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【2026年改定】調剤報酬の疑義解釈まとめ|厚労省Q&Aで読む薬局実務の要点

2026年(令和8年)6月1日施行の調剤報酬改定。点数表は読み込んだものの、「この場合は算定していいの?」という現場の細かい疑問は、厚生労働省が出す疑義解釈資料(Q&A)で答え合わせをする必要があります。この記事では、すでに発出されている疑義解釈のうち薬局・調剤に関係する要点を、一次資料(厚労省 保険局医療課 事務連絡)に当たって横断的に整理しました。

新しい加算名や算定要件は個別の解説記事にまとめてありますので、各項目から該当記事へ飛べるようにしています。「自局の運用が疑義解釈と合っているか」をこの記事で点検してみてください。

📌 この記事でわかること

  • 2026年改定の疑義解釈が「いつ・何号まで」出ているか
  • 地域支援・医薬品供給対応体制加算の経過措置や届出の扱い
  • 調剤時残薬調整加算と服薬情報等提供料1の併算定可否
  • かかりつけ薬剤師・お薬手帳・電子版お薬手帳の実務上の注意点
  • 5月発出(その5〜その7)の薬局実務に効く追加解釈

疑義解釈とは|点数表とセットで読む「公式の答え合わせ」

疑義解釈資料とは、診療報酬(調剤報酬)の算定方法について寄せられた疑問に、厚生労働省保険局医療課が事務連絡の形で公式に回答したものです。点数表や留意事項通知の「行間」を埋める位置づけで、算定の可否を判断する根拠になります。

2026年改定では、施行(令和8年6月1日)に先立つ令和8年3月23日に「その1」が出され、その後も追加で発出が続いています。発出状況は次のとおりです。

🗓 令和8年度改定 疑義解釈の発出状況

その13月23日
その24月1日
その34月20日
その44月21日
その5〜75月8〜29日

※厚生労働省 保険局医療課 事務連絡より。薬局・調剤に関する設問は「その1」「その2」を中心に、5月の「その5」〜「その7」にも収載。

このうち、調剤報酬点数表関係(薬局向け)のQ&Aは「その1」「その2」にまとまって収載され、5月発出の「その5」〜「その7」でも薬局実務に関わる追加の解釈が示されています。以下、項目ごとに要点を見ていきます。

地域支援・医薬品供給対応体制加算|経過措置と届出の扱い

今回の改定で「地域支援体制加算」が地域支援・医薬品供給対応体制加算に再編されました。施設基準の実績要件について、改定直後でも届出できるよう経過措置が示されています。

論点 疑義解釈での回答
実績要件(残薬調整・有害事象防止の合計20回/服薬管理指導料1イ・2イの合計20回) 改定前の旧加算(重複投薬・相互作用等防止加算+在宅の同管理料/かかりつけ薬剤師指導料+包括管理料)の算定回数を合算してみなしてよい(令和9年6月1日までの届出)
医薬品の分譲実績の保存 別紙様式4-1に限らず、任意様式の伝票・譲渡書を2年間保存すればよい
分譲先の範囲 他の保険薬局だけでなく保険医療機関への分譲も実績に含む
セルフメディケーション関連医療機器 体重計・握力計を除き、承認または認証を得た医療機器である必要がある。1製品で3機能を満たせば3製品未満でも可
研修認定薬剤師が出席する多職種連携会議 地域ケア会議・サービス担当者会議・退院時カンファレンスのほか、地域医療に貢献する多職種連携会議であれば広く対象になり得る

加算の全体像(加算1〜5の違いや現場対応)は、地域支援・医薬品供給対応体制加算|加算1〜5の違いと現場対応の整理で詳しく解説しています。

調剤基本料・集中率|医療モールの合算は「外にある薬局」にも及ぶ

処方箋集中率の計算で見落としやすいのが、いわゆる医療モールの扱いです。疑義解釈では次のように整理されました。

  • 医療モールにある全ての保険医療機関の処方箋受付回数を合算して集中率を算出する計算方法は、モールである建物・敷地の「外」にある保険薬局が集中率を計算する場合にも適用される
  • 不動産開発業者等が複数の医療機関・薬局を集合させる目的で開発した敷地・建物について、「医療モール」「医療ビレッジ」等と称している(称させている)場合は該当する

集中率の計算と「85%の壁」については、集中率の計算方法と算定要件|調剤基本料を左右する「85%の壁」もあわせてご確認ください。

調剤時残薬調整加算|服薬情報等提供料1との併算定が認められた

現場の関心が高いのが、新設された調剤時残薬調整加算服薬情報等提供料1の併算定です。疑義解釈で、一定の条件下で両方とも算定できることが明確になりました。

💊 残薬対応で「両方」算定できるケース

① 処方箋に記載
「調剤する薬剤を減量した上で医療機関へ情報提供」の旨が記載された処方箋を受付
② 減数調剤+薬学的分析
残薬が生じた理由を薬学的に分析し、処方医へ文書で情報提供
③ 両方を算定
服薬情報等提供料1 と 調剤時残薬調整加算 を併算定可

あわせて、地域で策定された「簡素化プロトコル」に沿って減数調剤した場合の取り扱いも整理されました。ここは線引きが細かいので注意してください。

  • プロトコルどおりに減数調剤し事後報告のみとした場合でも、7日分以上相当の調剤日数の変更を行ったなら調剤時残薬調整加算は算定可能
  • 6日分以下相当の変更でも、残薬が7日分を超えないにもかかわらず調整する必要性を調剤報酬明細書に記載すれば算定可能
  • ただし、「簡素化プロトコルに策定されているから」という理由だけで算定することはできない

新設加算の全体像は 重複投薬・相互作用等防止加算は廃止|新設「調剤時残薬調整加算」「薬学的有害事象等防止加算」 を参照してください。

薬学的有害事象等防止加算|プロトコル+事後報告のみは算定不可

もう一方の新設加算である薬学的有害事象等防止加算については、より厳格です。重複投薬を検知した際の対応が簡素化プロトコルとして地域で策定され、プロトコルどおりに薬剤調整して事後報告のみで差し支えないとされている場合、その調整について本加算は算定できません。本加算は疑義照会に係る対応を評価するものだからです。

服薬管理指導料・かかりつけ薬剤師|お薬手帳の記載は省略不可

かかりつけ薬剤師に関しては、お薬手帳への記載や継続在籍要件で複数のQ&Aが示されました。

  • 患者等から署名のある同意書を保存していても、原則としてお薬手帳にかかりつけ薬剤師の氏名を記入しなければならない
  • かかりつけ薬剤師の離職・患者希望で変更する場合は、お薬手帳に上書きを行い、変更の旨と日付を薬剤服用歴に明記する
  • 施設基準の「継続的に在籍している期間が平均1年以上」は、週31時間以上勤務した期間のみ通算する
  • お薬手帳のコピー等は紙でなくてよく、スキャンデータや写真など電子データでの保管も可(サイバー攻撃対策を含むセキュリティに留意)
  • 電子版お薬手帳でかかりつけ薬剤師氏名が容易に確認できれば、上書き防止のためのシステム改修は必ずしも要しない

服薬管理指導料の点数・区分は 服薬管理指導料1・2・3・4の点数と算定要件 に整理しています。

その他の薬局関連Q&A|加算別の要点

項目 疑義解釈での要点
特定薬剤管理指導加算3(ロ) 長期収載品の選定療養による自己負担の変更について改めて説明した場合、自己負担額が変更となる医薬品に関して最初に処方された1回に限り算定可
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算 後日のフォロー業務時に、同一薬局で再度処方箋を受け付けた際に当該患者のかかりつけ薬剤師が不在でも算定可(電話等でのフォロー内容・日時・かかりつけ薬剤師氏名を薬剤服用歴等に記載)
かかりつけ薬剤師訪問加算 算定は患家訪問後に再度処方箋を受け付けたとき。かかりつけ薬剤師が不在でも算定可(記録要件あり)
電子的調剤情報連携体制整備加算 令和8年5月31日時点で医療DX推進体制整備加算の届出済みの薬局は、6月1日からの算定にあたり改めて届出は不要
調剤ベースアップ評価料 賃金改善の対象から「管理薬剤師」は除外。本部・エリア管理を兼務しても、調剤業務に直接従事した実績のある月のみ対象職員として扱える
門前薬局等立地依存減算 令和8年5月31日以前に指定を受けている薬局が、移転・法人化・開設者交代で指定日が6月1日以降になっても、当面は減算に該当しない

各加算の詳細は、特定薬剤管理指導加算3「イ・ロ」完全攻略かかりつけ薬剤師フォローアップ加算・訪問加算の算定実務電子的調剤情報連携体制整備加算への移行ガイド調剤ベースアップ評価料とは にまとめています。

5月発出分(その5〜その7)|薬局実務に効く追加の確認点

5月に出された「その5」(5月8日)〜「その7」(5月29日)でも、薬局の算定実務に直結するQ&Aが追加されました。特に押さえておきたいものを整理します。

項目(発出号) 疑義解釈での要点
地域支援・医薬品供給対応体制加算(その7) 令和7年度の妥結率等報告書で「単品単価交渉を行っていない」に該当していたかどうかにかかわらず、令和8年度の報告書提出期限(令和8年11月末日)までに限り要件を満たすとみなす
調剤管理料(その7) 内服薬が長期処方(28日分以上)の患者で、残薬照会・減量指示により実際の投与日数が27日以下となっても、調剤管理料1のイ(長期処方28日分以上)を算定する
調剤時残薬調整加算(その7) 6日分以下の変更を行う「薬学的専門的な観点による」理由の例=添付文書の服用期間を超える見込み/次回診察時の検査結果で処方変更が見込まれる場合
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(その7) 直近6月以内に廃止された重複投薬・相互作用等防止加算を算定していた患者は、調剤時残薬調整加算・薬学的有害事象等防止加算を算定した患者とみなしてよい
保険薬局内の掲示(その7) 療養担当規則で掲示が定められている事項は、デジタルサイネージ等の電子的表示で掲示してよい(紙媒体も薬局内に備え付ける)
門前薬局等立地依存減算(その5) 令和8年6月1日以降に保険指定を受けた薬局は、指定後に近隣に他薬局が開設されても直ちに減算対象とはならず、集中率等を確認のうえ翌年6月1日から適用
薬剤料(その5) 小児のアナフィラキシーに用いるアドレナリン点鼻液(ネフィー点鼻液1mg・2mg)は、添付文書の追加投与の記載に鑑み原則2瓶まで複数瓶を調剤可
電子的調剤情報連携体制整備加算(その6・その7) 電子処方箋の機能が拡張された場合も、令和5年1月26日から稼働した基本機能(発行・応需、閲覧、重複投与・併用禁忌チェック)に対応した電子処方箋を受け付けられる体制があればよい

特にかかりつけ薬剤師フォローアップ加算の「旧加算のみなし」調剤管理料の長期処方区分の維持は、改定直後の算定で迷いやすいポイントです。あわせて かかりつけ薬剤師フォローアップ加算・訪問加算の算定実務 も確認しておくと安心です。

よくある質問(FAQ)

Q. 残薬調整で、服薬情報等提供料1と調剤時残薬調整加算は本当に両方取れますか?

A. 取れます。処方箋に「調剤する薬剤を減量した上で医療機関へ情報提供」の旨があり、残薬の理由を薬学的に分析して処方医へ文書提供した場合、いずれも算定可とされています。

Q. 同意書があればお薬手帳へのかかりつけ薬剤師の氏名記入は省けますか?

A. 省けません。署名入り同意書の有無にかかわらず、原則としてお薬手帳に記入が必要です。

Q. 医療DX推進体制整備加算を届け出ていれば、電子的調剤情報連携体制整備加算は届出し直しですか?

A. 不要です。令和8年5月31日時点で届出済みの薬局は、改めての届出なしで算定に移行できます。

Q. 長期処方(28日分以上)を残薬調整で27日以下にしたら、調剤管理料の区分は下がりますか?

A. 下がりません。実際の投与日数が27日以下になっても、調剤管理料1のイ(長期処方28日分以上)で算定します(その7)。

まとめ|疑義解釈は「自局の運用の答え合わせ」に使う

2026年改定の疑義解釈は、点数表だけでは判断しきれない実務の細部を埋めてくれます。今回の調剤関係で特に押さえておきたいのは次の3点です。

  1. 地域支援・医薬品供給対応体制加算の実績は、旧加算の回数を合算してみなせる(令和9年6月1日までの届出)
  2. 調剤時残薬調整加算と服薬情報等提供料1は条件下で併算定できるが、「プロトコルだから」を理由にした機械的な算定は不可
  3. かかりつけ薬剤師のお薬手帳記載や継続在籍(週31時間以上)など、運用の根拠を記録で残す

疑義解釈は追加で発出されることがあります。最新号は厚生労働省の改定ページで必ず確認し、自局の運用とずれていないかを定期的に点検しましょう。改定全体の俯瞰には 2026年調剤報酬改定まとめ|6月施行の主要6変更点 が便利です。

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参考(一次情報)

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」
  • 厚生労働省 保険局医療課「疑義解釈資料の送付について(その1)」令和8年3月23日 事務連絡
  • 厚生労働省 保険局医療課「疑義解釈資料の送付について(その2)」令和8年4月1日 事務連絡
  • 厚生労働省 保険局医療課「疑義解釈資料の送付について(その5)」令和8年5月8日 事務連絡
  • 厚生労働省 保険局医療課「疑義解釈資料の送付について(その6)」令和8年5月22日 事務連絡
  • 厚生労働省 保険局医療課「疑義解釈資料の送付について(その7)」令和8年5月29日 事務連絡

※本記事は令和8年6月時点で公表されている疑義解釈資料(その1・その2・その5〜その7)の調剤関係を整理したものです。算定にあたっては最新の通知・疑義解釈の原文を必ずご確認ください。

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