使っていたRMP資材が届かなくなり、PMDAで検索しても見つからない。
そんなときは、販売名と剤形、製造販売業者を確かめたうえで、RMPの終了状況と現在の安全対策を調べます。
RMP(医薬品リスク管理計画)は、医薬品の安全性上の懸念と、それに対応する情報収集やリスクを減らす活動を整理した計画です。
承認条件としてのRMPが解除されても、必要な注意喚起や安全管理情報の収集は続きます。
検索結果の空欄や資材の未着だけでは、解除済みとも、患者説明が不要になったとも判断できません。
もくじ
RMPが見つからないときに確認すること
- 販売名、規格、剤形、製造販売業者が検索対象と合っているか。
- PMDAの解除済み一覧に該当品目があるか。後発医薬品は原則として掲載対象外である点にも注意する。
- RMP全体の終了か、追加のリスク最小化活動の一部終了か。
- 最新の電子添文と製造販売業者の案内で、現在も必要な対策は何か。
RMPの構造を先に確認したい場合は、RMPの見方と実務のチェックポイントも参照してください。

解除済み一覧の226行をどう読むか
PMDAの「承認条件としてのRMPの策定・実施が解除された品目一覧」には、終了時点のRMPが参考資料として掲載されています。
2026年10月7日に掲載表の見出しを除いて集計すると、226行でした。
1行に複数の販売名や規格が含まれるため、226製品や226成分を意味する数ではありません。
| 一覧の掲載区分 | 行数 | 読み方 |
|---|---|---|
| 再審査時RMP | 205 | 再審査を経た品目の資料。承認条件になる前に作成され、再審査により終了したRMPも一覧に含まれる。 |
| 承認条件解除時RMP | 20 | 再審査以外の事由によって承認条件が解除された品目の資料。 |
| 安全対策調査会での報告時RMP | 1 | メトグルコ錠の資料。承認条件解除の一般的な手続きと同一視しない。 |
集計単位はPMDA掲載表の行です。PDFのファイルサイズ表記を除いて区分を分類しました。掲載内容は今後更新されます。
PMDAは、再審査などで安全性に関する情報の浸透、新たな懸念、リスクの発現状況、不足情報の収集状況などを評価すると説明しています。
期間が経過しただけで、自動的にRMPが終わるわけではありません。
すべての剤形と効能などについて承認条件が解除されると、承認条件としてのRMPの更新が終了し、「RMP提出品目一覧」から削除されます。
一方、解除済み一覧には、2014年10月1日施行の改正GVP省令により承認条件となる前に作成されたRMPも含まれます。
一覧全体を「承認条件が解除された226製品」と読み替えないようにします。
全体の終了と資材の一部終了を分ける
令和4年3月18日付け「医薬品リスク管理計画の策定及び公表について」の別紙6.(3)は、公表資料の削除を次のように整理しています。
| 対象となる状況 | 通知の取り扱い | 薬局での確認 |
|---|---|---|
| PMDAの評価で、すべての追加の活動が終了し、RMPの承認条件が満たされたと判断された場合 | 製造販売業者は、承認条件解除の事務連絡発出日から原則5営業日以内に公表資料を削除する。 | 解除の範囲と日付、最新の電子添文、現在の安全対策を確認する。 |
| 追加のリスク最小化活動の一部が終了した場合 | 製造販売業者は、RMPの更新に合わせて該当する資材を削除する。 | RMPの変更履歴と終了した活動を確かめる。ほかの活動の終了まで推測しない。 |
この5営業日は、上記の条件に該当する公表資料の削除期限です。
解除済み一覧への掲載も同じ日までに完了するという意味ではありません。
例えば、バイオ後続品の掲載資料の提出方法では、解除を確認した後、2週間を目途に企業が資料を提出し、PMDAが掲載する流れが示されています。
後発医薬品は2026年9月のQ&A改訂も確認する
令和8年9月1日付けQ&Aの一部改訂では、A50の後発医薬品の取り扱いが変更されました。
先発医薬品の電子添文からRMPに係る承認条件が削除された場合、後発医薬品でもその条件を解除できるとされ、製造販売業者に速やかな電子添文とRMPの対応を求めています。
RMPの承認条件に期限が付いている後発医薬品は、この取り扱いから除かれます。
そのため、「どの薬も個別の事務連絡から5営業日で消える」とは説明できません。
先発医薬品の変更だけを見て薬局の指導を止めず、調剤する製品の電子添文と企業の対応を確認します。
解除後のRMPを探す4手順
- 製品を特定する。販売名、規格、剤形、製造販売業者を確認し、PMDAの医療用医薬品情報検索で探します。
- 解除済み一覧と照合する。一覧の販売名と掲載区分を確認します。一覧に見当たらない場合は、後発医薬品の掲載対象外なども考慮し、企業に確認します。
- 過去のRMPと評価資料を読む。再審査による品目では、再審査報告書と再審査時のRMPを組み合わせて確認します。検索結果から一般名を開いた詳細画面も利用できます。
- 現在の対策に戻って確認する。過去のRMPだけで現在の指導内容を決めず、最新の電子添文と製造販売業者の案内を照合します。
PMDAの検索方法の案内では、再審査時のRMPは、再審査の申請時期によって独立した資料として表示されるものと、再審査申請資料概要に含まれるものがあります。
この案内は「再審査により解除された品目」の探し方です。
承認条件解除時の資料などは、解除済み一覧のリンクも利用してください。
PMDAの図には、解除された品目でRMP欄が非表示になる例が示されています。
ただし、これを逆に読んで「空欄なら解除済み」と判断することはできません。
検索操作はPMDAで電子添文を検索する方法、評価の読み方はPMDA審査報告書の読み方で補足しています。
日常的に扱う薬とバイオ後続品の掲載例
解除済み一覧には、タケキャブ錠、エリキュース錠、メトグルコ錠、レクサプロ錠なども掲載されています。
これは、RMPの終了状況を確認する機会が、抗がん剤や新しい薬に限られないことを示す例です。
掲載の有無から、薬効群全体の安全性や販売状況を判断するものではありません。
承認条件解除時RMPの20行のうち、販売名にBSと記載されたバイオ後続品は18行でした。
例えば、トラスツズマブBS「ファイザー」の承認条件解除時RMPは、再審査期間の欄が「なし」とされています。
バイオ後続品の手続きはQ&AのA51にあり、活動の結果をまとめた報告とPMDAへの相談、確認などを経て進みます。
「再審査期間がないから自動的に終了する」という扱いではありません。
製剤の違いを確認したい場合は、バイオシミラーとジェネリックの違いも参照してください。
一般化を避けたい掲載例
| 資料 | 確認できた記載 | 読み違えないための注意 |
|---|---|---|
| ドプラム注射液400mgの承認条件解除時RMP | 再審査期間は「-」。承認条件欄にはRMPの策定と実施を含む2項目が記載されている。 | 過去資料に記載された条件と、現在の条件を区別する。 |
| ラコサミド「サンド」の承認条件解除時RMP | 備考欄に後発医薬品と記載されている。 | 一覧の注記は後発医薬品を掲載対象外としている。今回の掲載理由は確認できず、推測しない。 |
| メトグルコ錠の安全対策調査会時RMP | 承認条件欄は「なし」。一覧では安全対策調査会での報告時RMPとして掲載されている。 | 承認条件の有無とRMPの存在は同じではない。この一例をすべての品目の終了手続きに広げない。 |
令和4年通知の別紙6.(1)③は、製造販売後に新たな安全性の懸念が判明して提出されたRMPも公表対象に含めています。
RMPを確認するときは、資料の表紙の日付、対象製品、作成された時点を合わせて読みます。
薬局で確認する7項目と共有シート
次の表は、公式資料を確認した結果を薬局内で引き継ぐための編集部提案です。
法令で定められた様式ではありません。
| No. | 確認すること | 記録する内容 |
|---|---|---|
| 1 | 対象製品 | 販売名、規格、剤形、製造販売業者 |
| 2 | 終了の根拠 | 一覧の掲載区分、資料名、URL、確認日。不明なら問い合わせ先 |
| 3 | 終了の範囲 | 全体か一部か。対象の効能、剤形、活動、資材 |
| 4 | 現在の電子添文 | 改訂年月と必要な警告、禁忌、注意事項。過去資料との差 |
| 5 | 評価の経緯 | 再審査報告書などで確認した判断内容。資料がなければ未確認と記録 |
| 6 | 現在の企業の対応 | 継続する情報提供や資材。問い合わせ日と回答内容 |
| 7 | 薬局での対応 | 継続する説明、変更する手順、担当者、共有日、次の確認時期 |
「解除済み」とだけ記録せず、何を継続し、何を変更するのかを残します。
手元の資材の扱いが不明な場合も、一律に廃棄したり説明を省略したりせず、企業の案内と薬局の手順を確認します。
日々の更新記録には、電子添文改訂の更新ログと朝礼メモも使えます。
よくある質問
RMPが終了すると、副作用報告も不要になりますか
不要にはなりません。
医薬品医療機器等法第68条の10第2項は、薬剤師などが副作用によるものと疑われる疾病などを知り、保健衛生上の危害の発生や拡大を防ぐために必要と認める場合の報告義務を定めています。
RMPの有無とは別の枠組みです。
報告対象と方法は、PMDAの医薬関係者からの報告案内で確認できます。
資材だけが届かなくなったら、一部終了と考えてよいですか
未着だけでは判断できません。
通知には資材の一部削除の扱いがありますが、実際にその活動が終わったかはRMPの変更履歴や企業の案内で確かめます。
現在の一覧にRMPが残っていることだけでも、資材が届かない理由までは分かりません。
解除後のRMPは、現在の患者説明にそのまま使えますか
解除時点や再審査時点の参考資料として読みます。
その後の改訂を反映しているとは限らないため、現在の電子添文と企業の最新の案内を優先して確認してください。
後発医薬品が解除済み一覧に見当たりません
PMDAは、RMPの承認条件が解除された後発医薬品を原則として掲載対象外とし、先発医薬品の再審査時RMPを参照するよう案内しています。
バイオ後続品は掲載対象です。
後発医薬品の現在の承認条件や安全対策は、その製品の電子添文と製造販売業者の案内で別途確認します。
安全管理業務を引き継ぐときの使い方
RMPの終了状況を調べる業務では、資料を探す作業と、薬局の説明や記録を見直す判断が必要です。
確認した根拠と変更理由を共有シートに残しておくと、担当者が替わったときにも経緯をたどれます。
学習や業務経験を振り返る際も、調べた件数だけでなく、どの手順を改善したかを整理できます。
情報収集の補助として医療者向けサービスを検討する場合は、m3.comの薬剤師向け情報収集機能と無料登録の使い方をまとめています。
個々の品目の解除状況は、PMDAと製造販売業者の資料で確認してください。
参考資料
制度と掲載状況の確認日:2026年10月7日。掲載行数は同日の集計値です。2027年5月20日適用の新制度は、冒頭で現行制度と分けて記載しています。


