「医療DX推進体制整備加算、6月以降はどうなるの?」
その答えはシンプルです。2026年6月1日をもって廃止となり、「電子的調剤情報連携体制整備加算(月1回8点)」に一本化されます。
名称変更・点数統合に加え、新要件も追加されました。ただし、5月31日時点で旧加算を算定中の薬局は届出が引き継がれるため新規届出は不要です。一方、新規に算定を始める薬局は届出が必要です。この記事では「何が変わったか」「届出はどうすれば」「6月前に何を確認すべきか」を実務目線で整理します。
※加算の基礎知識は【2026年版】医療DX推進体制整備加算とは?薬局が押さえたいポイントも合わせてご確認ください。
もくじ
医療DX推進体制整備加算(旧加算)の概要と廃止タイミング
医療DX推進体制整備加算は、マイナ保険証・電子処方箋・オンライン資格確認を活用した体制を評価する加算として設けられてきました。薬局では加算1・2・3の3区分が存在し、マイナ保険証利用率によって点数が変わる仕組みでした。
- 加算1:10点(マイナ保険証利用率70%以上)
- 加算2:8点(マイナ保険証利用率50%以上)
- 加算3:6点(マイナ保険証利用率30%以上)
※上記利用率は2026年3月〜5月の基準。電子処方箋の導入はすべての区分で必須でした。
この加算は2026年5月31日をもって廃止。6月1日施行の改定で新加算に完全移行します。なお、医療情報取得加算(医療DX関連の別加算)も同時に廃止されます。
新設「電子的調剤情報連携体制整備加算」の全体像
新加算の最大の特徴は「月1回8点の一律評価」です。3区分から1区分へ統合されました。評価軸も「体制を持っているか」から「実際に活用しているか」にシフトしています。
なお、名称が似ている「電子的診療情報連携体制整備加算」は病院・診療所向けの別加算です。薬局が算定するのは「電子的調剤情報連携体制整備加算」と区別して覚えてください。
📊 旧加算 vs 新加算 点数比較
| 項目 | 旧加算(〜2026年5月31日) | 新加算(2026年6月1日〜) |
|---|---|---|
| 名称 | 医療DX推進体制整備加算 | 電子的調剤情報連携体制整備加算 |
| 点数・区分 | 加算1:10点 加算2:8点 加算3:6点(3区分) |
8点(1区分・一律) |
| マイナ保険証利用率 | 70% / 50% / 30%(区分別) | 30%以上(一律) |
| 算定単位 | 月1回 | 月1回 |
| 届出の扱い | — | ✅ 5/31時点で算定中なら届出引継ぎ可 ※新規算定の場合は届出が必要 |
※出典:厚生労働省告示・CloseDi・psft.co.jp・kanri.nkdesk.com(2026年5月時点)
算定のための施設基準(全要件)
新加算を算定するには以下の施設基準を満たし、地方厚生(支)局への届出が受理されていることが必要です。
①電子処方箋の受付・調剤結果登録体制
電子処方箋を受信・確認して調剤につなげる体制を備え、調剤結果を電子処方箋管理サービスに登録することが必須です。電子処方箋システムを未導入の薬局は算定できません。
②重複投薬等チェック機能の活用(2026年新追加)
旧加算にはなかった新要件です。電子処方箋管理サービスの重複投薬・相互作用チェック機能をシステム上で稼働させ、実際に確認できる体制が求められます。「システムを入れているだけ」では不十分で、活用実績が問われます。
③マイナ保険証利用率30%以上
算定しようとする月の3か月前のレセプト件数ベースでマイナ保険証利用率が30%以上必要です。旧加算の区分(70%/50%/30%)は廃止され、「30%以上を満たせば8点」に統一されました。
④オンライン資格確認・診療情報の閲覧活用体制
オンライン資格確認システムで取得した患者の診療情報を調剤に活用できる体制が必要です。
⑤電磁的記録による調剤録・薬剤服用歴の管理
調剤録・薬剤服用歴を電磁的記録で管理していることが求められます。
⑥電子カルテ情報共有サービス(CLINS)への対応
CLINSへの参加・活用体制が求められますが、当面の間は経過措置として「要件を満たしているとみなす」扱いです(厚労省告示の最新情報を地方厚生局で確認してください)。ただし将来的な義務化に備えて、今から準備を進めることを推奨します。
このほか、医療DX推進に関する院内掲示とホームページでの告知、およびサイバーセキュリティ対策の実施も求められます。
届出の手順と注意点
算定継続の薬局:届出は原則不要
2026年5月31日時点で医療DX推進体制整備加算を算定している薬局は、新たな届出は不要です(CloseDi・厚労省通知より)。名称変更に伴い自動的に引き継がれます。ただし施設基準の要件変更(重複投薬チェック体制など)に適合しているかどうかは必ず確認してください。
新規算定を開始する薬局:届出が必要
旧加算を算定していなかった薬局が新加算から新規算定を始める場合は、地方厚生(支)局への届出が必要です。
- 受付期間:5月7日〜6月1日(必着)(詳細は所轄の地方厚生局へ確認)
- 提出先:各都道府県の地方厚生(支)局
- 届出様式:所轄の地方厚生局ホームページで最新様式を確認
全薬局が確認すべき:施設基準の変更要件
届出の引継ぎがある薬局も含め、重複投薬等チェック機能の稼働・マイナ保険証利用率30%以上など、新たに追加された施設基準要件への適合を確認してください。
算定できない薬局のケース
- 特別調剤基本料Bを算定している薬局(対象外)
- 3か月前の実績でマイナ保険証利用率が30%未満の薬局
- 電子処方箋システムを未導入の薬局
電子処方箋未導入の薬局は今後の算定に向けて、システム導入の検討が急務です。
📋 6月1日施行前 確認チェックリスト
よくある疑問Q&A
Q. 旧加算1(10点)を算定していた薬局は収入が下がりますか?
A. 旧加算1(10点)から新加算(8点)になるため、月1回あたり2点分の減収になります。一方、旧加算3(6点)を算定していた薬局は2点の増収です。
Q. 旧加算を算定中の薬局は届出し直す必要がありますか?
A. 不要です。2026年5月31日時点で旧加算を算定中の薬局は、新たな届出なしに新加算へ引き継がれます。ただし施設基準の変更に対応しているか確認が必要です。
Q. 電子処方箋をまだ導入していない薬局は算定不可ですか?
A. 電子処方箋の導入が施設基準に含まれるため、未導入では新加算を算定できません。早急な導入検討が必要です。
Q. CLINSに参加していなくても算定できますか?
A. 当面の間は経過措置が設けられているため、CLINS未参加でも算定可能です。ただし経過措置の終了後は要件となるため、準備を進めることを推奨します。
まとめ
2026年6月1日施行の改定で、医療DX推進体制整備加算は廃止され「電子的調剤情報連携体制整備加算(月1回8点)」に移行します。
- 旧加算を算定中の薬局は届出引継ぎ可(新規届出不要)
- 新規算定を開始する薬局は届出が必要
- 点数は3区分(6・8・10点)から8点一律に統合
- 重複投薬等チェック機能の実際の活用が新要件として追加
- 電子処方箋未導入の薬局は算定不可
- 既存算定薬局も施設基準の変更要件に適合しているか必ず確認
改定内容をしっかり把握して、6月1日からの算定漏れゼロを目指してください。
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