありません。

緊張性頭痛(肩や首の凝りからくる頭痛)にはある程度効果がありますね。

NSAIDsは使いすぎると以前の記事でも書いたように胃腸障害のリスクがあるので、私は極力使わないようにしています。

トリプタン系薬剤

片頭痛の治療薬といえばこのタイプ!

片頭痛発作時に拡張している血管を収縮させる薬です。

アセトアミノフェンやNSAIDsのような単純な痛み止めでは効果が乏しかったので、この系統の薬の登場は片頭痛の治療を大きく変えたと言っても過言ではないでしょう。

ただし、トリプタン系が全然効かない不応例や、その作用のメカニズムから心臓病をお持ちの方、脳血管障害をお持ちの方、高血圧の方などには使えないので注意が必要です。

一言にトリプタン系薬剤と言っても現在日本で使える薬剤にはスマトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタンの5種類があります。

それぞれの薬剤によって特色が違いますので、処方してもらう際は自分の症状、希望する条件を相談しながら伝えながら処方してもらうのが良いでしょう。

ちなみに私はエレトリプタン、リザトリプタンを処方してもらうことが多いです。

エレトリプタンは効果はそれほど強くはないですが、効き目が早く、中枢性の副作用(めまいや眠気など)が少ないのが特徴です。

リザトリプタンは脳への移行性がよく、効果は強いですが、その分中枢性の副作用(めまいや眠気など)が出やすい印象です。

私の場合はエレトリプタンでも強い眠気が出ることがあります。

しかし、片頭痛発作時は頭痛で眠れないことも多いので、副作用でも眠れるだけありがたいです。

トリプタン系の薬剤は誰でも使えるものではなく、片頭痛の確定診断がついた患者のみに使える薬なので、きちんと頭痛の診断、治療に精通した医師に診断を受けて処方してもらいましょう

エルゴタミン製剤

トリプタン系と同様に血管を収縮させ頭痛の発作を治療します。

血管収縮作用が強く効果も強いですが、吐き気などの副作用も多く、血管収縮作用が強いが故に禁忌となる症例が多く、トリプタン製剤登場後、使用量は大きく減っています。

ちなみに私は使ったことがありません。

片頭痛の予防薬

ここまでは頭痛が起きた時の治療薬について書いてきましたが、ここからはそもそも頭痛を起こりにくくする予防薬について書いていこうと思います。

カルシウム拮抗薬、抗てんかん薬、抗うつ薬等

頭痛が起こる前に発生する血管の収縮を抑えたり、拡張してしまった血管を収縮させることによって頭痛の発作を抑えます。

片頭痛の発作回数が多かったり、頭痛の症状が重い際には予防療法が考慮されます。

しかし、内服での予防薬では即効性はなく毎日内服しなければいけなかったり、低血圧やめまい、眠気などの副作用が起こりやすい薬も多いので、注意が必要です。

片頭痛の予防に適応のある塩酸ロメリジン(ミグシス)というカルシウム拮抗薬が第一選択になることが多いです。

CGRP関連抗体薬

CGRPとはカルシトニン遺伝子関連ペプチドのことで脳の硬膜や三叉神経にあり、片頭痛発作時の血管拡張や炎症反応の直接の原因とされている物質です。

2021年から日本でも保険適応され、3種類の薬が使用できるようになりました。

商品名で言うと、エムガルティアジョビアイモビーグの3つです。

エムガルティとアジョビはすでに放出されたCGRPにくっつくことによってCGRPを無力化する薬(抗CGRP抗体)です。

対してアイモビーグはCGRPを受け取る受容体と言われる部位にくっつき、CGRPがいくら放出されても受容体にくっつけなくする薬(抗CGRP受容体抗体)です。

製品名エムガルティアジョビアイモビーグ
分類抗CGRP抗体抗CGRP抗体抗CGRP受容体抗体
用法皮下注射
1ヶ月に1本
(初回のみ2本)
皮下注射
4週に1本 または
12週間隔に3本
皮下注射
4週に1本
自己負担額
(1本あたり、
3割負担の場合)
13,550円12,410円12,410円

これらは近年出てきた片頭痛予防の期待の星です。

発作の回数を減らし、発作時の痛みを軽くする効果もあると言われています。

多くの症例では使用開始翌月には頭痛の回数が減ったという実感があったそうです。

効果に関しては人によってばらつきがあるので、私の場合はエムガルティを投与し、3回投与したあたりから少し頭痛の頻度は減ったかなという印象でした。

これらのお薬は使用するには厚労省が定める基準を満たし、頭痛の専門の医師がいる医療機関でないと使用できません。

具体的な条件としてはエムガルティの場合以下のように定められています。

  • 医師に片頭痛と診断されていること。
  • 片頭痛が過去3か月の間で、平均して1か月に4日以上ある。
  • 従来の片頭痛予防薬の効果が不十分、または内服の継続が困難な場合。
  • 妊娠中・授乳中は、十分検討した上での慎重投与は可能
  • 18歳未満の小児は使用不可。

新しい薬であり、自己負担額もまだまだ高価なので、万人には中々勧めづらいかもしれませんが、頭痛によって日常に支障があるような方は検討してみても良いかもしれません。

「たかが頭痛」と侮らないで

頭痛は多くの人が経験したことがあり、「たかが頭痛で病院にいくなんて・・・」と我慢してしまう方も多い疾患だと思います。

しかし、頭痛の中には一次性頭痛以外にも脳の病気などによって引き起こされている二次性頭痛もあります。

また、一次性頭痛だとしても頭痛はQOL(Quality of Life:人生の質)を下げる要因にもなってしまいます。

もしあなたが日々の頭痛に悩まされている、頭痛が気になるようでしたら頭痛外来や脳外科等を一度受診してみることをおすすめします。

また、頭痛日記というものもあるので、ご自身の頭痛の頻度や症状などを一度記録してみて受診するかの参考にしてみてはいかがでしょうか?

沢井製薬ウェブサイトより引用

ただし、鎮痛薬の使いすぎは薬剤乱用性頭痛というさらなる頭痛を引き起こしやすくなる可能性もあるうので、くれぐれも使いすぎには注意してください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

頭痛に悩む人参考になれば嬉しいです。

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