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【2026年6月改定】調剤後薬剤管理指導料の算定要件|糖尿病・慢性心不全の電話フォロー実務と服薬情報等提供料との使い分けを完全ガイド

「調剤後薬剤管理指導料って、結局どの患者に・いつ電話すれば算定できるの?」
2026年6月改定を前に、現場の薬剤師から最も多く寄せられている質問のひとつです。

この点数は糖尿病・慢性心不全それぞれ60点(月1回)と、決して大きくありません。
しかし地域支援・医薬品供給対応体制加算1の実績要件に組み込まれているため、「取れる薬局」と「取れない薬局」では年間の収益差が数十万円〜百万円単位で開いていきます。

本記事では、2026年6月改定後の算定要件・対象薬剤・電話フォロー実務・服薬情報等提供料との使い分け・よくある算定誤りまで、現場でそのまま使えるレベルで完全整理します。

この記事でわかること

  • 2026年6月改定後の調剤後薬剤管理指導料1・2の算定要件
  • 対象となる糖尿病薬・慢性心不全薬の具体名
  • 調剤当日NG・電話フォローの推奨タイミング
  • 服薬情報等提供料との同日・同月の使い分けルール
  • 地域支援1の実績要件としての位置づけと収益インパクト

調剤後薬剤管理指導料とは|2024年4月「料」へ格上げ・2026年6月で要件整理

調剤後薬剤管理指導料は、もともと2020年に「調剤後薬剤管理指導加算」として新設された点数です。
2024年4月改定で「指導料」へ格上げされ、対象が糖尿病患者だけでなく慢性心不全患者にも拡大されました。

2026年6月改定では、点数(60点)と基本構造はそのまま維持しつつ、地域支援・医薬品供給対応体制加算1の実績要件への組み込みが継続強化されています。

区分 対象患者 点数 算定上限
調剤後薬剤管理指導料1 糖尿病患者で、糖尿病用剤の新処方または投薬内容変更があった場合 60点 月1回
調剤後薬剤管理指導料2 心疾患による入院歴があり、作用機序の異なる循環器官用薬を複数処方されている慢性心不全患者 60点 月1回

※施設基準:地域支援・医薬品供給対応体制加算1の届出が前提。届出がない薬局は1・2いずれも算定不可。

算定要件|共通する4つの必須条件

区分1・2を問わず、以下の4条件すべてを満たす必要があります。
1つでも欠ければ返戻リスクが高まるため、業務マニュアルへの落とし込みが必須です。

条件1
地域支援1の届出
施設基準として、地域支援・医薬品供給対応体制加算1の届出が必須。
条件2
医師の了解+患者同意
医療機関からの求めまたは患者側の希望を受け、処方医の了解と本人・家族の同意を取得。
条件3
電話等での服用状況確認
調剤後に服用状況・副作用の有無を電話または訪問で直接確認(調剤と同日はNG)。
条件4
医療機関への文書フィードバック
確認結果と必要に応じた処方提案を、文書で医療機関へ報告。

算定区分1|糖尿病患者の対象薬剤と実務ポイント

区分1の算定対象は「糖尿病用剤」を新規処方された患者、または投薬内容に変更があった患者です。
「別に厚生労働大臣が定めるもの」として、以下の薬効分類すべてが対象に含まれます。

対象となる糖尿病薬(厚労大臣告示)

  • インスリン製剤(ヒトインスリン・インスリンアナログ)
  • SU薬(グリメピリド、グリクラジドなど)
  • 速効型インスリン分泌促進薬(ナテグリニド、ミチグリニド、レパグリニド)
  • ビグアナイド薬(メトホルミン)
  • α-グルコシダーゼ阻害薬(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)
  • チアゾリジン薬(ピオグリタゾン)
  • DPP-4阻害薬(シタグリプチン、リナグリプチンほか)
  • SGLT2阻害薬(ダパグリフロジン、エンパグリフロジンほか)
  • GLP-1受容体作動薬(リラグルチド、デュラグルチド、セマグルチド経口剤含む)
  • 配合薬(メトホルミン/DPP-4阻害薬の配合錠など)

区分1で確認すべきフォロー項目

  1. 服薬アドヒアランス(飲み忘れ・自己中断の有無)
  2. 低血糖症状の有無(特にSU薬・インスリン併用時)
  3. シックデイ対応の理解度(メトホルミン・SGLT2阻害薬)
  4. 注射手技(GLP-1製剤・インスリン)
  5. 副作用兆候(消化器症状、脱水、ケトアシドーシス、皮疹など)
  6. HbA1c・自己血糖測定の自宅記録

SGLT2阻害薬の脱水・尿路感染、メトホルミンのシックデイルール、GLP-1の消化器副作用は初回処方や用量変更直後にトラブルが起こりやすいため、電話フォローの第一目的に据えるのが定石です。

算定区分2|慢性心不全患者の対象薬剤と実務ポイント

区分2は「心疾患による入院歴があり」「作用機序の異なる循環器官用薬を複数処方されている」慢性心不全患者が対象です。
退院直後のフォローアップが想定されており、医療機関から「心不全フォローアップシート」を受領するケースが増えています。

対象となる主な慢性心不全治療薬

  • ACE阻害薬(エナラプリル、ペリンドプリルなど)
  • ARB(カンデサルタン、バルサルタンなど)
  • ARNI(サクビトリル/バルサルタン)
  • β遮断薬(カルベジロール、ビソプロロール)
  • MRA(スピロノラクトン、エプレレノン)
  • 非ステロイド型MRA(フィネレノン)※2型糖尿病合併慢性腎臓病が主適応で、心血管イベント抑制を期待して併用されるケース
  • SGLT2阻害薬(ダパグリフロジン、エンパグリフロジン:心不全適応)
  • 利尿薬(フロセミド、トルバプタンなど)
  • HCNチャネル阻害薬(イバブラジン)
  • 可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬(ベルイシグアト)
  • 強心配糖体(ジゴキシン)

区分2で確認すべきフォロー項目

  1. 毎日の体重測定値(短期間〔2〜3日〕で2kg以上の体重増加は受診目安)
  2. 下肢浮腫・呼吸困難・労作時息切れの増悪有無
  3. 塩分・水分摂取の自己管理状況
  4. 血圧・脈拍の自宅測定値
  5. 低血圧・徐脈・腎機能悪化を示唆する症状
  6. 利尿薬による電解質異常・脱水兆候

心不全手帳」やフォローアップシートを活用し、確認項目を毎月同じフォーマットで残すと、医療機関への文書フィードバックの質も安定します。

業務フロー|薬剤交付からフォロー報告までの5ステップ

算定漏れ・要件未充足を防ぐには、調剤当日の段階でフォロー予約まで完結させるのが鉄則です。

1
対象患者の特定
処方箋受付時に「糖尿病薬の新規/変更」または「心疾患入院歴あり+複数循環器薬」を確認。
2
医師了解と患者同意
事前合意プロトコールがある場合は再確認のみ。なければ疑義照会・問い合わせで処方医に確認、患者・家族へ口頭/書面で同意取得。
3
フォロー日時の予約
交付翌日〜14日以内目安で電話日時を決定。希望時間帯を聞き取りカレンダーに登録(同日は算定不可)。
4
電話フォロー実施・記録
服用状況・副作用・症状変化・セルフモニタリング値を聞き取り、薬歴に詳細記録。重大副作用は即時医師連絡。
5
医療機関への文書フィードバック
確認結果と必要時の処方提案を文書(FAX・電子的方法)で報告。送付控えを薬歴に保管し、月1回算定。

服薬情報等提供料との使い分け|同日・同月のルール整理

2026年6月改定でも継続して明示されている重要ポイントが、「調剤後薬剤管理指導料を算定する月は、同一患者について服薬情報等提供料は算定できない」という併算定ルールです。

2つの点数は性格が似ているため、混乱が起きやすい部分。違いを整理しましょう。

項目 調剤後薬剤管理指導料 服薬情報等提供料
点数 60点(月1回) 料1:30点(月1回)/料2:20点(月1回)/料3:50点(3月に1回)
対象患者 糖尿病患者・慢性心不全患者に限定 原則すべての患者(特定要件あり)
きっかけ 新規処方・投薬内容変更 医療機関の求め(料1)/患者の求め(料2)/医療機関への能動的提供(料3)
フォロー方法 電話または訪問(直接コミュニケーション必須) 必須ではない(情報提供文書中心)
医療機関への文書 必須 必須
同月併算定 同一患者で服薬情報等提供料は算定不可 他の管理料との関係を都度確認

判断のコツ:「電話フォロー+文書報告」までセットで実施できるなら調剤後薬剤管理指導料(60点)、文書情報提供のみなら服薬情報等提供料。同月に同一患者で両方を算定することはできないので、月単位でどちらを取るか先に決めておきましょう。

算定上の注意点|返戻されやすい3つのパターン

1. 調剤当日に電話してしまう

「当該調剤と同日に行う場合を除く」と明記されています。当日のフォローは算定不可。翌日以降〜原則14日以内に実施しましょう。

2. 医師の了解なしで電話している

事前合意プロトコールが整備されていない場合は、患者ごとに医師の了解が必要です。
よくある実装:「初診時または投薬内容変更時に処方医へ事前連絡し、フォロー実施の包括的了解を取得」。

3. 文書フィードバックを怠る

電話確認だけで完結している薬局は要注意。医療機関への文書(FAX・電子的方法・お薬手帳経由など)での報告が算定要件に含まれます。送付の控えを薬歴に保管しましょう。

収益インパクト|「取れる薬局」と「取れない薬局」の差

1件60点(=600円)と少額に見える点数ですが、月10人実施で6,000円/月、年間72,000円。
さらに重要なのは、地域支援・医薬品供給対応体制加算1の実績要件として組み込まれている点です。

月間算定件数 年間収益 地域支援1への貢献
5件/月 36,000円 実績要件達成は別途上乗せ要
15件/月 108,000円 対人業務実績の主軸の1つに
30件/月 216,000円 地域支援1維持の安定基盤

地域支援1は年間で数百万円規模の加算収入を生むため、調剤後薬剤管理指導料の体制構築は単独の60点ではなく「地域支援1を守る投資」と捉えるべきです。

逆に「電話フォローも文書報告も体制が整っていない薬局」は、地域支援1を取り続けるのが年々厳しくなります。詳しくは加算が取れない薬局で働き続けるリスクとは?2026年改定を踏まえたキャリア戦略で深掘りしています。

関連記事|2026年6月改定の周辺情報をまとめて確認

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体制構築が難しい薬局にいるなら|転職という選択肢

「うちの薬局は電話フォローや文書報告の体制がなく、調剤後薬剤管理指導料も取っていない」
「地域支援1の届出すら無く、対人業務評価が積み上がらない」

こうした薬局では、薬剤師個人がどれだけ努力しても算定実績は積めず、結果としてキャリアの市場価値も伸びにくくなります。「対人業務評価が伸びる薬局」へ移ることも、現実的な選択肢の1つです。

転職活動は情報収集から始めるのが安全。複数のエージェントの非公開求人を比較してから動くと、年収・対人業務体制・残業時間のバランスを見極めやすくなります。

まとめ|2026年6月改定で押さえるべき5つのポイント

  1. 点数は60点(月1回)、糖尿病・慢性心不全それぞれに区分1・区分2が設定
  2. 地域支援1の届出が施設基準。届出なしの薬局は算定不可
  3. 調剤当日の電話はNG。翌日以降〜14日以内が実務目安
  4. 医師了解+患者同意+文書フィードバックの3点セットが必須
  5. 同月内に同一患者で服薬情報等提供料との併算定不可。月単位でどちらを取るか整理

調剤後薬剤管理指導料は単独の収益インパクトは大きくありませんが、地域支援・医薬品供給対応体制加算1の実績要件として「薬局の収益基盤」を支える点数です。2026年6月施行までに業務フロー・記録様式・医師との事前合意プロトコールを整備し、確実に算定できる体制を作っておきましょう。

※本記事は2026年5月時点の調剤報酬点数表(令和8年6月1日施行)および厚生労働省・日本薬剤師会公表資料に基づいて作成しています。最新の疑義解釈・通知については各都道府県薬剤師会・地方厚生局の発表を必ずご確認ください。

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