「連携強化加算ってうちの薬局でも算定できるの?」「2026年改定で要件が変わったって本当?」——この記事を開いたあなたは、おそらく今、6月施行に向けた届出準備の最中で頭を抱えているはずです。
連携強化加算は、災害や新興感染症が発生したときに地域の医療を止めない薬局を評価する加算です。調剤基本料に上乗せする独立した加算で、地域支援体制加算とは別建てで取得できます。2024年改定で点数が2点から5点に引き上げられ、2026年改定では点数こそ据え置きですが、求められる体制要件はより多面的になっています。
この記事では、現役の改定対応支援を行ってきた立場から、連携強化加算の算定点数・施設基準・必要書類・経過措置を実務目線で整理します。読み終えるころには、自分の薬局が算定できるか、何を準備すれば届出が通るかが見えるはずです。
もくじ
連携強化加算とは|2026年改定で何が変わるか
連携強化加算は、2022年度改定で新設された調剤基本料の加算です。処方箋受付1回につき5点を算定できます。
大きな趣旨は2つ。
- ① 災害(地震・水害など)発生時に医薬品供給を止めないこと
- ② 新興感染症(COVID-19のような感染拡大時)に薬局として対応できること
2024年改定で点数が2点→5点に引き上げられ、第二種協定指定医療機関の指定が必須要件に組み込まれました。2026年改定では点数は5点のまま据え置きですが、研修・実訓練・オンライン服薬指導体制・情報セキュリティ対策など、求められる体制が多面化しています。
算定点数と対象範囲
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 点数 | 5点/処方箋受付1回(改定前と同点数) |
| 加算の位置づけ | 調剤基本料の加算(地域支援体制加算とは別建て) |
| 算定不可の薬局 | 特別調剤基本料Bを算定する薬局は算定不可 |
| 施行日 | 2026年6月1日 |
| 届出 | 必要(地方厚生局へ/様式87の3の4) |
ポイントは、地域支援体制加算の届出は前提ではないこと。連携強化加算は単独で届出・算定が可能です。同時取得もできます。地域支援体制加算の経過措置については、【2026年6月改定】地域支援体制加算の経過措置で詳しく解説しています。
施設基準|2026年改定後の主要要件
2026年改定での連携強化加算は、次の要件をすべて満たすことが条件です。
① 第二種協定指定医療機関の指定
感染症法に基づき、都道府県知事と「医療措置協定」を締結した薬局が指定を受けます。指定の有無は都道府県の感染症対策担当窓口に確認します。これがなければ算定不可。最重要要件です。
協定の中身は主に以下です。
- 新興感染症発生時に発熱患者等への医薬品提供を継続すること
- 個人防護具(PPE)の備蓄・配布体制を確保すること
- 都道府県の指示に基づき情報共有・対応すること
② 研修+実訓練の年1回以上の実施
2026年改定では、研修と実訓練の両方が年1回以上求められます。研修は外部機関主催(薬剤師会・医師会・行政等)に薬剤師を参加させる形でも可。実訓練は薬局内で災害・感染症発生を想定したシミュレーションを実施します。受講証明書・訓練記録を必ず保管してください。
③ 地域協議会への参加
地域包括ケア協議会、災害医療コーディネーター会議、感染症対策連絡会議など、地域で開催されている公的な協議体への参加が「年1回程度参加することが望ましい」と整理されています。議事録または参加証明を残しておきましょう。
④ オンライン服薬指導の体制
情報通信機器を用いた服薬指導が実施可能な環境を整え、サイバーセキュリティ対策を講じる必要があります。実施件数の要件はありませんが、体制として常時運用可能であることが求められます。
⑤ 要指導医薬品・一般用医薬品・検査キット
OTC(要指導医薬品・一般用医薬品)の販売、および体外診断用医薬品(検査キット)の提供体制が必要です。調剤専門薬局でも、これらを取り扱う体制整備が必須になります。
⑥ 情報公開と情報セキュリティ
薬局の体制(営業時間外対応、災害時対応等)をホームページ等で公開し、厚労省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に沿った情報セキュリティ対策を実施します。
届出に必要な書類と提出先
2026年6月から新たに算定する場合、2026年5月中の届出が必要です。提出先は薬局を所管する地方厚生(支)局です。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 届出書(連携強化加算) | 様式87の3の4 |
| 第二種協定指定医療機関の指定通知書(写し) | 都道府県発行 |
| 研修・実訓練の実施記録 | 受講証明書、訓練記録 |
| 体制を示す資料 | オンライン服薬指導体制、OTC・検査キット提供体制等 |
審査期間は原則2週間以内が標準とされています。
経過措置と注意点
連携強化加算の重要な経過措置は次のとおりです。
- 令和8年(2026年)5月31日時点で連携強化加算を算定している薬局は、改めての届出は不要
- 令和8年6月以降の実績で、施設基準の内容と異なる事情が生じた場合は変更届出が必要
- 新規に算定を始める薬局は、5月中に届出を完了させる必要がある
つまり、すでに算定中の薬局は手続き不要。これから算定したい薬局のみ、5月中の届出が必要です。最新情報は地方厚生局通知および日本薬剤師会の改定説明資料で必ず確認してください。
よくある質問
Q. 地域支援体制加算を取得していなくても算定できる?
A. はい。連携強化加算は調剤基本料の加算で、地域支援体制加算とは別建てです。届出も別。同時取得も可能です。
Q. 第二種協定指定医療機関の指定はどう取得する?
A. 都道府県の感染症対策担当部署に申請します。協定書の様式は都道府県ごとに異なるため、薬剤師会経由で確認するのが確実です。
Q. 研修は何を受ければいい?
A. 都道府県薬剤師会・日本薬剤師会・地域の医師会等が主催する「災害医療研修」「新興感染症対応研修」が対象です。eラーニング形式でも構いません。なお、研修と実訓練の両方の実施が必要です。
Q. 特別調剤基本料Bを算定している薬局は?
A. 特別調剤基本料Bを算定する薬局は連携強化加算を算定できません。
Q. 算定漏れがあったら?
A. 届出が間に合わず6月から算定できない場合、要件が整い次第、再届出を行えば翌月から算定できます。慌てず正しい順序で進めましょう。
まとめ|6月までに準備すべきこと
- 連携強化加算は調剤基本料の加算(地域支援体制加算とは独立)
- 第二種協定指定医療機関の指定を確認・取得
- 研修と実訓練の両方を年1回以上実施し記録保管
- 地域協議会への参加実績を整理
- オンライン服薬指導・OTC・検査キット・情報セキュリティの体制整備
- すでに算定中なら届出不要、新規は5月中に様式87の3の4を地方厚生局へ
連携強化加算は、地域医療における薬局の役割を可視化する重要な加算です。届出書類の整理に時間がかかるため、5月中旬までに準備を完了させましょう。
調剤報酬改定2026の全体像を把握したい方は、【2026年6月改定】調剤報酬改定の完全ガイドもあわせてご覧ください。地域支援体制加算の細かいチェックリストは地域支援体制加算チェックリスト2026で公開しています。


