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【2026年6月改定】服薬情報等提供料1・2・3の最新算定要件|変更点・点数・実務対応を完全ガイド

2026年6月の調剤報酬改定で、服薬情報等提供料はどう変わるのか。点数は据え置き、それでも実務では「かかりつけ薬剤師指導料の廃止と服薬管理指導料への再編」「訪問薬剤管理医師同時指導料の新設」「特別調剤基本料の取扱い」など、見落とせない関連変更が連動して入っています。

本記事では、服薬情報等提供料1・2・3の最新算定要件を、2026年6月1日施行に間に合うよう、点数・要件・実務対応まで一気に整理します。読み終えたときには、明日からトレーシングレポートをどう運用するかまで決まっているはずです。

服薬情報等提供料とは|2026年改定後の全体像

服薬情報等提供料は、薬剤師が患者の服薬状況や薬学的所見を文書で処方医・他の医療機関・介護支援専門員に提供したときに算定できる薬学管理料です。区分番号15の5に置かれ、1・2・3で「誰の求めに応じるか」と「提供先」が分かれます。

  • 提供料1:医療機関の求めに応じて提供する(受け身型)
  • 提供料2:薬剤師の主体的判断で提供する(能動型/イ・ロ・ハ)
  • 提供料3入院予定の患者について、入院先医療機関の求めに応じて提供する

2026年改定では、点数の改正はありません(1=30点/2=20点/3=50点で据え置き)。一方で、関連項目の改定(かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料の廃止と服薬管理指導料への再編、訪問薬剤管理医師同時指導料の新設等)にあわせて、注書きの併算定整理が動いています。

【点数早見表】服薬情報等提供料1・2・3|2026年改定後

まずは点数と算定回数を一覧で確認します。

区分 点数 提供先 算定回数 きっかけ
提供料1 30点 保険医療機関 月1回 医療機関の求め
提供料2-イ 20点 保険医療機関 月1回 薬剤師の判断
提供料2-ロ 20点 処方医(リフィル後) 月1回 リフィル調剤後
提供料2-ハ 20点 介護支援専門員 月1回 薬剤師の判断
提供料3 50点 入院予定先の保険医療機関 3月に1回 入院予定先の求め

※ 出典:日本薬剤師会「調剤報酬点数表(令和8年6月1日施行)」(2026年4月2日)/厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」。最終的な算定要件・施設基準等の詳細は、厚生労働省告示・通知(保医発)・疑義解釈で必ずご確認ください。

2026年改定で押さえるべき関連変更(4つのポイント)

服薬情報等提供料そのものの点数は変わりません。しかし、注書きで参照される関連項目の改定により、運用は確実に変わります。

① かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料の廃止と服薬管理指導料への再編

2026年改定で「かかりつけ薬剤師指導料」と「かかりつけ薬剤師包括管理料」は廃止されました。同時に、服薬管理指導料の「1のイ」「2のイ」(かかりつけ薬剤師が行った場合)として再編され、点数はそれぞれ45点・59点となります(出典:厚労省「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」p.30)。

注書き上、服薬情報等提供料は「かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料を算定している患者には算定しない」と規定されてきましたが、両料が廃止されたことで、この併算定制限の対象患者は実質的に消滅します。さらに、新設されたかかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点・3月に1回)かかりつけ薬剤師訪問加算(230点・6月に1回)と並走する運用設計が必要になります。

② 訪問薬剤管理医師同時指導料(150点・新設)との併算定不可

2026年改定で「訪問薬剤管理医師同時指導料」(150点・6月に1回)が新設されました。これは医師と薬剤師が患家へ同時訪問してポリファーマシー・残薬対策を行った場合の評価です。

服薬情報等提供料は、原則として同日に訪問薬剤管理医師同時指導料を算定した場合、算定できないと整理されています(注書きで併算定の取扱いを規定)。在宅領域で動く薬局は、どちらの料で評価するかを患者ごとに事前に決めておく必要があります。

③ 在宅患者訪問薬剤管理指導料との関係

注書きでは「在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、服薬情報等提供料は算定しない」旨が規定されています(患者単位の併算定不可)。在宅指導の対象患者には別ルートで継続的に情報提供が行われている前提に立った整理です。

2026年改定では在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定間隔が「中6日以上」から「週1回」に見直され、在宅対応がより柔軟になります。在宅指導の枠の中で情報提供を完結させる流れが強まる、と理解しておくと判断が早くなります。

④ 調剤後薬剤管理指導料との関係

調剤後薬剤管理指導料(糖尿病患者60点/慢性心不全患者60点)を算定する場面では、服薬情報等提供料を同一の事象に対して重ねて算定することはできません。糖尿病・心不全領域での電話等によるフォローアップ後、医療機関へ情報提供する場合は、まず調剤後薬剤管理指導料の枠での運用を優先する整理になります。

服薬情報等提供料1・2・3 算定要件詳細

提供料1(30点・月1回)

  • 保険医療機関から「文書での情報提供を求める旨」の明確な求めがあること
  • 調剤後も患者の服用薬の情報を継続把握していること
  • 服薬状況・副作用・残薬・併用薬・薬学的所見等を文書で提供
  • 患者又はその家族等の同意取得
  • 提供文書の写し・依頼内容を薬歴に記載

提供料2-イ・ロ・ハ(各20点/料2全体で月1回)

  • イ(保険医療機関):薬剤師が必要性を認め、処方医ほか医療機関に情報提供。トレーシングレポートの中核。
  • ロ(リフィル処方箋の調剤後):リフィル処方箋による調剤後、状況に応じて処方医に文書で情報提供。
  • ハ(介護支援専門員):要介護・要支援認定を受けた患者の情報を介護支援専門員へ提供。同月に居宅療養管理指導費を算定している場合は算定不可。

※ 提供料2は、イ・ロ・ハのいずれを選んでも、料2全体として月1回が上限です(同月にイとハ両方を算定することはできません)。

提供料3(50点・3月に1回)

  • 入院予定先の保険医療機関からの事前の求めがあること
  • 持参薬の一元的把握と必要に応じた整理
  • 服用薬の情報を入院前に文書で提供
  • 調剤レセプトに「入院予定日」「提供先医療機関名」を記載

算定する場面・しない場面|判断フローチャート

「どの服薬情報等提供料を算定すべきか」を、3秒で判断できるフローチャートです。

🔀 服薬情報等提供料 算定判断フロー
Q1: 入院前の患者で、入院予定先の保険医療機関から事前の求めがあるか?
YES → 提供料3(50点・3月に1回)
⬇ NOの場合
Q2: 保険医療機関から「文書での情報提供」の明確な求めがあるか?
YES → 提供料1(30点・月1回)
⬇ NO(薬剤師の判断で提供)
Q3: 提供先と場面はどれか?

保険医療機関へ提供
→ 提供料2-イ(20点)
リフィル処方箋の調剤後の処方医へ
→ 提供料2-ロ(20点)
介護支援専門員へ
→ 提供料2-ハ(20点)
※ 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者は、服薬情報等提供料の算定対象外。
※ 同日に訪問薬剤管理医師同時指導料を算定する場合も算定対象外。
※ 同月に居宅療養管理指導費を算定する場合の介護支援専門員提供(2-ハ)も不可。
※ 調剤後薬剤管理指導料を算定する事象には、同一情報・同一医療機関への提供で重複算定不可。

トレーシングレポート作成のポイント

服薬情報等提供料2-イは、いわゆるトレーシングレポートを文書化したものです。算定漏れが多い加算でもあるので、運用テンプレートを薬局で統一しておくと取りこぼしを防げます。

  • 記載項目:患者基本情報/処方内容/服薬状況/副作用・有害事象/残薬/併用薬/OTC・サプリ/薬学的所見・提案
  • 送付方法:FAX・郵送・電子的方法(医療機関の運用に合わせる)
  • 薬歴記載:提供日・提供先・送付方法・反応の有無
  • 同意記録:誰から(本人/家族等)・口頭/書面・続柄

よくある算定間違い・疑義解釈Q&A

Q1. 保険医療機関から「電話で情報提供してほしい」と言われた場合は?
A. 提供料1は文書による提供が要件のため、電話のみでは算定不可。文書(書面・電子的方法)で改めて提供する必要があります。

Q2. 同月内に「2-イ」と「2-ハ」を別々の対象に提供した場合、両方算定できる?
A. 提供料2はイ・ロ・ハ全体で「月1回」の制限となるため、原則どちらか一方のみです。

Q3. 同月に「提供料1」と「提供料2」を別々の事象で算定できる?
A. 服薬情報等提供料1・2・3はそれぞれ別の料のため、要件を満たせば同一月に1回ずつ算定可能(ただし同一情報・同一医療機関への提供は不可)。

Q4. 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者には算定不可?
A. 注書きで「在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については算定しない」と規定されています。在宅指導の対象患者には、原則として服薬情報等提供料は算定できません。

Q5. 訪問薬剤管理医師同時指導料を算定した日に、服薬情報等提供料は算定できる?
A. 注書きで併算定不可が規定されているため、原則として同日には算定できません。詳細は厚労省の留意事項通知(保医発)でご確認ください。

6月1日からの実務チェックリスト

  • ☐ かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料の廃止に伴う薬学管理料の組み立て直し(服薬管理指導料1のイ/2のイへの移行)を完了したか
  • ☐ 同意取得記録のテンプレートを「患者又はその家族等」対応に整備したか
  • ☐ トレーシングレポートのフォーマットを薬局内で統一したか
  • ☐ リフィル処方箋の調剤後の情報提供フロー(提供料2-ロ)を仕組み化したか
  • ☐ 在宅患者で「在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定対象患者」と「それ以外」の区分を整理したか
  • ☐ 訪問薬剤管理医師同時指導料・複数名薬剤管理指導訪問料の新設を踏まえ、在宅領域の算定ルートを再設計したか
  • ☐ 介護支援専門員への提供(2-ハ)の連携先となる介護支援専門員を特定したか
  • ☐ レセコンの算定マスタを6月1日施行に向けて更新したか

まとめ|2026年改定での服薬情報等提供料の本質

2026年改定では、服薬情報等提供料そのものの点数は1点も変わっていません。それでも「かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料の廃止と服薬管理指導料への再編」「訪問薬剤管理医師同時指導料の新設」「在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定間隔見直し(中6日以上→週1回)」によって、運用は確実に変わります。

この加算は「能動的に動いた薬剤師にだけ収益として返ってくる」典型的な薬学管理料です。トレーシングレポートを仕組みとして回せる薬局と、機会があったときだけ書く薬局では、年間で数十万円単位の差が出ます。6月1日からの運用設計を、今のうちに完了させてください。

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※ 出典:日本薬剤師会「調剤報酬点数表(令和8年6月1日施行)」(2026年4月2日)/厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」/厚生労働省告示第69号(令和8年度診療報酬改定)。本記事の算定要件・点数・施行日は2026年5月時点の公表資料に基づくもので、最終的な算定要件・施設基準・注書きの解釈は厚生労働省の告示・通知(保医発)・疑義解釈で必ずご確認ください。

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