「在宅薬学総合体制加算、6月から要件が変わるって本当?うちは経過措置で続けられる?」——2026年度調剤報酬改定(2026年6月施行予定)を前に、在宅対応に取り組む薬局からこの不安がいま一気に増えています。在宅薬学総合体制加算は2024年度改定(2024年6月施行)で新設されたばかりですが、2026年改定では算定要件の見直しと経過措置がセットで議論されている加算です。
この記事では、改定の方向性・経過措置の対象条件・対象薬局がやるべき実務対応を、現場目線で整理します。読み終えるころには「自局が経過措置の対象か」「いつまでに何を準備すればよいか」がはっきり見えるはずです。
もくじ
在宅薬学総合体制加算とは(基礎のおさらい)
在宅薬学総合体制加算は、在宅医療に対し組織的に取り組む薬局を評価する目的で2024年改定で新設されました。区分は「加算1」と「加算2」の2段階で、加算2のほうが施設基準が厳しく点数も高くなります。
主な施設基準は、在宅患者への薬学的管理指導の実績、24時間対応体制、無菌調剤や麻薬調剤の対応、緊急時対応の体制整備などです。在宅は「やっています」だけでは算定できず、体制と実績の両方が問われる加算という位置づけです。
2026年改定での主な変更点(想定)
2026年改定では、在宅医療のさらなる質向上を目的に、加算1・加算2ともに実績要件の引き上げと多様な在宅対応への評価強化が議論されています。中央社会保険医療協議会(中医協)の議論ベースでまとめると、論点は次の3点に集約されます。
つまり、改定後は「届け出れば取れる加算」から「実績で勝ち取る加算」へと性格がより強まる見込みです。だからこそ、現行届出局には経過措置が用意される方向で議論が進んでいます。
経過措置の対象条件と期間
経過措置は、改定で施設基準が変わったとき、現行の届出局がすぐに算定不可にならないよう設けられる「猶予期間」です。在宅薬学総合体制加算でも、改定直前に届出済みの薬局を念頭に経過措置が設定される見込みです。
| 項目 | 経過措置の典型パターン(想定) |
|---|---|
| 対象 | 2026年5月31日時点で在宅薬学総合体制加算1または2を届け出ている保険薬局 |
| 期間 | 改定施行日(2026年6月1日)から一定期間(半年〜1年が目安) |
| 扱い | 期間中は新基準を満たすものとみなして算定可。期間終了までに新基準充足が必要 |
| 期間終了後 | 新基準を満たさない場合は届出取り下げ・算定不可。再届出には新基準充足の実績が必要 |
ポイントは「経過措置中も新基準を満たすための実績づくりは始まっている」という点です。期間が終わってから慌てても遅い、というのが過去の改定でも繰り返されてきたパターンです。
経過措置中にやるべき実務対応(チェックリスト)
経過措置を使えるからといって、6月から何もしなくていいわけではありません。現場でやるべきことは大きく次の4ステップです。
特に重要なのがSTEP 3です。在宅実績は1〜2か月では作れません。今からケアマネジャー・在宅医との連携窓口を増やし、訪問機会を切らさないことが、経過措置終了後の継続算定を決定づけます。
よくある質問
Q1. 経過措置中は本当に何もしなくていいの?
A. 経過措置は「猶予」であって「免除」ではありません。期間終了後は新基準が必須になります。期間中こそ実績の積み上げ期間として使うのが正解です。
Q2. 経過措置に乗るための「申請」は必要?
A. 通常、経過措置は「現行届出局に自動適用」される形がほとんどです。ただし、新基準への移行時には改めて届出が必要になるケースがあるため、通知発出後に必ず地方厚生局の事務連絡を確認してください。
Q3. 経過措置期間中に加算1から加算2へ上げることはできる?
A. 加算2の新基準を満たせば届出変更は可能です。ただし加算2は要件がより厳しいため、実績ベースで余裕を持って判断するのが安全です。
まとめ:経過措置は「準備期間」、実績作りは6月から
2026年改定の在宅薬学総合体制加算は、経過措置で当面は算定継続できる見込みですが、本番は経過措置終了後です。届出維持か取り下げかの分岐は、これから半年〜1年の在宅実績で決まります。
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※本記事は2026年5月時点での改定議論に基づいた解説です。最終的な点数・施設基準・経過措置の詳細は、厚生労働省の告示・通知・事務連絡を必ずご確認ください。


