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【2026年版】特定薬剤管理指導加算1・2・3|算定要件・対象薬・実務ポイント完全解説

【2026年版】特定薬剤管理指導加算の算定要件と実務ポイント

「特定薬剤管理指導加算1・2・3って、結局それぞれ何が対象でいくら算定できるの?」「2026年改定で要件は変わったの?」――調剤現場で混乱しやすい加算の代表格です。

本記事では、2026年診療報酬改定後の特定薬剤管理指導加算1・2・3について、対象薬・算定要件・必要な記録・実務ポイントを整理しました。算定漏れ・査定リスクを減らす運用のコツまで、現場目線で具体的に解説します。

結論を先に言えば、特定薬剤管理指導加算1・2・3は「ハイリスク薬・ハイリスク領域への薬学的介入を可視化して評価する加算」であり、薬剤師の専門性を収益に直結させる重要な算定項目です。

特定薬剤管理指導加算とは

特定薬剤管理指導加算は、調剤管理料に上乗せできる加算で、「ハイリスク薬」や「特定の医薬品領域」について薬剤師が薬学的管理・指導を行った場合に算定できます。

2024年改定(前回改定)で従来の加算1に加えて加算2・3が新設され、さらに2026年改定で要件・点数が見直されました。3つの加算は重なる部分もありますが、対象薬・要件・点数が異なります。

加算 対象 点数の目安 頻度
特定薬剤管理指導加算1 ハイリスク薬全般(13薬効群) 10点 処方ごと
特定薬剤管理指導加算2 抗悪性腫瘍剤(注射+経口) 100点/月1回 月1回
特定薬剤管理指導加算3 特定の安全管理が必要な薬剤等 5点 処方ごと

※点数は2026年改定時点の目安です。最新値は厚生労働省告示・通知でご確認ください。

特定薬剤管理指導加算1|ハイリスク薬の指導

対象薬

ハイリスク薬」と分類される13薬効群が対象。具体的には次のとおりです:

  • 抗悪性腫瘍剤
  • 免疫抑制剤
  • 不整脈用剤
  • 抗てんかん剤
  • 血液凝固阻止剤(抗凝固薬・抗血小板薬)
  • ジギタリス製剤
  • テオフィリン製剤
  • カリウム製剤(注射)
  • 精神神経用剤
  • 糖尿病用剤
  • 膵臓ホルモン剤
  • 抗HIV薬
  • その他厚労省が定める薬剤

算定要件

  1. 該当薬剤が処方されていること
  2. 薬剤師が以下のいずれかに該当する薬学的管理・指導を行うこと
    • 患者または家族からの情報収集(症状・副作用・併用薬等)
    • 必要な指導の実施
    • 必要に応じた処方医への情報提供
  3. 指導内容を薬剤服用歴等に記録すること

記録に必須の項目

  • 患者から聴取した情報(副作用症状の有無・服薬状況)
  • 指導した内容(具体的な指導文言)
  • 処方医への情報提供の有無と内容

記録が薄いと査定対象になります。「副作用なし」だけでは不十分で、「どのような確認質問をして、どのような指導を行ったか」を具体的に記録する必要があります。

特定薬剤管理指導加算2|抗悪性腫瘍剤への薬学的介入

対象薬

抗悪性腫瘍剤(経口・注射)の処方を受けた患者が対象。経口抗がん剤・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬などが該当します。

算定要件

  1. 抗悪性腫瘍剤が処方されている患者であること
  2. レジメン(治療計画)の情報を医療機関から取得し確認すること
  3. 副作用モニタリング、患者への説明、必要な処方医への情報提供を行うこと
  4. 連携医療機関と情報共有する体制があること(連携充実加算届出薬局など)
  5. 月1回に限り算定

運用のポイント

  • レジメン情報の入手ルートを事前に医療機関と取り決めておく
  • 副作用モニタリングのテンプレート(症状チェックリスト)を整備する
  • 有害事象を発見した場合のトレーシングレポートの提出フローを構築する

関連記事:免疫関連有害事象(irAE)の薬物対応

特定薬剤管理指導加算3|2024年新設・2026年改定継続

対象薬

2024年改定で新設された加算で、特定の安全管理を要する薬剤が対象。具体的には次のような領域が想定されます:

  • 選定療養(後発医薬品の適応外利用)に関する説明が必要な薬剤
  • RMP(医薬品リスク管理計画)に基づき特別な情報提供が必要な薬剤
  • 新規収載・適応追加直後で、特に安全性確認が必要な薬剤

算定要件

  1. 該当薬剤が処方されていること
  2. RMPまたは選定療養に関する適切な情報提供・指導を行うこと
  3. 指導内容を薬剤服用歴等に記録すること

RMPの読み方はRMP(医薬品リスク管理計画)の見方で詳述しています。

3つの加算の違いを早見表で整理

📋 算定対象の早見表

加算1:ハイリスク薬

処方ごと10点。13薬効群に該当する処方で算定。最も頻度が高い。

加算2:抗悪性腫瘍剤

月1回100点。レジメン確認・連携医療機関との情報共有体制が要件。

加算3:特定の安全管理薬

処方ごと5点。RMP指定薬・選定療養対象薬等で情報提供を実施。

2026年改定で何が変わったか

2026年改定では次のような見直しが行われました(最新告示・通知に基づき確認をお願いします):

  • 記録要件の明確化:単に「指導した」ではなく、確認質問・指導内容・医師連携の有無まで具体的に記録
  • 連携加算との整理:地域支援体制加算・連携充実加算との整合が図られた
  • 加算3の対象拡大の余地:RMP指定薬・選定療養対象薬の運用拡大に応じて随時見直し

2026年改定全体の流れは2026年診療報酬改定の全体像でも解説しています。

算定漏れを防ぐ運用5つのコツ

コツ① レセコンに「該当薬チェックリスト」を仕込む

13薬効群を網羅したリストをレセコンの薬剤マスタに紐づけ、処方入力時に自動アラートを出す設定にしておくと、加算1の算定漏れが激減します。

コツ② 服薬指導の確認質問テンプレートを作る

「副作用なし」だけの記録は査定リスク。薬効群ごとの確認質問テンプレート(例:抗凝固薬→「歯ぐきからの出血は?」「あざは?」)を整備すると、記録の質が一気に上がります。

コツ③ 加算2はレジメン入手フローを事前構築

加算2はレジメン情報の入手が要件。連携医療機関と「処方箋に治療計画番号を記載してもらう」「FAXでレジメン共有を依頼する」など、入手ルートを事前に決めておきましょう。

コツ④ 月次レビューで算定実績をモニタリング

月次で「該当処方件数」と「実際の算定件数」を比較し、乖離があれば運用を見直す。「該当処方の80%以上で算定できているか」が目安です。

コツ⑤ 査定経験を全員でシェアする

査定通知が来たら、その内容を朝礼や勉強会で全員に共有。「同じ理由での査定を二度と出さない」体制が、加算管理の質を上げます。

記録の悪い例・良い例

❌ 査定リスクの高い記録例

「服薬指導実施。副作用なし。」

✅ 望ましい記録例

「ワルファリン服用中。歯ぐき出血・皮下出血の有無を確認、いずれもなし。納豆・青汁の摂取を再確認、控えていることを確認。次回採血時のINR値を持参いただくよう依頼。次回受診時にトレーシングレポート提出予定。」

記録は「聴取→評価→指導→医師連携」の4ステップが揃っていることが理想です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 加算1と加算3は同時に算定できますか?

同一処方箋上で同一薬剤に対して同時算定はできません。ただし、ハイリスク薬と別の特定安全管理薬が同一処方箋にある場合、それぞれ別の薬剤について算定できる場合があります。詳細は最新通知を確認してください。

Q2. 加算2は同じ患者に毎月算定できますか?

抗悪性腫瘍剤の処方が継続している間は月1回算定可能です。レジメン確認と副作用モニタリングを毎月適切に行うことが要件です。

Q3. ハイリスク薬の13薬効群以外でも加算1は算定できますか?

原則として算定できません。13薬効群以外で「特に注意を要する」と判断される薬剤については、加算3の対象になる可能性があります。

Q4. 記録は薬歴とは別に必要ですか?

薬剤服用歴(薬歴)への記録で問題ありません。ただし、加算算定の根拠となる「聴取・評価・指導・医師連携」の4要素が含まれている必要があります。

Q5. 算定漏れが発覚した場合は遡って算定できますか?

レセプト請求のルール上、過去のレセプトを修正して算定するのは原則的に難しいケースが多いです。月次レビューでの早期発見が重要です。

Q6. 在宅患者にも算定できますか?

在宅患者でも要件を満たせば算定可能です。在宅医療では在宅薬学総合体制加算との組み合わせを意識した運用が効果的です。

まとめ|「介入の可視化」が加算管理の核

特定薬剤管理指導加算1・2・3は、薬剤師の専門性を診療報酬で評価する代表的な加算です。算定要件は「ハイリスク薬への薬学的介入を、記録で可視化する」ことに集約されます。

該当処方の自動チェック・確認質問テンプレートの整備・月次レビュー――この3つを揃えれば、算定漏れを最小化しつつ、記録の質も底上げできます。査定が連続する薬局は、まず記録要件の見直しから着手してみてください。

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※本記事は2026年診療報酬改定時点の一般的な情報をもとに作成しています。点数・要件は告示・通知の改正、疑義解釈の発出により変更される可能性があります。算定にあたっては必ず最新の厚生労働省告示・通知・疑義解釈を確認してください。

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