令和8年度改定では、かかりつけ薬剤師評価がかなり大きく変わりました。これまでのように、かかりつけ薬剤師指導料や包括管理料を中心に見るのではなく、実際に何をしたかを個別に評価する形へ変わっています。
今回の改定は、かかりつけ薬剤師という名前の評価を維持するより、継続確認、患家訪問、残薬調整、一元管理に基づく介入を行ったかどうかを明確に見る方向に変わった、と考えると分かりやすいです。
この記事は、2026年4月10日時点の厚生労働省資料をもとに、廃止される項目、新設される項目、そして実務上の注意点を少し詳しく整理したものです。
もくじ
まず結論
令和8年度改定では、かかりつけ薬剤師指導料(76点)とかかりつけ薬剤師包括管理料(291点)が廃止されます。その代わりに、服薬管理指導料の中で、かかりつけ薬剤師が継続支援した場合の評価が新設されます。代表的なのは、電話等による継続確認を評価するかかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点)と、患家訪問による残薬整理等を評価するかかりつけ薬剤師訪問加算(230点)です。あわせて、残薬調整や薬学的有害事象等防止加算も新設されます。

| 項目 | 改定内容 | 実務で見たいこと |
|---|---|---|
| かかりつけ薬剤師指導料 | 廃止 | 包括評価から離れる |
| かかりつけ薬剤師包括管理料 | 廃止 | 名前より行動を評価する方向へ |
| フォローアップ加算 | 新設 50点 / 3月に1回 | 電話等による継続確認を評価 |
| 訪問加算 | 新設 230点 / 6月に1回 | 患家訪問による残薬整理等を評価 |
| 調剤時残薬調整加算 | 新設 50点・30点 | 残薬を減数調整できた場合を評価 |
| 薬学的有害事象等防止加算 | 新設 50点・30点 | 重複投薬や相互作用などの介入を評価 |
何が廃止されるのか
個別改定項目では、かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料を廃止すると明記されています。これまでの評価体系では、同意を得たうえで包括的に支援する形が中心でしたが、今後はその支援内容を個別の加算や服薬管理指導料の中で評価する方向に移ります。
このため、「かかりつけを取得しているか」だけを追う運用ではなく、実際に行った継続支援を残す運用へ切り替える必要があります。
フォローアップ加算はどう見る?
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算は、前回調剤後、再度処方箋を持参するまでの間に、患者又は家族等の求めに応じて、かかりつけ薬剤師が電話等により服薬状況や残薬状況の継続的確認と必要な指導を行った場合に、再度処方箋を受け付けたとき、3月に1回、50点算定できます。
ただし、調剤後薬剤管理指導料や在宅患者訪問薬剤管理指導料等を算定している患者には算定できません。つまり、在宅や他の継続管理と重なる場面では、何を主評価にするかの整理が必要です。
訪問加算はどう見る?
かかりつけ薬剤師訪問加算は、患者又は家族等の求めに応じて、かかりつけ薬剤師が患家に訪問し、残薬の整理や服用薬の管理方法の指導を行い、その結果を保険医療機関へ情報提供した場合に、6月に1回、230点算定できます。
こちらも、外来服薬支援料1、施設連携加算、在宅患者訪問薬剤管理指導料、服薬情報等提供料、居宅療養管理指導費などを算定している患者では算定できません。また、業務に要した交通費は患家の負担と整理されています。
訪問加算は、在宅患者訪問薬剤管理指導料の代わりではなく、外来患者の患家訪問的な支援を評価する項目として理解すると分かりやすいです。
残薬調整加算と薬学的有害事象等防止加算
今回の改定では、かかりつけ薬剤師評価とつながる形で、調剤管理料の中に新しい評価が入っています。
| 項目 | 主な算定イメージ |
|---|---|
| 調剤時残薬調整加算 | 患者や家族からの情報で残薬を確認し、処方医の指示や照会結果に基づいて調剤日数を変更した場合を評価 |
| 薬学的有害事象等防止加算 | 薬歴や電子処方箋の仕組みを用いた重複投薬確認等に基づき、照会の結果、処方変更が行われた場合を評価 |
残薬調整加算は、原則として7日分以上相当の調剤日数変更が行われた場合を評価し、6日分以下相当でも必要性がありレセプト記載を行えば算定可能とされています。薬学的有害事象等防止加算は、残薬以外の重複投薬や相互作用などへの介入が中心です。
薬局で先に整理したいこと
- かかりつけ同意中心の運用から、行動記録中心の運用へ切り替える
- 電話等フォローの対象患者と実施記録を整える
- 患家訪問を誰にどのタイミングで行うかを整理する
- 残薬調整や一元管理に基づく照会を記録しやすくする
- 在宅薬学総合体制加算や地域支援・医薬品供給対応体制加算の実績項目ともつなげる
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まとめ
令和8年度改定では、かかりつけ薬剤師評価は、包括的な名称評価から、電話等フォロー、患家訪問、残薬調整、一元管理による介入など、実際に行った支援を評価する方向に変わりました。薬局としては、これまでの同意取得型の運用に加えて、「何を実施したか」を残せるフローづくりが大切になります。
今後は「かかりつけを取っているか」よりも、「患者さんに継続してどう関わったか」を記録で示せるかが重要です。



