「2026年6月の改定で、後発医薬品調剤体制加算3を取れるか不安」「数量シェア85%の壁が遠い」——そんな現場の声が増えています。本記事では加算3の算定要件・施設基準・届出手順を、加算1・2との比較表とともに完全整理。読み終えた瞬間、自店が今どの位置にいて、何を埋めれば加算3に届くかがわかります。
もくじ
後発医薬品調剤体制加算「加算3」とは|2026年6月改定の位置づけ
後発医薬品調剤体制加算(以下、後発調剤加算)は、ジェネリック医薬品の使用促進に取り組む薬局を評価する加算です。2026年6月改定でも加算1・加算2・加算3の3段階構造は維持され、最も高い点数が得られるのが「加算3」です。
厚生労働省はジェネリック使用率の数量シェア目標を80%以上に置いてきましたが、加算3はそれをさらに上回る薬局を評価する位置づけ。在宅・地域支援体制加算と並んで、薬局の総合力を点数面で押し上げる柱になっています。
算定要件①:後発医薬品の数量シェア85%以上
加算3の最大要件は、後発医薬品の数量シェアが85%以上であること(旧基準を踏襲)。具体的には、直近3か月間の処方箋に基づく、後発医薬品のある先発品+後発品の合計数量に対する後発品数量の割合で算出します。
数量ベースなので、価格ではなく「錠数・包数・カプセル数」で計算する点に注意。バイオ後続品(バイオシミラー)はカウント対象外なので、自店のレセコンが正しく区別しているか確認しましょう。
📐 数量シェア計算式(加算3=85%以上)
数量シェア(%)=
後発医薬品の数量
後発医薬品のある先発品の数量+後発医薬品の数量
× 100
- 📅 対象期間:直近3か月間(前年同期ではない)
- 💊 計算単位:錠・カプセル・包・mL等の数量
- ❌ 除外:経腸栄養剤、生薬、漢方、バイオ後続品、特定保険医療材料
- ✅ 含む:原則すべての内服・外用・注射の後発品
算定要件②:施設基準(届出事項)
数量シェアをクリアしても、施設基準を満たさないと加算3は算定できません。主な届出事項は以下の通りです。
- 後発医薬品の調剤に関する体制整備(採用品目リスト・在庫管理体制)
- 後発医薬品の備蓄品目数の確保
- 後発医薬品使用促進に関する患者への情報提供体制
- 調剤した薬剤の品質確認体制
- 使用促進に関する院内掲示および薬局内での掲示
「掲示」は意外な落とし穴。患者から見える位置に、後発医薬品の積極的な調剤を行っている旨を明示する必要があります。掲示物が古い・剥がれている・院内のみの場合は要注意です。
加算1・加算2・加算3の比較表
自店がどの加算を狙えるか、一目で確認できる比較表を用意しました。
| 区分 | 数量シェア要件 | 主な施設基準 |
|---|---|---|
| 🥉 加算1 | 75%以上 | 体制整備・備蓄品目・院内掲示 |
| 🥈 加算2 | 80%以上 | 加算1の要件+情報提供強化 |
| 🥇 加算3 | 85%以上 | 加算1・2の要件すべて+品質確認体制 |
※ 点数は2026年6月改定告示により確定。施設基準の細部は地方厚生局通知も併せて確認してください。
算定までの実務フロー
加算3を狙うなら、6月改定までに次の5ステップを順に進めます。
- シェア試算:直近3か月のレセプトデータから現在の数量シェアを算出
- ギャップ分析:85%との差を、品目別・処方医師別に洗い出す
- 変更可能品目の特定:先発品で出ている処方のうち、後発品変更が可能なものをリスト化
- 施設基準の届出:体制整備・備蓄品目・掲示物を整備し、地方厚生局へ届出書類を提出
- 算定開始:受理通知到達後、翌月1日から算定可能
届出は「先に出して後から整える」ではなく、要件を満たした状態で出すのが原則。受理後の指導で要件未充足が発覚すると、過去分の自主返還につながる場合があります。
算定時の注意点・よくある間違い
現場でつまずきやすいポイントを5つまとめました。
- シェア計算に院外処方以外を含めてしまう:保険調剤分のみが対象です
- バイオシミラーをジェネリックとして計算:バイオ後続品は別カウント、混同しない
- 掲示物が「使用促進中」だけ:「積極的な調剤を行っている」旨を明示する文言が必要
- 届出後に体制が崩れる:年に1回は施設基準の自主点検を実施
- シェアが一時的に下がる:3か月平均で評価されるため、単月の数値で焦らない
Q&A|現場のよくある疑問
Q1. 加算1から加算3にいきなり上げられますか?
A. 数量シェアと施設基準を満たせば可能です。ただし、施設基準の段階要件は加算3で最も厳しいので順を追って整備する方が現実的です。
Q2. 数量シェアが84.9%の場合、加算2しか取れませんか?
A. はい。85%は明確な閾値で、小数点以下の繰上げはありません。
Q3. 在宅で使う特殊製剤も計算に入りますか?
A. 後発医薬品が存在する内服・外用は含みます。経腸栄養剤や生薬・漢方は除外です。
Q4. 患者が先発品を希望した場合のカウントは?
A. 先発品の数量として計上され、シェアの分母に入り分子には入りません。希望理由のヒアリング・記録は必須です。
Q5. 6月1日から算定するには、いつまでに届出ですか?
A. 多くの地方厚生局は5月末までの受理を求めています。地域差があるため、所轄の局に必ず確認を。
まとめ|2026年6月改定で加算3を取り切るために
後発医薬品調剤体制加算3は、数量シェア85%という高い基準と複数の施設要件を満たす必要があります。一方で、点数面のリターンは大きく、長期的な経営安定にも直結する加算です。
「あと数%」で届くなら、5月中の処方変更交渉と備蓄調整に全力を注ぐ価値があります。届出書類の整備・掲示物の更新も、6月施行に間に合うよう逆算スケジュールで動きましょう。
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