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ブルーブックの使い方|品質確認の5ステップと共有シート

ブルーブックの使い方。品質確認の5ステップ。パープルブックも整理

「この後発品に変えても大丈夫ですか」と聞かれたとき、製品の情報と、同等性を確認した根拠を分けて調べると説明を組み立てやすくなります。
ブルーブックは、後発医薬品の品質情報と、その出典を探すための公的な資料です。
記号の数やグラフの見た目で製品を順位付けする資料ではありません。

薬局で使うときは、製品を特定し、資料の日付、記号、試験の結論、現在の情報を順に確認します。
バイオシミラーにはパープルブックもあります。
以下の5ステップと7項目の共有シートを、問い合わせへの回答や薬局内の勉強会に活用してください。

先発品と後発品の基本的な違いを確認したい場合は、先発医薬品とジェネリックの違いから読むと、資料を探す目的を整理できます。

ブルーブックとパープルブックの違い

ブルーブックの正式名称は「医療用医薬品最新品質情報集」です。
国立医薬品食品衛生研究所のジェネリック医薬品・バイオシミラー品質情報検討会のサイトで、品質に関する情報を有効成分ごとに確認できます。
パープルブックは「バイオシミラー最新情報集」で、品質に加えて有効性や安全性に関する情報を整理しています。

資料 主な確認内容 併せて見る情報
ブルーブック 後発品の生物学的同等性試験、公的検査などの情報 対象製品の電子添文、インタビューフォーム、引用元
パープルブック バイオシミラーの臨床試験の概要、品質検査など 製品ごとの適応症、審査報告書、現在の安全性情報
オレンジブック 品質再評価に関する情報 ブルーブックで引用されている資料との関係
電子添文とインタビューフォーム 個別製品の承認内容、注意事項、試験情報 改訂日と製造販売業者からの追加情報

これらの資料は役割が異なります。
電子添文に情報がないと決めつけず、まず個別製品を確認し、比較や出典の整理に情報集を使います。
出典:ブルーブック一覧、パープルブック。

ブルーブックを使う5ステップ

品質情報の確認手順。製品を特定し、資料の日付、記号と注記、出典と結論、現在の情報を確認して共有する
記号から結論を推測せず、出典と現在の情報まで確認します。編集部作成。

1.成分だけでなく製品と剤形を特定する

手元の製品について、販売名、規格、剤形、製造販売業者を確認し、五十音順の一覧から該当するデータシートを開きます。
同じ成分でも、内服薬と注射薬では確認する資料が異なります。
一方、異なる剤形を同じデータシートにまとめている場合もあるため、表題だけでなく品目欄を確認してください。

たとえばアシクロビルは、一覧に内服、注射、眼軟膏などの6区分が掲載されています。
アカルボースでは錠剤とOD錠が同じデータシートに載っています。
成分名が一致しても、手元の製品の根拠とは限りません。

2026年9月25日に五十音別の全10ページを確認したところ、剤形別データシートへの異なるPDFリンクは981件でした(概説などを除いた編集部集計)。
これは成分数や販売品目数ではありません。掲載数が多くても、現在流通している全製品を網羅するとは限りません。

2.作成日と確認日を分けて記録する

データシート右上の日付を確認します。
一覧の注意書きでは、効能、用法、添加物以外の情報はデータシート作成時点のものとされています。
その3項目はJAPICの連携データベースで毎月末に更新すると案内されていますが、実際の処方確認では現在の電子添文とも照合します。

アカルボースのデータシートは、今回取得した版では2017年9月29日第2版でした。
今日開けた資料でも、今日の情報とは限りません。
確認日とは別に、資料の版の日付をメモしておきます。

3.○や●は注記とセットで読む

生物学的同等性(BE)は、後発品と比較対象の製剤について、治療学的な同等性を検証する際の考え方です。
PMDAは、後発品についてBE試験等により先発品との治療学的な同等性が検証されると説明しています。
ただし、ブルーブックの「BE」欄は品質の点数表ではありません。
出典:PMDA「後発医薬品」。

表示 確認すること
BE欄の○ 先発品とのBE試験結果の掲載。脚注と引用元も確認する
BE欄の● 先発品以外を標準製剤とした試験。比較対象を確認する
○の横の*やその他の記号 旧販売名や試験の種類など、記号ごとの注記を読む
○なし、または記載対象外 承認に用いた資料や試験の要否を個別に確認する
溶出、純度などの欄 ○だけでなく、試験結果の表に対応する番号が記載される場合がある

公式概説は、先発品の承認申請資料を用いた場合や検証的試験等で承認された場合について、BE試験を実施していないため○を付けないと説明しています。
有効成分が完全に溶解し、血管内へ直接投与する水溶性注射剤は、承認申請時にBE試験が求められないため記載対象外とされています。

したがって、○がないだけで品質が劣るとは判断できません。
同時に、すべての品目について「BE試験を実施済み」と説明するのも誤りです。
理由が分からなければ、注記と製品資料を確認し、必要に応じて製造販売業者へ照会します。
出典:ブルーブック概説(2018年7月13日版、3~4ページ)。

4.グラフの形だけでなく試験の結論を確認する

データが見つかったら、対象製剤、比較相手、試験条件、評価項目、結論の順に確認します。
血中濃度の曲線が重なって見えることだけで、同等性を判定しないでください。
BE試験には統計的な評価があり、別々の試験のグラフを並べてメーカーの優劣を決める使い方もできません。
出典:日本ジェネリック製薬協会「ジェネリック医薬品について」。

溶出試験は、試験結果一覧のグラフだけでなく、報告書の概要や考察まで読みます。
品質上の課題が指摘されている場合は、その後の改善状況も確認してください。

患者さんが効果や体調の変化を訴えている場合は、いつから、何が、どの程度変わったかを先に聞き取ります。
飲み方や併用薬なども確認し、必要な対応を判断します。
公開データがあることを理由に訴えを否定したり、添加物が原因と決めつけたりしないことが大切です。

資料から判断理由を探す手順は、PMDA審査報告書の読み方でも整理しています。

5.現在の情報と照合し、確認結果を共有する

採用や切り替えを検討するときは、現在の承認内容、販売名、薬価収載、供給状況を確認します。
過去のデータシートに載っていることだけでは、現在発注できるとは判断できません。
供給情報の確認には、医薬品安定供給状況等管理システムの使い方も参考になります。

直近の公的検査や改善状況は、検討会サイトの新着情報と議事概要で補います。
今回確認した新着欄では、2026年3月16日に第36回の議事概要が掲載されていました。
ブルーブック本体の版と、検討会で扱った情報の日付を分けて残します。

下の7項目共有シートに記録しておくと、別の薬剤師が回答の根拠をたどれます。

パープルブックでは適応症と掲載範囲を確認する

国立衛研生物薬品部は、2026年1月30日にパープルブックを掲載したと案内しています。
掲載ページでは、概要、市販後の品質、市販後のRWDの欄を分けています。
RWDは、日常診療などで得られるデータを指します。
出典:生物薬品部の更新情報。

2026年9月25日の編集部集計では、概要PDFへのリンクは22件、市販後の品質PDFへのリンクは7件、市販後RWD欄のPDFリンクは0件でした。
バイオシミラーの一般名の後続番号に対応する掲載行は41行ありますが、1行に複数の商品名を含む例があり、「41製品」とは数えられません。
空欄だけから、品質検査や市販後の評価そのものが行われていないと判断することもできません。

パープルブック概説は、効能の欄を、臨床試験を行った適応症、外挿による適応症、先行品だけが持つ適応症に分けています。
外挿による適応症は、臨床試験の適応症と区別して読みつつ、承認されていない用途と混同しないことが要点です。
対象製品の現在の適応症は、電子添文で最終確認します。
出典:パープルブック概説(2026年1月30日)。

今回確認したインフリキシマブの概要シートにも、この3つの区分がありました。
資料の読み方の例として参照し、そこに載る過去の品目情報を、そのまま現在の全製品へ当てはめないでください。
基礎の整理は、バイオシミラーとジェネリックの違いにつながります。

公的検査は当初結果と検証後の判断を分ける

第36回検討会の資料36-1は、令和6年度の検査結果報告書の案です。
33有効成分598品目には、参照品目である先発品と準先発品81品目も含まれます。
598品目すべてを後発品として数えないようにします。

議事概要では、596品目が規格に適合し、当初規格外となった残る2品目を検証したと説明しています。
その2品目の判断は次のように異なります。

検証対象 検証後に報告された判断
フェキソフェナジン塩酸塩錠1品目 本来必要な脱気操作を行った溶出試験結果を採用し、不適合。当該ロットを自主回収
クラリスロマイシンドライシロップ1品目 製造販売業者による同一ロット参考品の再試験結果などを踏まえ、最終的に適合

「596品目適合」を最終結果のすべてとして引用すると、検証後に適合と判断された1品目が抜けます。
また、これは特定年度の検査結果であり、全メーカーや現在流通する全ロットの品質を保証する数字ではありません。
フェキソフェナジンの当該ロットの回収は、報告書案では2025年7月に終了したとされており、本日の新たな回収情報として扱いません。
出典:資料36-1(報告書案、本文1~3ページ)、第36回検討会議事概要。

実際に回収情報へ対応する際は、自主回収時の薬局の初動で、対象製品とロットの確認手順を整理できます。

薬局で共有する7項目の確認シート

以下は編集部が作成した記録様式です。
公的な提出書類や算定要件を示すものではありません。
患者の個人情報を入れず、製品と根拠の確認に使えます。

項目 記入する内容
1.確認の目的 同等性の説明/採用検討/品質情報の照会など、今回答える問い
2.対象製品 販売名、規格、剤形、製造販売業者。必要に応じてロット
3.資料と日付 資料名、URL、版の日付、閲覧日、参照ページ
4.記号と比較相手 ○、●、注記の意味。試験製剤と標準製剤
5.確認できた結論 試験条件、評価項目、出典の結論。未確認の点は別記
6.現在の情報との照合 電子添文の改訂日、適応症、供給、回収や改善状況
7.対応と次の確認 回答内容、照会先、担当、再確認が必要な条件

朝礼では、記録を全部読み上げる必要はありません。
「何を確認したか」「どの資料のどの結論か」「未確認の点は何か」の3点を共有し、詳しい根拠はURLとページでたどれる形にします。

よくある質問

すべての後発医薬品が載っていますか

全品目の掲載を前提に使う資料ではありません。
ブルーブック概説では原則として薬価収載された後発品を対象とし、生物由来製品などの除外対象も示しています。
掲載がない場合は、個別の電子添文やインタビューフォーム、製造販売業者への照会で補います。

BE欄に○がないと、使わないほうがよいのでしょうか

○の有無だけでは判断できません。
承認に用いた資料や、BE試験を求めない条件があります。
掲載欄だけで結論を出さず、注記と対象製品の資料を確認してください。

公式PDFや図表を勉強会資料へそのまま転載できますか

閲覧できることと、転載や複製が認められることは別です。
ブルーブック一覧には、データシートや図表等の無断転載や複製を禁じる表示があります。
そのまま配布資料へ転用できるとは考えず、利用条件を確認してください。
薬局内では公式ページのリンクを共有し、確認した要点を自分たちの言葉で記録する方法があります。

パープルブックを読めば、薬剤の変更を決められますか

資料を読んだだけで変更の可否は決まりません。
製品ごとの承認内容や患者の状態、処方の内容を確認し、必要な説明や照会を行います。
掲載データは、その判断を支える資料の一つです。

品質情報の確認をチームの仕事にする

公的な品質評価の結果を患者説明へつなげるには、資料を探すだけでなく、適用できる範囲を整理する作業が必要です。
担当者が替わっても根拠をたどれる記録を残すことが、DI業務や後輩への引き継ぎに役立ちます。

まず、日常的に扱う1製品で共有シートを試し、調べる担当、照会する基準、見直しの時期をチームで決めてみてください。
職場の情報収集や教育体制を振り返るときも、資料を確認する時間と相談先が確保されているか、具体的に点検できます。

継続学習の情報源を整理したい方へ
一次情報の確認に加えて、医療ニュースを読む環境を検討する場合は、m3.comの薬剤師向け活用方法も参考になります。
個別資料の更新や安全性情報は、国立衛研、厚生労働省、PMDAなどの公式情報で確認してください。

本記事は2026年9月25日に確認した公表資料に基づきます。
件数は掲載ページの集計であり、承認数や流通品目数ではありません。
実務では対象製品の最新情報を確認してください。

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