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一般名処方と変更調剤の線引き|薬局で確認する7項目【2026年版】

一般名処方と変更調剤の線引き|薬局で確認する7項目【2026年版】

一般名処方マスタに見当たらない薬が処方されたとき、「一般名では処方できない」と判断していませんか。
厚生労働省は、このマスタが一般名処方加算の対象となる標準的な記載を示すものであり、一般名処方の可否を規定するものではないと説明しています。
加算の対象かどうかと、薬局で何を調剤できるかは、分けて確認します。

本稿は、処方の指示から説明と記録までを7項目に整理した薬剤師向けの確認手順です。
先発品と後発品の基本は、先発医薬品とジェネリックの違いも参照できます。

1.一般名か銘柄名か、処方の指示を確認する

一般名処方は、一般的名称に剤形と含量を付けた形での処方です。
平成24年3月5日保医発0305第12号は、一般名処方と、銘柄名が記載された処方を分けて調剤方法を示しています。

処方の形 通知で示された基本的な取扱い
一般名処方 一般的名称が同一の成分を含む医薬品を調剤できる。規格等の変更は通知の条件を確認する
銘柄名処方で変更不可の記載がない 通知の条件に従い、後発医薬品への変更調剤を検討できる
銘柄名処方で変更不可の記載と保険医署名等がある この通知による後発医薬品への変更はできない。変更が必要な事情や疑義は処方医へ確認する

現行の処方箋では「変更不可(医療上必要)」欄と「患者希望」欄を区別します。
令和8年3月27日保医発0327第9号の別添は、一般名処方ではこの両欄にチェックを記載しない取扱いを示しています。
欄の記載に矛盾や不明点があれば、推測で処理せず確認します。

処方薬の近くに「含量規格変更不可」「剤形変更不可」などの個別指示がある場合も見落とせません。
患者さんの同意を得たことだけで、その指示を無視できるわけではありません。

処方の指示、製品の条件、患者への説明、記録と情報提供の順に変更調剤を確認する図
通知の条件と個別の処方指示を確認してから、説明と記録へ進みます。編集部作成。

2.成分と、一般名処方マスタの役割を確認する

一般名から成分、剤形、含量を特定します。
厚生労働省の一般名処方マスタの案内では、マスタから削除された品目も、一般名処方加算の対象ではないことに注意しつつ、電子処方箋管理サービスで登録できるとしています。

したがって、マスタにないことだけを理由に処方そのものが不適切とは判断できません。
一方で、成分や規格が特定できない記載は、マスタの掲載有無とは別の疑義です。
同じ成分名でも、適応や用法が製品間で異なる場合があります。

バイオ医薬品には別の一般名処方マスタがあります。
マスタに掲載されていることを、先行品とすべてのバイオ後続品が無条件に置き換えられる根拠にはせず、対象製品の承認内容と処方を確認します。
基礎はバイオシミラーとジェネリックの違いで整理しています。

3.含量規格と総投与量を確認する

平成24年の通知では、含量規格が異なる後発医薬品も条件付きで対象となります。
類似する別剤形への変更を除き、処方薬と同じ剤形の後発医薬品が対象です。
規格を変えた後の1回量、1日量、投与回数、総数を処方内容と照合します。

たとえば1錠の含量を変えれば、錠数の確認も必要になります。
含量の掛け算が一致していても、それだけでは変更可能と決まりません。
規格の違いによって効能や用法が異なる場合は、通知による規格変更の対象外です。

4.剤形の分類と服用方法を確認する

通知が示す「類似する別剤形」は、内服薬の次の分類内での変更です。

分類 対象の剤形
ア 普通錠、口腔内崩壊錠、カプセル剤、丸剤
イ 散剤、顆粒剤、細粒剤、末剤、内服用固形剤として調剤するドライシロップ剤
ウ 液剤、シロップ剤、内服用液剤として調剤するドライシロップ剤

ドライシロップは固形剤として調剤するか、液剤として調剤するかで分類が異なります。
また、この分類をそのまま貼付剤、点眼剤、坐剤へ広げることはできません。
効能や用法の違いに加え、患者さんが使用できる形か、製剤特性や服用方法に問題がないかを確認します。

粉砕や簡易懸濁の可否は別の確認です。
剤形を変更できることを、どの製品でも粉砕できる根拠にしないでください。
実務の整理には粉砕と脱カプセル、簡易懸濁の判断ガイドも使えます。

5.薬剤料の原則と、供給不足時の例外を確認する

平成24年の通知では、含量規格が異なる後発医薬品や類似する別剤形の後発医薬品への変更は、変更後の薬剤料が変更前と同額以下であることが原則です。
薬価の単価だけでなく、調剤する量を踏まえた薬剤料を比較します。

令和6年3月15日の事務連絡は、入手が限られて必要量を用意できないなど、やむを得ない場合に「当面の間」の取扱いを示しています。

示された取扱い 確認する条件
後発医薬品の銘柄処方から先発医薬品へ 変更不可の記載がなく、変更を説明して患者の同意を得る
規格や類似剤形を変える後発医薬品の薬剤料が上回る その旨を説明し、同意を得る。効能や用法が異なるものは除く
分類アとイの間の剤形変更 類似する別剤形への変更がやむを得ずできない場合に限る。説明と同意が必要で、効能や用法が異なるものは除く

供給不足ならどの薬へも変更できる、という通知ではありません。
対象の変更範囲、やむを得ない事情、患者さんへの説明と同意、処方元への情報提供を確認します。
本稿確認時には上記事務連絡を確認していますが、実施時には新たな取扱いが出ていないかも確認してください。
範囲を外れる場合や判断に疑義が残る場合は、処方医へ照会します。

入手状況を調べる手順は、医薬品の供給状況の確認方法も参考にできます。

6.説明と同意、長期収載品の負担を確認する

変更する製品、その選択理由、使い方、負担への影響を説明します。
「同じ成分だから説明は不要」とはせず、患者さんの服用状況や希望を確認します。

一般名処方でも、対象となる長期収載品を患者さんが希望する場合は、選定療養の対象となります。
一方、後発医薬品を提供することが困難で長期収載品を調剤せざるを得ない場合や、後発医薬品では適切な服用が困難と薬剤師が判断した場合など、通知に示された保険給付の取扱いがあります。
理由と判断の根拠を分けて記録します。

令和8年6月1日適用の通知への改正もあるため、古い説明用紙をそのまま使わず、対象品目と最新の計算方法を確認してください。
金額の確認は選定療養の負担額計算も参考にし、最終的には現行の厚生労働省資料と使用中のシステムで確認します。

7.調剤した銘柄を記録し、処方元へ情報提供する

平成24年の通知は、銘柄名処方の後発医薬品への変更調剤と、一般名処方に基づく調剤の両方について、調剤した銘柄等を処方元へ情報提供するよう求めています。
規格や剤形を変更した場合は、その内容も含めます。

処方元と情報提供の要否、方法、頻度などについて事前の合意がある場合は、その合意に基づく方法で差し支えないとされています。
担当者ごとに判断が分かれないよう、合意の内容と更新日を薬局内で共有します。

記録欄 残す内容
処方 一般名か銘柄名か、変更不可等の指示、確認した疑義
製品と用量 調剤した銘柄、規格、剤形、投与量の照合
費用 変更前後の薬剤料、選定療養の該当性と理由
供給事情 入手先への確認結果、必要量が用意できない事情
説明と同意 説明内容、患者の意向、確認日と担当者
情報提供 処方元、内容、方法、事前合意の確認

上表は編集部の確認様式です。
患者情報は施設の指定する記録先で管理し、教育用の共有資料へ持ち出さないようにします。

よくある質問

一般名処方マスタにないと、必ず疑義照会が必要ですか

掲載がないことだけでは決まりません。
成分、剤形、含量が特定できるか、処方内容に疑義がないかを確認します。
マスタは一般名処方加算の対象を示す資料です。

患者さんが同意すれば、変更不可の指示を越えて変更できますか

患者さんの同意だけで処方医の指示を無視することはできません。
必要な変更は、処方医へ事情を伝えて確認します。

一般名処方の調剤でも情報提供が必要ですか

通知は一般名処方の場合も対象にしています。
処方元との事前合意がある場合は、その内容に沿って対応します。

変更の根拠をチームで共有する

制度を理解していても、通知の更新が担当者に届かなければ手順に反映できません。
「新しい通知を確認する担当」「処方元との合意を保管する場所」「迷ったときの相談先」を決めておくと、担当交代時にも判断の根拠をたどれます。
職場の教育体制や自分のDI業務を振り返る際も、こうした具体的な運用を確認してみてください。

継続学習の情報源を検討する場合は、m3.comの薬剤師向け活用方法も参考になります。
個別の変更判断では、ニュースの要約だけでなく通知と対象製品の電子添文を確認します。

確認した一次資料

確認日:2026年10月6日。
本稿は通知を読むための実務整理です。個別の処方の疑義を解消せずに変更するための判断表ではありません。

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