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薬剤師が知っておくべき特定薬剤管理指導加算のポイント:患者の安全と治療効果を最大化するために


みなさんこんにちは。

患者の治療を支える薬局薬剤師として、日々の業務で重要なのはただ薬を提供するだけではありません。

薬剤の効果を最大限に引き出し、副作用を最小限に抑えるために、患者に適切な指導を行うことが求められます。

特定薬剤管理指導加算1と3は、患者に適切な指導を行うことに対する加算です。

これらの加算制度を正しく理解し、実践に活かすことで、患者の安全と治療効果を確保することができます。

今回は、特定薬剤管理指導加算1と3について詳しく解説します。


特定薬剤管理指導加算1とは

いわゆるハイリスク薬加算のことですね。

特定薬剤管理指導加算1は、薬剤師が患者に対して特定の指導を行う際に適用される加算制度です。

この加算は、特に薬剤変更や処方内容に関する詳細な説明が必要な場合に発生し、患者の安全と治療効果の最大化を目指します。

特定薬剤管理指導加算(いわゆるハイリスク薬加算)の対象となる主な薬剤カテゴリーは以下の通りです:

  1. 抗悪性腫瘍剤
  2. 免疫抑制剤
  3. 不整脈用剤
  4. 抗てんかん剤
  5. 血液凝固阻止剤
  6. テオフィリン製剤
  7. 精神神経用剤
    ただし、抗パーキンソン剤(薬効分類116)は含まれず、薬効分類117の精神神経用剤のみが対象となります。
  8. 催眠鎮静剤・抗不安剤

これらのカテゴリーに含まれる薬剤は、特に安全管理が必要な医薬品として厚生労働大臣が別に定めたものに限定されます。

特定薬剤管理指導加算を算定する際は、処方された薬剤が対象リストに含まれているか確認し、患者の使用目的や状況を十分に把握した上で、適切な服薬指導を行うことが重要です。

また、薬歴への詳細な記録も必須となります。

なお、2024年度の調剤報酬改定により、特定薬剤管理指導加算の算定要件や点数に変更がありました。

新規処方時や薬剤師が必要と認めた場合など、算定できるタイミングが明確化されています。

成人としての初回説明(10点)

  • 初回処方の例:
    治療開始時:初回処方
  • 追加処方の例:
    メトトレキサート服用中にステロイドの初回処方
  • 薬剤の変更の例:
    リウマチ治療薬の変更
    ステロイド剤の強度を変更
    糖尿病治療薬の新規追加

初回処方や追加処方の場合、薬剤の効果や副作用、正しい使用方法について詳細に説明することが求められます。

用法・用量の変更など(5点)

  • 増減変更の例:
    ステロイドを50→25mgに減量
    ステロイドを25→50mgに増量
  • 剤形の変更の例:
    錠剤から内服液への変更

用法・用量が変更された場合、患者が新しい用法にしっかりと従えるよう、わかりやすく説明する必要があります。

薬剤師の判断での変更(10点)

  • 薬剤師の判断による処方変更の例:
    副作用のため薬剤を変更
    薬物相互作用のため別の薬剤に変更
    重篤な副作用を防ぐための処方調整

薬剤師が薬剤の変更を提案し、医師に対する疑義照会の結果、その変更が行われた場合にこの加算が適用されます。

特定薬剤管理指導加算3とは

特定薬剤管理指導加算3は、特にリスク管理が求められる薬剤に対して、薬剤師が行う指導に対して適用される加算です。

この加算は、患者の安全を確保するために、適切な情報提供と指導が行われた場合に発生します。

患者向け資材があるRMP対象薬が処方された場合(5点)

  • 算定要件

    RMP対象薬につき1回の算定が可能
    初回処方時のみ
    処方量が変更された場合、加算対象外

患者に対してRMP対象薬が処方された場合、そのリスク情報を含む適切な情報提供が求められます。

遺伝子検査の対象となる先発品を選択しようとする患者に説明した場合(5点)

  • 算定要件

    初回に処方された1回のみ
    遺伝子検査の意義を説明し、検査を推奨すること
    遺伝子検査の結果を反映した薬剤の選択に関する説明を行う

遺伝子検査を必要とする薬剤の場合、初回処方時にその検査の重要性をしっかりと説明し、患者の理解を得ることが求められます。

緊急安全性情報の提供(5点)

  • 算定要件

    新たな緊急安全性情報が発生し、患者にその情報を提供した場合
    薬剤の変更や注意喚起を行い、患者がその指示に従えるよう支援する

新たなリスク情報が発生した場合、患者に速やかにその情報を伝え、必要に応じて薬剤の変更を指示することが求められます。

供給不安のため前回調剤した薬剤と違う薬剤を説明した場合(5点)

  • 算定要件

    初回に処方された1回のみ
    供給不安の理由と代替薬剤の選定について説明を行う

薬剤の供給が不安定な場合、代替薬の選定理由やその薬剤の使用方法について患者に十分な説明が求められます。

特定薬剤管理指導加算1・3のまとめ表

以下に、特定薬剤管理指導加算1および特定薬剤管理指導加算3の内容を表にまとめました。

加算種類要件・条件加算点数具体例
特定薬剤管理指導加算1成人としての初回説明10点初回処方
用法・用量の変更5点ステロイドの増減、剤形変更
薬剤師の判断での変更10点副作用や薬物相互作用による処方変更
特定薬剤管理指導加算3RMP対象薬が処方された場合の説明5点RMP対象薬のリスク情報提供
遺伝子検査対象の先発品の選択に関する説明5点遺伝子検査の意義説明と薬剤選択
緊急安全性情報の提供5点新たなリスク情報提供と薬剤の変更指示
供給不安による薬剤変更時の説明5点供給不安による代替薬剤の選定と使用方法の説明

この表は、各加算の要件や条件、加算点数、および具体的な事例を簡潔にまとめています。

これにより、薬剤師がそれぞれの加算に関する要点を迅速に把握できるようになっています。

特定薬剤管理指導加算の誤算定の具体例

特定薬剤管理指導加算の算定において、以下のような事例でミスが発生しやすいです。

主な算定ミスの事例

対象外の適応での使用

複数の適応を持つ薬剤が、対象範囲外の目的で使用されている場合に誤って算定してしまうケース。

処方医に使用目的を確認する必要があります。

一部の薬剤のみの指導

複数のハイリスク薬が処方されている場合、すべての薬剤について必要な指導を行わず、一部のみの指導で算定してしまうケース。

算定要件の誤解

新規処方時や用法・用量変更時、副作用発現時など、特定の場合にのみ算定可能であることを見落とし、毎回算定してしまうケース。

患者情報の不十分な収集

服薬状況、効果の発現状況、副作用の自覚症状などの情報収集が不十分なまま算定してしまうケース。

注意点

  • 薬歴への記載は必須で、指導内容を詳細に記録する必要があります。
  • 対象薬剤かどうかの確認だけでなく、使用目的も確認することが重要です。
  • 算定要件を十分に理解し、適切な場合にのみ算定することが求められます。

これらのミスを防ぐためには、算定要件を十分に理解し、チェックシートの活用や業務手順書への反映など、システム化された確認プロセスを導入することが効果的です。

また、日頃から患者さんとのコミュニケーションを大切にし、信頼関係を築くことで、より適切な服薬指導と算定が可能になります。

結論

特定薬剤管理指導加算1と特定薬剤管理指導加算3は、いずれも薬剤師が患者に対して質の高い指導を行うために設けられた重要な加算制度です。

これらの加算を適切に活用することで、患者の安全を確保し、治療効果を最大化することができます。

薬剤師として、これらの加算の要件を理解し、日々の業務において正しく対応することが求められます。

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