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【2026年6月改定】在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料|500点・200点の算定要件と改定変更点を完全ガイド

「急変で患者宅に緊急訪問したとき、これは500点か200点か?」

計画外の緊急対応はタイミングも状況も想定外。だからこそ算定根拠があいまいだと、後で振り返ったときに「あの訪問は算定漏れだった」と気づくことになります。

2026年6月改定では、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の算定要件に関連する体系が整備されました。また在宅患者オンライン薬剤管理指導料が廃止・服薬管理指導料に一本化されるなど、知っておかなければならない変更が加わりました。

この記事では、2026年6月施行後の算定要件・点数・付随加算・よくある算定ミスを実務レベルで解説します。

在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料とは?

在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料(区分番号15の2)は、訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局の薬剤師が、在宅療養中の患者の状態の急変等に伴い、医師の求めに応じて計画外の緊急訪問を行い、薬学的管理・指導を実施した場合に算定できる報酬です。

通常の在宅患者訪問薬剤管理指導料(単一建物1人:650点)は計画的な定期訪問に対する報酬ですが、この緊急訪問料は計画外の急変時対応に特化した別建ての算定です。同一日に両者を重複算定することはできません。

①500点と②200点―どちらで算定するか

緊急訪問料には2つの区分があり、算定点数が異なります。

  • ① 計画的な訪問薬剤管理指導に係る疾患の急変:500点
  • ② ①以外の場合:200点

①の「計画的な訪問に係る疾患」とは、薬剤管理指導計画に記載されている対象疾患のことです。たとえばパーキンソン病で定期訪問管理指導を行っている患者が、同疾患の症状悪化で急変した場合は①(500点)に該当します。対象外の疾患や、疾患名が特定しにくい急変では②(200点)での算定となります。

なお、主治医と連携する他の保険医療機関の保険医の指示に基づく緊急訪問でも算定可能です。急変時に主治医が不在でも、連携医の指示があれば算定根拠となります。

📊 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料 点数・算定上限早見表(2026年6月施行)

区分 算定条件 点数 月算定上限
① 計画疾患の急変 訪問計画に記載された対象疾患の急変(新興感染症対応含む) 500点 通常:月4回
末期がん・麻薬注射患者:月8回
② その他 計画疾患以外・その他の緊急対応 200点

※在宅患者訪問薬剤管理指導料との合算で、保険薬剤師1人につき週40回まで / 患家と薬局の距離が16km超の場合は原則算定不可
出典:日本薬剤師会「調剤報酬点数表(令和8年6月1日施行)」令和8年3月31日作成

【2026年6月改定】押さえるべき2つの変更点

① 新興感染症患者への対応が算定要件に明示

2026年6月施行の点数表では、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の要件として「新興感染症対応含む」と明記されています(日本薬剤師会「調剤報酬点数表 令和8年6月1日施行版」)。

感染症法に基づく新型インフルエンザ等感染症の患者が在宅療養中に状態悪化した場合の緊急訪問も、算定対象として点数表上に明示されました。在宅患者の疾患が新興感染症であっても①500点または②200点で算定できることを、レセコン入力担当者や管理薬剤師が把握しておく必要があります。

② 在宅患者オンライン薬剤管理指導料が廃止・服薬管理指導料に一本化

2026年6月改定の大きな簡素化として、従来独立していた「在宅患者オンライン薬剤管理指導料」が廃止され、服薬管理指導料に一本化されました(厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」調剤報酬の簡素化より)。

在宅患者の急変時にオンラインで薬学的管理指導を行った場合は、2026年6月以降、服薬管理指導料(情報通信機器を使用)の「在宅患者で患者の状態の急変等に伴い行った場合」区分(59点)で算定します。

実務上の注意点:レセコン上の算定コードが変わります。旧「在宅患者オンライン薬剤管理指導料」のコードで入力すると6月以降は返戻になります。6月1日前にレセコンの設定確認・更新を必ず行ってください。

付随する加算の全体像

在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料には、患者の状態や訪問時間帯に応じて複数の加算を上乗せできます。

💡 緊急訪問料に算定できる加算一覧(2026年6月施行)

💊 麻薬・注射系加算

  • 麻薬管理指導加算:+100点
  • 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算(要届出):+250点

🍼 小児・乳幼児加算

  • 乳幼児加算(6歳未満):+100点
  • 小児特定加算(医療的ケア児・18歳未満):+450点

🏠 在宅特化加算

  • 在宅中心静脈栄養法加算(要届出):+150点

🌙 時間帯加算(末期がん・麻薬注射患者限定)

  • 夜間訪問加算:+400点
  • 休日訪問加算:+600点
  • 深夜訪問加算:+1,000点

※時間帯加算は末期の悪性腫瘍患者・注射による麻薬投与が必要な患者にのみ算定可

よくある算定ミスQ&A

Q. 急変時の緊急訪問は「在宅患者訪問薬剤管理指導料」と「緊急訪問薬剤管理指導料」のどちら?

A. 計画外の急変対応は「在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料」を算定します。同一日に通常の在宅患者訪問薬剤管理指導料と重複算定することはできません。ただし、在宅患者緊急時等共同指導料(700点)は別途算定可能です。

Q. 月の算定上限を超えた緊急訪問はどう記録する?

A. 通常患者は月4回、末期がん・麻薬注射患者は月8回が上限です。超過分は保険算定できません。ただし実施した薬学管理の記録(薬歴)は必ず残してください。

Q. 2026年6月以降のオンライン緊急対応はどう算定するか?

A. 旧「在宅患者オンライン薬剤管理指導料」は廃止されました。2026年6月以降は服薬管理指導料(情報通信機器を使用)の在宅患者急変区分(59点)で算定します。レセコンの算定コードが変わるため、6月前に必ず設定変更を確認してください。

Q. 緊急訪問後の記録で最低限必要なものは?

A. 医師から求めがあった旨・訪問日時・患者の状態・実施した薬学的管理・指導内容・処方変更の有無を薬歴に記録することが必要です。訪問当日または翌日中に記録を完了させる運用ルールを設けることを推奨します。

在宅患者緊急訪問料と関連する在宅系算定の整理

2026年6月改定で在宅系の算定体系が拡充されました。緊急訪問料と一緒に押さえておきたい関連算定を整理します。

  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料(650〜290点):計画的訪問の基本料。2026年改定で訪問薬剤管理医師同時指導料(150点)・複数名薬剤管理指導訪問料(300点)が新設。
  • 在宅患者緊急時等共同指導料(700点):急変時に主治医ら多職種と共同指導した場合。緊急訪問薬剤管理指導料と同日算定可。月2回まで。
  • 在宅移行初期管理料(230点):2026年新設。在宅療養開始前の管理・指導を行った場合、初回の在宅患者訪問薬剤管理指導料等と同時に算定。

2026年改定の調剤報酬全体像を確認したい方は、2026年調剤報酬改定の完全ガイドもあわせてご覧ください。

まとめ

2026年6月改定における在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の変更ポイントをまとめます。

  • 点数は①500点(計画疾患の急変)・②200点(それ以外)で維持
  • 点数表に「新興感染症対応含む」と明示。感染症法に基づく新型インフルエンザ等感染症患者への対応も算定対象
  • 在宅患者オンライン薬剤管理指導料が廃止→ 服薬管理指導料(情報通信機器を使用)に一本化。レセコン設定の更新が必須
  • 主治医以外の連携医の指示でも算定可
  • 加算体系は維持(麻薬管理指導加算100点・夜間400点・休日600点・深夜1,000点など)

急変時は対応に追われて記録が後回しになりがちです。訪問当日中に薬歴記録を完結させる習慣と、医師の指示を確認する連絡フローを事前に整備しておくことが、算定漏れゼロへの近道です。

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