※当ブログはアフィリエイト広告を含みます※

薬剤師の学会発表準備シート|演題登録前に確認する倫理審査、COI、単位申請【2026年版】

薬剤師の学会発表で倫理審査、COI、単位申請を確認する記事のアイキャッチ

演題登録の締切が近づいてから、倫理審査や患者同意の確認漏れに気づいても、間に合わないことがあります。

学会発表の準備は、スライドより先に「投稿要項」「研究倫理」「抄録」「利益相反(COI)」の順で確認するのが安全です。

この記事では、日本薬剤師会学術大会の現行ガイドラインを具体例に、演題登録前から発表後までの確認項目を1枚の準備シートとして整理します。

最初に確認すること

学会ごとに文字数、発表形式、倫理審査、COI、単位の扱いが異なります。この記事の数値は、出典名を明示した箇所だけに適用してください。実際の応募では、参加する学会の最新要項を優先します。

学会発表の準備は5つの確認欄に分ける

準備を一つの大仕事として捉えると、期限と確認先が混ざります。

「演題登録前」「抄録」「発表資料」「当日」「発表後」の5欄に分けると、誰に何を確認するかが見えます。

確認欄 確認する内容 主な確認先
1. 演題登録前 締切、発表資格、研究区分、倫理審査、患者同意 大会要項、所属施設の責任者、倫理審査窓口
2. 抄録 見出し、文字数、結果、匿名化、医薬品名 投稿ガイドライン、共同発表者
3. 発表資料 抄録との一致、COI、図表、引用元 発表要項、COI規程
4. 当日 発表時間、データ形式、受付、質疑の記録 大会運営からの案内
5. 発表後 証明書類、単位請求、院内共有、論文化の判断 認定制度の実施要領、PECS
薬剤師の学会発表準備を演題登録前から発表後まで5段階で示した図
演題登録前、抄録、発表資料、当日、発表後の順に確認します。

演題登録前に研究区分と倫理審査を確認する

最初に決めるのは、スライドのデザインではありません。

日常業務の報告なのか、単一の症例報告なのか、複数症例を比較する研究なのかを整理します。

日本薬剤師会学術大会における症例報告の扱い

日本薬剤師会の2024年12月版ガイドラインは、通常診療における1症例ごとの報告を研究に該当しないものと解釈し、倫理審査は不要としています。

一方、複数症例の経過を比較してデータをまとめる症例集積や、複数症例を合わせて考察する発表は研究に当たり、倫理審査が必要とされています。

「症例報告だから倫理審査は不要」と一律に決めず、症例数と分析方法を示して確認します。

発表の形 日本薬剤師会のガイドライン上の整理 実務で残す確認
通常診療の1症例 研究には該当せず、倫理審査は不要との解釈 本人または代理人の同意、匿名化、所属施設の規程
複数症例の比較、症例集積 研究に当たり、倫理審査が必要 研究計画、審査結果、同意手続、情報管理
業務改善やアンケート 内容により判断が分かれる 対象、収集項目、利用目的を示して倫理審査窓口へ確認

単一症例で倫理審査が不要と整理されても、病歴などの要配慮個人情報を利用する場合は、本人または代理人の同意が必要になることがあります。

さらに、所属施設や参加学会が独自の手続を定めている場合があります。

判断記録には、確認日、確認した規程、相談先、結論を残しておくと、共同発表者との認識をそろえやすくなります。

抄録は投稿要項の欄を先に作ってから書く

白紙から文章を書き始めると、結果と考察が混ざりやすくなります。

投稿画面を確認し、指定された見出しと文字数を先にメモします。

日本薬剤師会学術大会の抄録を例にした確認項目

2024年12月版ガイドラインでは、演題名は副題を含め60文字以内、演題要旨本文は1,000字以内とされています。

要旨の項目は、原則として「目的」「方法」「結果」「考察」「キーワード」です。

症例報告では「方法」を「症例(事例)の概要」とし、「結果」と「考察」を「結果及び考察」にまとめることも認められています。

書く内容 確認すること
目的 何を明らかにする発表か 背景だけで終わっていないか
方法 対象、期間、評価項目、解析方法 他者が結果の妥当性を判断できるか
結果 実際に得たデータ 割合には分子と分母があるか
考察 結果から説明できる意味と限界 希望や感想だけになっていないか
キーワード 内容を表す語 同ガイドラインでは5単語以内

登録前に機械的に確認できる項目

  • 結果が未記載の予告型になっていない
  • 目的、方法、結果、考察の対応が取れている
  • 医薬品名は原則として一般名を使用している
  • 割合に分子と分母を併記している
  • 施設名、所在地、患者番号、生年月日、具体的な日付など、個人を特定し得る情報を除いている
  • 共同発表者が内容と表記を確認している

統計値を載せる場合も、p値を置けば十分とは限りません。

研究目的と解析方法に合う指標を選び、読者が解釈できる形で示します。確認の土台には、薬剤師向けの論文統計チェックも使えます。

情報収集の位置づけ

医療ニュースや学会の話題を拾う入口としてm3.comなどの医療者向け情報サイトを使う場合も、抄録の根拠は原著論文、公式ガイドライン、電子添文などへ戻って確認します。m3.comの使い方は薬剤師向けm3.com活用記事で整理しています。

発表資料は抄録との一致とCOIを確認する

採択後に追加解析をしたくなる場合でも、演題要旨と異なる発表に変えてよいとは限りません。

日本薬剤師会の投稿規程は、大会当日に演題要旨と異なる内容を発表しないよう定めています。

変更が必要なときは自己判断で差し替えず、大会事務局へ確認します。

COIは参加学会の規程で確認する

日本薬剤師会学術大会では、筆頭演者が発表内容に関するCOIの状態を開示します。

口頭発表ではタイトルの次の2枚目、ポスター発表では最下部などに明示する運用です。

同会が開示対象として示している基準は次のとおりです。

  • 報酬、給与、ロイヤリティ、日当、原稿料、講演謝礼、贈与:同一組織から年間100万円超
  • 受託研究、共同研究、助成金、寄付金などの研究費:同一組織から年間200万円超
  • 株式などによる年間利益:100万円超、または当該企業の全株式の保有率が5%以上

研究費については、共同研究者または発表者が部署の長である場合、当該部署への研究費も申告対象になることがあります。

該当がない場合にも、同会の「開示すべき内容が無い場合」の様式を使います。

ただし、この金額基準と表示位置は日本薬剤師会学術大会の規程です。他学会では、対象者、期間、金額、書式が異なるため、そのまま転用しません。

発表当日は分からない質問を持ち帰ってよい

質疑応答では、短く結論を述べてから根拠を補います。

確認できていない事項を、その場で推測して答える必要はありません。

質問 答え方 発表後の記録
数値や対象の確認 結論を答え、該当図表を示す 誤解された箇所を記録する
方法や限界の指摘 限界を認め、今回言える範囲を示す 追加解析や次回研究の候補にする
未確認の事項 現時点では確認できていないと伝える 確認先と回答を共同発表者へ共有する

質疑の記録は、発表の評価表ではなく、次の研究計画を作る材料です。

JPECの単位は発表後にPECSで請求する

学会で発表すれば、公益財団法人日本薬剤師研修センター(JPEC)の研修認定薬剤師単位が自動で付くわけではありません。

同センターの研修認定薬剤師制度実施要領(令和7年12月25日一部改正)では、学術集会等発表は、JPECが指定した学術集会の発表者が対象です。共同発表者は除かれます。

自己研修等報告書を提出し、審査で合格と判断された場合に、1報告書につき1単位が付与されます。年間の上限は3単位です。

「発表1回で3単位」ではなく、「1報告書1単位、年間3単位まで」です。

単位請求で用意するもの

  • JPECが指定する様式の自己研修等報告書
  • 学術集会名、開催日、筆頭発表者であることが分かる要旨
  • または、開催日と演題が分かる主催者発行の発表証明書
  • PECSから提出するPDF

JPECの手順書は、様式や提出方法が変更される場合があるため、請求の都度、公式ページから最新様式を取得するよう案内しています。

新規認定では、申請日から遡って4年以内に40単位以上が必要です。ただし、学術集会等発表による単位には算入上限があります。

学会発表をキャリアの棚卸しに使う

学会発表の実績だけで、採用や昇進が決まるわけではありません。

一方で、テーマ設定、倫理確認、文献検索、データ整理、共同発表者との調整、質疑対応は、日常業務では見えにくい経験を言語化する材料になります。

発表後は「何を発表したか」だけでなく、「どの工程を担当し、何を改善したか」を記録します。

  • テーマと現場課題
  • 本人が担当した工程
  • 使った一次情報と分析方法
  • 質疑で指摘された限界
  • 発表後に変えた業務や次の研究課題

制度上の認定要件や職場の支援条件を確認するときは、発表実績だけで判断せず、参加費補助、研究時間、指導者、症例検討の場を並べて比べます。関連する確認項目は、認定薬剤師と職場の支援制度でも整理しています。

演題登録前チェックシート

  • □ 最新の大会要項と締切を確認した
  • □ 発表者資格と共同発表者の上限を確認した
  • □ 研究、単一症例、症例集積、業務報告のどれかを整理した
  • □ 倫理審査と同意の要否を、根拠と確認先を含めて記録した
  • □ 抄録の見出し、文字数、キーワード数を確認した
  • □ 結果が記載され、目的、方法、結果、考察が対応している
  • □ 個人を特定し得る情報を除いた
  • □ 医薬品名、略語、数値の表記を確認した
  • □ 共同発表者が最終稿を確認した
  • □ COIの対象者、期間、基準、表示位置を確認した
  • □ 発表後に必要な証明書類と単位請求方法を確認した

よくある質問

1症例の発表なら倫理審査は不要ですか?

日本薬剤師会の現行ガイドラインでは、1症例ごとの報告は研究に該当せず、倫理審査は不要との解釈です。ただし、同意、個人情報保護、所属施設の規程、参加学会の要項は別に確認します。

複数症例をまとめる場合も症例報告ですか?

複数症例を比較し、データをまとめたり、合わせて考察したりする場合は、研究として倫理審査が必要になることがあります。症例数だけでなく、分析方法と利用目的を示して判断を仰ぎます。

開示すべきCOIがなければ、スライドは不要ですか?

日本薬剤師会学術大会では、該当がない場合の様式も用意され、口頭発表ではタイトルの次に表示します。他学会では指定が異なるため、参加学会の様式を使います。

共同発表者もJPECの発表単位を請求できますか?

現行のJPEC実施要領では、学術集会等発表の対象は発表者で、共同発表者は除かれます。対象となる学術集会かどうかも含めて確認が必要です。

学会発表でJPECの単位は何単位付きますか?

自己研修等報告書を提出し、審査に合格すると1報告書につき1単位です。年間3単位までで、自動付与ではありません。

確認した一次情報

一次情報確認日:2026年7月31日。大会ごとの募集要項、倫理審査、COI、認定制度は更新されます。応募または申請の直前に、参加学会と認定機関の公式情報を再確認してください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


今の働き方・求人相場を知りたい薬剤師へ
薬剤師向けサービスを比べる
今の働き方・求人相場を知りたい薬剤師へ
薬剤師向けサービスを比べる