「うちの薬局、加算ほとんど取れていない気がする」——そう感じたことはありませんか?
2026年の診療報酬改定で、調剤報酬の設計はさらに「加算をどれだけ取れるか」に収益が左右される構造になりました。つまり、加算が取れない薬局と取れる薬局では、経営状況も、そこで働くあなたの年収も、将来のキャリアも、大きな差がつき始めています。
この記事でわかること:
- 加算が取れない薬局で働き続けるとどうなるのか
- あなたの薬局が「加算が取れる側」か「取れない側」か見極める方法
- 今のうちに動くべき人・様子見で良い人の判断基準
- リスクを避ける3つのキャリア選択肢
現場で働きながらモヤモヤしている方ほど、読む価値があります。
もくじ
問題:加算が取れない薬局が直面している現実
2026年改定では、調剤基本料の区分見直しと、「地域支援・医薬品供給対応体制加算」(旧・地域支援体制加算)の要件強化が同時に進行しました。加算1を土台とする「二階建て構造」に再編され、加算1を取れない薬局は加算2〜5も取れないという厳しい仕組みです。
これが意味するのは、シンプルに言うとこうです。
- 加算が取れる薬局 → 点数を維持、もしくは上乗せ
- 加算が取れない薬局 → 点数が実質下がり、経営が圧迫される
特に、調剤基本料3(大型チェーン・処方箋集中率の高い薬局)に該当する薬局、地域支援・医薬品供給対応体制加算の加算1すら取れない薬局では、薬局側の収益が減っていく構造です。
また、後発医薬品調剤体制加算は2026年改定で廃止され、後発品の使用割合85%以上などが加算1の要件に吸収されました。加算1の算定にはこの後発品85%基準をクリアする必要があります(2027年5月31日までの経過措置あり)。
- 後発医薬品の使用割合 85%以上
- 医薬品の安定供給確保体制3要素
(在庫融通・供給不足時対応・重要医薬品備蓄)
薬局の収益減 = 薬剤師の待遇悪化
経営が苦しくなれば、そのしわ寄せは現場に来ます。
- 昇給・賞与のストップ
- 人員削減による業務負担増
- 設備投資の停止(在宅対応機器など)
- 閉店・撤退
実際、2026年の医薬品供給問題が長期化する中で、経営体力の弱い薬局の撤退・閉店は、業界紙や地方自治体の報道でも取り上げられる状況となっています。
煽り:このまま働き続けると何が起きるか
「今の職場に不満はないし、とりあえず大丈夫」——そう思っている方こそ、このセクションを読んでください。
リスク1:給与が10年上がらない未来
2026年6月から始まる調剤ベースアップ評価料(処方箋1回につき4点、令和9年6月以降は8点)は、40歳未満の勤務薬剤師・事務職員の賃上げ原資として設計された点数です。つまり、40歳以上の薬剤師にはこの評価料の恩恵が直接届かない設計です。
加えて、この評価料を届出・算定できない薬局では、そもそもこの賃上げ原資すら薬局に入ってきません。結果、世間の賃上げトレンドから取り残され、あなたの給与は年数回の定期昇給を除いて、実質横ばいということも起こり得ます。
リスク2:スキルが頭打ちになる
加算が取れない薬局は、
- 在宅業務が少ない(在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅薬学総合体制加算)
- かかりつけ機能が弱い(かかりつけ薬剤師指導料)
- 医療DXへの対応が遅い(電子的診療情報連携体制整備加算 ※2026年6月から従来の「医療DX推進体制整備加算」から再編・新設)
といった特徴があります。つまり、次の職場で評価される実務スキル(在宅、かかりつけ、DX対応)が身につかないということです。
40代になってから「病院や在宅に強い薬局に移りたい」と思っても、求められるスキルと自身の経験のギャップが転職活動のハードルになる可能性があります。
関連記事:管理薬剤師の転職エージェント選び方
リスク3:閉店・突然の異動命令
加算が取れない薬局は、チェーン全体の中で「不採算店舗」扱いされやすい傾向があります。
ある日突然、
- 店舗閉鎖による他店異動
- 通勤2時間の遠距離勤務命令
- 役職降格
といった状況に巻き込まれる可能性は、加算が取れる薬局に比べて高まる傾向があります。
解決策:3つのキャリア選択肢
では、どうすれば良いか。答えは3つあります。
選択肢A:加算が取れる薬局へ転職する
最もシンプルで効果的です。加算実績のある薬局は、
- 年収ベースが比較的高い傾向がある(加算体制が整っている薬局は薬局全体の収益基盤が安定しているため ※個別の年収水準は薬局規模・地域で異なる)
- スキルが身につく
- 経営が安定している
といった特徴があります。
選択肢B:病院薬剤師にシフトする
診療報酬の仕組み自体が違うため、調剤薬局の加算問題の影響を受けにくいのが病院薬剤師です。
- チーム医療への参画
- TDM・抗菌薬適正使用など高度な業務
- 認定・専門薬剤師へのキャリアパス
年収は調剤薬局より低いスタートでも、長期的なスキル投資という意味で強い選択肢です。
関連記事:病院薬剤師のキャリア形成
選択肢C:在宅・訪問特化の薬局へ
2026年改定で在宅領域は加算が手厚くなっています。特に在宅薬学総合体制加算1は15点から30点へ倍増しており、在宅医療を重視する国の方針が反映されています。
在宅に強い薬局は、今後10年の成長産業です。派遣・パートから入って経験を積むルートも有効です。
関連記事:在宅薬学総合体制加算の要件と対応
提案:あなたの薬局、加算「取れる側」?チェックリスト
以下のうち、3つ以上当てはまるなら加算が取れない側の可能性が高いです。
- 処方箋集中率が高く、特定医療機関からの処方がほとんど
- 地域支援・医薬品供給対応体制加算(2026年3月まで「地域支援体制加算」)の加算1すら取れていない
- 在宅患者訪問薬剤管理指導を月数件以下しか実施していない
- かかりつけ薬剤師指導料の算定がほぼゼロ
- 電子処方箋やマイナ保険証対応が遅く、DX系加算を取りにくい
- 後発医薬品の使用割合が85%未満
該当数が多いほど、今の職場の将来リスクは高いと判断してください。
絞り込み:今すぐ動くべき人・様子見で良い人
今すぐ動くべき人
- 40代前半までに年収を上げたい人
- 在宅やかかりつけなどの経験を積みたい人
- チェーン薬局で異動リスクを感じている人
- 上記チェックリストで4つ以上該当した人
様子見でも良い人
- 現職の年収・業務内容に満足していて、安定>成長の人
- 家庭事情で当面の異動が難しく、働き方重視の人
- 既に加算が取れる側の薬局で働いている人
ただし、情報収集だけは常にしておくべきです。求人市場は常に動いています。
行動:動き始めるための具体的ステップ
ステップ1:自分の市場価値を知る
エージェント登録は無料で、面談を通じて自分の市場価値(年収相場・求められるスキル)を知ることができます。
登録=即転職ではありません。情報を取るだけでも大きな武器になります。
ステップ2:加算実績のある薬局の求人を見る
エージェントに「地域支援・医薬品供給対応体制加算(加算1以上)を取得している薬局の求人が見たい」と伝えれば、該当する求人を優先的に提案してもらえます。
ステップ3:実際に動く・動かないの判断
求人を比較した上で、今の職場に残るべきか、動くべきかを最終判断します。判断材料が揃ってから決めるのが失敗しないコツです。
まとめ:加算が取れない薬局は「緩やかに変化が進む環境」
加算が取れない薬局で働き続けることは、業界の構造変化の影響を受けやすいポジションにい続けることを意味します。
今のまま留まるのか、別の環境を検討するのか。判断が早いほど、選択肢は多く残ります。
2026年改定はまだ始まったばかりです。ここから3〜5年で、薬局業界の二極化はさらに進むと見られます。動くなら今、それが90日後ではなく今日から情報収集を始めるべき理由です。
加算が取れる職場と取れない職場、
収益基盤が違えば、将来の年収カーブも大きく変わります。
まずはあなたの市場価値を確認してみませんか?
ファルマスタッフは薬剤師転職支援20年以上の実績があり、
大手チェーン・中堅優良薬局の求人に強いエージェントです。
※登録無料/正社員・派遣・パート求人対応/日本調剤グループ運営
関連記事:ファルマスタッフの評判・口コミを徹底解説
関連記事
よくある質問(FAQ)
Q1. 加算が取れない薬局でも、管理薬剤師になれば年収は上がりますか?
A. 管理薬剤師手当はつきますが、薬局本体の収益が低いと、手当自体が低く設定される傾向があります。加算が取れる薬局の管理薬剤師と、取れない薬局の管理薬剤師では、年収差が明確に出るケースがあります。
Q2. 転職活動がバレないか心配です
A. エージェント経由の転職活動は、基本的に現職にバレない配慮がされます。エージェント選定時に「現職にバレないよう進めたい」と最初に伝えるのが鉄則です。
Q3. 今の薬局に居続けて、改善を働きかけるのは可能ですか?
A. 可能ですが、加算取得は経営判断が大きく、個人の努力だけでは限界があります。特に処方箋集中率や立地条件は変えられません。個人が動く方が現実的です。


