2026年8月24日、希少疾病用医薬品として11品目が指定されました。薬局や病棟で「この薬はいつ使えるようになりますか」と聞かれても、指定のニュースだけでは答えられません。成分名に加えて、指定の対象となった効能と、国内で承認されている効能を分けて確認します。
希少疾病用医薬品の指定は、対象となる用途の開発を支援する手続きです。製造販売承認や薬価基準収載とは別に確認します。既に販売されている成分が、別の効能で指定を受ける場合もあります。
厚生労働省の指定一覧と通知を使い、8月24日の11品目、優先審査との関係、指定取消しの読み方を整理します。院内や薬局で共有する際は、後半のDI確認シートも利用できます。
- 希少疾病用医薬品の「指定」は開発段階の手続きで、承認や薬価収載とは別に確認します
- 指定履歴の集計では、通知改正前後で1指定日あたりの平均件数に差があります(因果関係は未確認)
- 指定を受けても、優先審査と優先相談の対象になるとは限りません
- 指定は効能ごとに、投与経路によらず成分に対して行われます
- 一覧の「指定の取消し」は、開発中止を意味するとは限りません
もくじ
2026年8月24日に指定された11品目
厚生労働省が公表している「R2.9.1以降に希少疾病用医薬品に指定された品目一覧」から、令和8年8月24日付の指定(第811号〜第821号)を抜き出したものが次の表です。名称、予定される効能又は効果、指定を受けた者を一覧に沿って示しています。改行や空白を整え、所在地の国名を補記しました。予定効能は、承認済みの効能を示すものではありません。
| 指定番号 | 名称 | 予定される効能又は効果 | 指定を受けた者 |
|---|---|---|---|
| 第811号 | Mecasermin rinfabate | 気管支肺異形成症の発症抑制 | OHB Neonatology Ltd. (英国) |
| 第812号 | rogocekib | 再発又は難治性の急性骨髄性白血病 | Chordia Therapeutics株式会社 |
| 第813号 | ziftomenib | NPM1遺伝子変異又はKMT2A遺伝子再構成を有する急性骨髄性白血病 | 協和キリン株式会社 |
| 第814号 | エンゾメニブ酒石酸塩 | KMT2A遺伝子再構成又はNPM1遺伝子変異を有する急性骨髄性白血病/再発又は難治性のKMT2A遺伝子再構成を有する急性リンパ性白血病 | 住友ファーマ株式会社 |
| 第815号 | Gildeuretinol Acetate | スタルガルト病 | Alkeus Pharmaceuticals, Inc. (米国) |
| 第816号 | ロザノリキシズマブ(遺伝子組換え) | ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質抗体関連疾患 | ユーシービージャパン株式会社 |
| 第817号 | bitopertin | 赤芽球性プロトポルフィリン症及びX連鎖性プロトポルフィリン症 | Disc Medicine, Inc. (米国) |
| 第818号 | エテンタミグ(遺伝子組換え) | 全身性ALアミロイドーシス | アッヴィ合同会社 |
| 第819号 | KK8398 | 骨端線閉鎖を伴わない軟骨低形成症 | 協和キリン株式会社 |
| 第820号 | Pegzilarginase | アルギナーゼ1欠損症 | Immedica Pharma AB (スウェーデン) |
| 第821号 | tiratricol | MCT8欠損症 | 藤本製薬株式会社 |
11品目のうち4品目は、一覧に記載された指定を受けた者の所在地が海外です(英国、米国2社、スウェーデン)。また、11品目のうち3品目が急性骨髄性白血病を対象としており、そのうちziftomenibとエンゾメニブは、各社の公表資料でメニン阻害薬として紹介されています。この記事では、有効性や安全性の優劣を比較するものではありません。
第811号のMecasermin rinfabateや第819号のKK8398のように、一覧には英語名や開発コードで掲載される品目があります。名称だけで既存薬と同じと判断せず、予定効能と開発企業も照合します。照合の基本は「薬剤名の取り違えを防ぐ確認7項目」を参考にしてください。
「指定」と「承認」はどう違うのか
希少疾病用医薬品の指定は、医薬品医療機器等法(薬機法)第77条の2第1項に基づく手続きです。厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定します。これは、開発を後押しするための制度であって、「有効性や安全性が確認された」という判断ではありません。
指定の要件には、国内で開発できる体制と計画があり、承認申請までの臨床試験の概観が明らかなこと、初回のヒト投与試験に必要な非臨床試験が概ね完了していることが含まれます。臨床試験開始前でも指定されうる制度ですが、既に臨床開発が進んでいる品目も対象になります。指定と臨床試験は、必ずこの順に進むわけではありません。

患者さんやご家族への説明では、「指定は開発を支援するための手続きです。今回の対象となる病気に使えるかは、承認情報を確認します」と伝えます。治験などの利用は別の条件で判断されます。また、既承認薬の新効能の承認では、そのたびに新たな薬価収載や発売を経るとは限りません。承認と収載を分ける考え方は「2026年8月24日承認の新医薬品と薬局の確認ポイント」でも整理しています。
指定を受ける3つの要件
指定の基準は、薬機法第77条の2第1項と、課長通知「希少疾病用医薬品等の指定に関する取扱いについて」(令和2年8月31日付、令和6年1月16日改正)に定められています。通知では要件が3つに整理されています。
| 要件 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 対象者数 | 用途に係る対象者の数が本邦において5万人未満であること。用途が指定難病の場合は、人口のおおむね千分の一程度未満であること | 薬機法第77条の2第1項第1号 施行規則第251条 課長通知1(1) |
| 医療上の必要性 | 承認されたならば、その用途に関し特に優れた使用価値を有すると見込まれること。原則として重篤な疾病等を対象とし、対象疾患に対する有用性があること | 薬機法第77条の2第1項第2号 課長通知1(2) |
| 開発の可能性 | 国内での開発を行うことのできる体制及び計画を有していること。承認申請までに実施予定の臨床試験の概観が明らかで、初めて人に投与する臨床試験に必要な非臨床試験が概ね完了していること | 課長通知1(3) |
「5万人未満」は疾患そのものの患者数ではなく、その医薬品の用途に係る対象者の数です。ここを疾患の有病者数と読み替えると、なぜこの疾患で指定が取れるのかが理解できなくなります。
指定を受けると何が変わるか
指定品目の開発を支える主な措置には、次のようなものがあります。助成や税制、審査の取扱いにはそれぞれ条件があり、指定だけですべての措置が自動適用されるわけではありません。
| 措置 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 試験研究の助成 | 国が試験研究を促進するのに必要な資金の確保に努める | 薬機法第77条の3 |
| 税制上の措置 | 租税特別措置法で定めるところにより、試験研究を促進するための必要な措置を講ずる | 薬機法第77条の4 |
| 優先審査と優先相談 | 指定品目のすべてが対象ではありません。当面の間、従前の指定基準を満たすものに限られます | 課長通知8 |
| 再審査期間 | 薬機法第14条の4第1項第1号イでは、承認後6年超10年以内の調査期間を規定。個別の指定や同条第3項の延長規定も確認します | 薬機法第14条の4第1項第1号イ |
再審査は、承認後に得られた情報を踏まえて品質、有効性、安全性を確認する仕組みです。指定だけを根拠に、一律の再審査期間や後発品の発売時期を決めつけないようにします。先発品と後発品の基本は「先発医薬品とジェネリックの違い」で整理しています。
指定履歴338件からみる改正前後の件数
令和6年1月16日の通知改正前後で、指定日ごとの件数を比較しました。集計対象は、厚生労働省の一覧に載る第484号から第821号までの338件です。取消し済み9件を含む履歴であり、現在有効な指定数や異なる成分の数ではありません。
指定日ごとの件数も集計しました。改正前の26回では合計110品目、1回あたり平均4.2品目、最も多い日でも8品目でした。改正後の21回では合計228品目、1回あたり平均10.9品目、最も多い日は18品目です。1指定日あたりの平均件数は約2.6倍です。ただし、比較する期間の長さは異なり、指定日以外の日は分母に含めていません。この集計だけでは、通知改正が増加をもたらした因果関係や、今後の承認数は判断できません。
新旧対照表で確認できる主な変更点は次の3点です。
| 論点 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 開発の可能性 | 対象疾病に使用する理論的根拠があり、開発に係る計画が妥当と認められること | 国内での開発を行う体制と計画があること。承認申請までの臨床試験の概観が明らかで、初回のヒト投与試験に必要な非臨床試験が概ね完了していること |
| 医療上の必要性 | 代替する適切な医薬品等や治療方法がない、または既存薬と比べ著しく高い有効性や安全性が期待されること | 上記に加え、既承認薬があっても予後不良などで複数の選択肢が臨床的に必要とされる場合(新規作用機序など)を追加 |
| 「輪切り」の扱い | 医学薬学上の明確な理由なしに接頭語やただし書きを加えて患者数を5万人未満とする申請は原則認めない | 同左。加えて、年齢層(小児を含む)、治療体系、治療ライン、リスク分類などで適切な根拠に基づき限定した場合は輪切りに該当しないと明記 |
同日のQ&Aでは、医学薬学上の理由に基づく対象者の限定を整理しています。一次治療の効果が不十分な患者について標準治療が確立していない場合(Q2)や、科学的に妥当なバイオマーカーで治療対象が限定される場合(Q4、Q5)などです。年齢だけで任意に区切れるわけではなく、小児と成人で治療体系や忍容性が異なるなどの医学薬学上の理由を確認します(Q6)。
例えば、第809号ベドリズマブ(遺伝子組換え)は、効能欄に潰瘍性大腸炎の治療と維持療法、備考欄に「小児に限る」と記載されています。成分は既にエンタイビオとして薬価収載されていますが、今回の指定対象は備考欄まで読む必要があります。この例だけで、改正がなければ指定されなかったとまでは判断できません。
指定されても優先審査とは限らない
希少疾病用医薬品の指定と、優先審査への該当性は分けて確認します。指定の報道だけでは、優先審査の対象かどうかはわかりません。
課長通知8には、優先審査及び優先相談の対象となるのは「当面の間、従前の希少疾病用医薬品の指定の基準を満たすものに限る」と書かれています。つまり、指定の間口を広げた一方で、優先審査の入口は従来の基準のまま据え置かれました。改正で新しく加わった要件(既承認薬があっても複数の選択肢が必要な場合など)だけで指定を受けた品目は、優先審査の対象にならないことがあります。
優先審査に該当するかどうかは、指定の段階で「希少疾病用医薬品該当性事前評価報告書」に記載されます。指定時に非該当とされた品目でも、開発が進んだ段階で追加データをもとにPMDAの相談で該当性を確認し、要件を満たすと評価された場合には優先審査の適用を受けられます。相談の申込みだけで適用が決まるわけではありません。2024年のQ&A Q20では承認申請の40勤務日前までの申込みを示しています。現在の相談区分や実施依頼の流れは、PMDAの相談案内で確認します。
したがって、指定品目数が増えたことと、承認が早まることは同じではありません。指定の一覧だけを見て「これだけ新薬が出る」と読むのは、少し先走った読み方になります。
同じ成分でも効能が異なれば別の指定になる
質疑応答集のQ17に、「希少疾病用医薬品の指定は、効能ごとに投与経路によらず、成分に対して行う」と明記されています。同じ成分でも、効能が違えば別の指定になるということです。
8月24日の11品目に、まさにその例が含まれています。第816号のロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)は、ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質抗体関連疾患を予定効能として指定されました。この成分は、令和2年11月25日にも第490号として全身型重症筋無力症で指定を受けています。
そして現在、国内ではリスティーゴ皮下注280mgと420mg(ユーシービージャパン)として薬価基準に収載されています。つまり、国内で薬価収載済みの成分が、別の効能で改めて希少疾病用医薬品に指定されたということです。一覧に載っている名称が未承認の開発品ばかりだと思い込むと、この構造を読み違えます。
国内の使用状況を調べる際は、電子添文で承認効能を、薬価基準収載品目リストで収載の有無を、製造販売元の案内で供給状況を確認します。成分が収載されていても、指定された効能での使用が承認されているとは限りません。
「指定の取消し」は開発中止とは限らない
一覧の備考欄には、指定が取り消された品目に「指定の取消し(年月日)」と記載されます。令和2年9月1日以降の338品目のうち、取消しの記載があるのは9品目でした。
取消しの根拠は薬機法第77条の6と、その運用を示す課長通知6です。試験研究等の中止の届出があったときは取り消さなければならず、そのほか、要件を欠くと認められるとき、申請書に虚偽記載等の不正があったとき、正当な理由なく試験研究や製造販売が行われないとき、薬事に関する法令違反があったときに取り消されることがあります。
ただし、取消しの理由は一覧に書かれていません。ここを「開発中止」と即断すると、実態とずれることがあります。2026年8月24日は、11品目が指定された同じ日に3品目の指定が取り消されています。そのうちの1つが第627号のDSP-5336(住友ファーマ)で、予定効能は「再発又は難治性のMLL遺伝子再構成陽性又はNPM1遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病」でした。
一方、同じ日に第814号として指定されたエンゾメニブ酒石酸塩も、申請者は住友ファーマです。エンゾメニブは開発コードDSP-5336として開発が進められてきた品目で、効能には急性リンパ性白血病が加わっています。今回確認した一覧と企業の公表資料では、取消しの理由までは確認できませんが、少なくとも「取消し=その薬の開発が終わった」と読むのは危険だとわかります。
開発の進み具合は、jRCTの試験登録と更新日、企業の公表資料を照合します。登録情報だけで開発全体の状況や承認の見込みがわかるわけではありません。調べ方は「jRCTの使い方|薬剤師が治験・臨床研究を調べる6ステップと読む場所【2026年版】」にまとめています。
開発コードと成分名を照合する
一覧には、一般名に加えて開発コードや英語表記も掲載されています。名称の表記だけから、日本語一般名の有無や臨床開発の段階を判断することはできません。
例えば、第490号はRozanolixizumab、第816号はロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)という表記です。同じ成分を追う際も、効能と指定番号を分けて記録すると混同を避けやすくなります。
開発コードで電子添文が見つからないときは、指定一覧の予定効能と企業名を手がかりに、公表資料や試験登録で成分名を照合します。検索結果がないことだけで、未承認や開発中止とは判断しません。電子添文の探し方は「PMDAで電子添文を検索する方法」で解説しています。
薬局や病棟で確認する場面
希少疾病用医薬品の指定は、明日の調剤を変える情報ではありません。ただし、次のような場面では確認先を知っているかどうかで対応が変わります。
| 場面 | 確認すること |
|---|---|
| 患者さんやご家族から「新薬が出ると聞いた」と相談された | 指定一覧、承認情報、薬価収載情報をそれぞれ確認します。指定だけでは対象効能の承認や使用開始時期は判断できないと伝え、既承認の効能と今回の予定効能を分けて確認します |
| 医師から「まもなく出る薬」の在庫を打診された | 販売名ごとに電子添文、薬価収載、発売と供給状況を照合します。指定一覧だけでは発注可能な時期を判断できません |
| 開発コードで問い合わせが来た | 指定一覧で開発コードと予定効能、申請者を照合します。そのうえでjRCTや企業のニュースリリースにあたります |
| 既存薬に新しい適応が付くか知りたい | 指定の予定効能と電子添文の承認効能を照合します。指定だけでは適応追加の承認や時期は決まりません |
| DIメモやニュースの共有に使いたい | 指定日、指定番号、名称、予定効能、申請者を一次情報のまま残します。推測した承認時期は書きません |
DIメモの残し方は「薬局DIメモの作り方|PMDA・PubMed・医中誌を使い分ける実務テンプレート」を参考にしてください。
DI共有メモに残す7項目
- 確認日と一次資料のURL
- 指定日と指定番号
- 一覧の名称と開発コードの対応
- 予定効能と備考欄の限定
- 国内で承認済みの効能
- 薬価収載と供給状況
- 未確認事項と次の確認先
未確認の欄は推測で埋めず、確認担当を決めて共有します。
制度の変更を追うときには、指定通知、承認情報、企業発表を照合する技能が必要です。照合の過程を残すことは、DI業務や後輩教育の振り返りにも役立ちます。担当業務の学習記録として、今回の確認シートを使えます。
自分で確認する手順
指定の一覧は、厚生労働省のサイトで随時更新されています。次の手順で確認できます。
- 厚生労働省「希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定制度の概要」のページを開きます
- 「R2.9.1以降に希少疾病用医薬品に指定された品目一覧」のPDFを開きます
- 末尾を見ると、直近の指定日と指定番号がわかります
- 備考欄に「指定の取消し」の記載がないかを確認します
- 気になる成分は、薬価基準収載品目リストで国内の収載状況を照合します
- 令和2年8月31日以前に指定された品目は、医薬基盤・健康・栄養研究所のサイトに一覧があります
指定の要件そのものを確認したいときは、同じページに掲載されている課長通知(令和6年1月16日改正)と質疑応答集のPDFにあたります。通知には新旧対照表が付いているので、どこが変わったかを自分の目で確かめられます。
希少疾病用医薬品の指定、新薬の承認、電子添文の改訂、供給停止の情報は、まとめて届く形にしておくと確認が続きます。医療系ニュースサービスの使い分けは「m3.comは薬剤師に必要?評判・メリット・デメリットと無料登録の使い方を解説」で整理しました。利用範囲や会員条件を確認する際の参考になります。ニュースで気づいた情報は、厚生労働省やPMDAの一次資料で確かめます。
よくある質問
指定された薬はいつから使えますか
指定だけでは使用開始時期は決まりません。今回指定された効能について、承認の有無や開発状況を確認します。既に別の効能で承認された成分もあるため、成分全体を一律に「使えない薬」と説明しないようにします。
希少疾病用医薬品と先駆的医薬品は何が違いますか
希少疾病用医薬品は、対象者数と医療上の必要性などに基づく指定です(薬機法第77条の2第1項)。先駆的医薬品は、作用機序の新規性や特に優れた使用価値など、別の要件に基づきます(同条第2項)。「日本だけで開発する薬」という意味ではありません。
指定されると薬価は高くなりますか
薬価は、承認後に中央社会保険医療協議会での審議を経て、厚生労働大臣が決定します。指定そのものが薬価を決めるわけではありません。薬価制度の考え方は「2026年度薬価制度改革|長期収載品G1一本化・AG先発同額・共連れ廃止」で整理しています。
指定の一覧はどのくらいの頻度で更新されますか
指定は薬事審議会の意見を聴いて行われるため、複数の品目が同じ日付でまとめて指定されます。厚生労働省の一覧を数えると、令和7年9月1日から令和8年8月24日までの1年間では8つの指定日に合計98品目が指定されていました。これは過去の指定日の集計で、PDFの更新日を数えたものではありません。今後の指定や更新が同じ間隔になるとは限らないため、利用時に最新の一覧を確認します。
指定を受けた品目の情報はどこまで公開されますか
課長通知では、指定した品目について指定年月日、医薬品等の名称、対象疾病、申請者の氏名と住所を厚生労働省のホームページに掲載することとされています。試験の詳細や開発の進捗は掲載されないため、そこを知りたい場合はjRCTや企業の公表資料を確認します。
まとめ
2026年8月24日の指定は11品目でした。一覧には同日付の指定取消しも3件ありますが、取消しの理由や、その後の開発状況は一覧だけで断定できません。開発コードと成分名、企業の公表資料を照合します。
指定履歴338件の集計では、通知改正前後で1指定日あたりの平均件数に差がありました。ただし、集計から改正の効果を断定することはできません。優先審査の該当性や承認の見込みは、指定数とは別に確認します。
患者さんや医師からの問い合わせでは、予定効能と承認効能を分け、薬価収載と供給状況まで必要に応じて確認します。調べた範囲と未確認事項をDIメモに残すと、次の担当者が確認を引き継げます。
参考資料
- 厚生労働省「希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定制度の概要」
- 厚生労働省「R2.9.1以降に希少疾病用医薬品に指定された品目一覧」(PDF)(第484号〜第821号、令和8年8月24日指定分まで)
- 厚生労働省「『希少疾病用医薬品等の指定に関する取扱いについて』の一部改正について」(令和6年1月16日 医薬薬審発0116第1号・医薬機審発0116第1号、新旧対照表を含む)
- 厚生労働省「希少疾病用医薬品の指定に関する取扱いについての質疑応答集(Q&A)について」(令和6年1月16日 事務連絡)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(第14条の4、第77条の2〜第77条の6)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(第250条の2、第251条)
- 厚生労働省「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について」(令和8年8月13日適用)
- 難病の患者に対する医療等に関する法律施行規則(第1条、指定難病の患者数の基準)
- 協和キリン「Kyowa Kirin and Kura Oncology Initiate Japanese Phase 2 Registration-Directed Trial of Ziftomenib in R/R NPM1-m AML」(2026年4月24日、ziftomenibの作用機序と国内開発状況)
- 住友ファーマ「抗がん剤エンゾメニブ(DSP-5336)の最新臨床データを日本血液学会学術集会で発表」(2025年10月14日、開発コードと一般名の対応)
本記事は2026年9月10日時点で公開されている一次情報をもとに整理したものです。制度の運用や指定状況は更新されるため、実務で用いる際は厚生労働省の最新の掲載内容をご確認ください。

