「2026年の改定でオンライン服薬指導って何が変わったの?」「在宅患者に使える区分が増えたと聞いたけど、どう算定すればいい?」
2026年6月1日の調剤報酬改定で、オンライン服薬指導(服薬管理指導料4)は大きく変わりました。従来の「イ・ロ」2区分から「イ・ロ・ハ・ニ」4区分に拡大し、在宅療養患者への対応も新設されています。
この記事では、改定後の点数・算定要件・実務フローを、保険薬局の薬剤師向けにわかりやすく解説します。
もくじ
オンライン服薬指導(服薬管理指導料4)とは
オンライン服薬指導とは、薬剤師がビデオ通話などの情報通信機器を使って患者に薬の説明・服薬指導を行うことです。調剤報酬上は「服薬管理指導料4」として算定します。
2020年の薬機法改正により全面解禁されて以来、改定ごとに算定要件が整備されてきました。対面服薬指導と組み合わせた計画的な実施、双方向の映像・音声通信による実施、薬剤配送時の受領確認などが基本要件として定められています。
→ オンライン業務全般については【薬剤師のオンライン業務】完全ガイドもあわせてご覧ください。
2026年6月改定で何が変わったか
在宅患者オンライン薬剤管理指導料の廃止・統合
改定前は「在宅患者オンライン薬剤管理指導料(通常・緊急)」という別立ての加算がありました。これが2026年6月1日に廃止となり、服薬管理指導料4に統合されました。
- 廃止:在宅患者オンライン薬剤管理指導料(通常)
- 廃止:在宅患者オンライン薬剤管理指導料(緊急)
- → 新設:服薬管理指導料4ロ・4ハとして吸収・一本化
これにより在宅療養患者へのオンライン服薬指導が「服薬管理指導料4」の枠組みで一本化されました。
2区分から4区分へ拡大
区分の変化を整理します。
| 区分 | 改定前 | 2026年6月改定後 |
|---|---|---|
| 4イ | 45点(3月以内・手帳提示) | 45点(3月以内・手帳提示、介護老人福祉施設等患者を追加) |
| 4ロ 🆕 | 59点(その他) | 59点(在宅療養・通院困難患者:新設) |
| 4ハ 🆕 | ─(なし) | 59点(在宅患者の急変時:新設) |
| 4ニ | ─(なし) | 59点(その他:改定前の「4ロ」に相当) |
2026年改定後|服薬管理指導料4の4区分早見表
📊 服薬管理指導料4 区分・点数・対象一覧(2026年6月〜)
| 区分 | 点数 | 対象患者 | 算定制限・備考 |
|---|---|---|---|
| 4イ | 45点 | 3月以内に再処方箋・手帳提示の患者 介護老人福祉施設等の患者(新たに追加) |
介護老人福祉施設等患者は服薬管理指導料3と合わせて月4回まで |
| 4ロ 🆕 | 59点 | 在宅療養中・通院困難な患者(急変を除く) | 月2回以上算定する場合は週1回を限度 末期悪性腫瘍等:在宅訪問指導料と合わせ週2回・月8回まで 特定薬剤管理指導加算1〜3:算定不可 |
| 4ハ 🆕 | 59点 | 4ロの患者のうち急変時の対応 | 4ロと同じ算定制限。計画外の緊急対応が要件 特定薬剤管理指導加算1〜3:算定不可 |
| 4ニ | 59点 | 上記(イ・ロ・ハ)以外の患者 | 改定前の「4ロ」に相当 |
※2026年6月1日施行。特別調剤基本料B算定薬局は全区分算定不可。
各区分の算定要件
服薬管理指導料4イ(45点)
対象患者
- 原則3月以内に再度処方箋を持参し、お薬手帳を提示した患者
- 介護老人福祉施設等(特養等)の患者——2026年改定で新たに追加
お薬手帳の提示が算定要件であることは変わりません。介護老人福祉施設等の患者については、2026年改定でオンライン指導時に「服薬管理指導料3と4イを組み合わせて月4回まで」算定できることが明記されました。
服薬管理指導料4ロ(59点)【新設】
対象患者:在宅で療養を行っている患者であって通院困難なもの(急変時を除く)
算定制限
- 月2回以上算定する場合は週1回を限度とする(末期悪性腫瘍患者等を除く)
- 末期悪性腫瘍患者等は、在宅患者訪問薬剤管理指導料1〜3と合わせて週2回かつ月8回まで
注意:在宅患者訪問薬剤管理指導料との同日算定は不可です。
服薬管理指導料4ハ(59点)【新設】
対象患者:4ロの算定対象患者のうち、患者の状態急変等に伴い行った場合
活用場面の例
- 急な発熱・転倒などで薬の確認が必要になったとき
- 退院直後に服薬内容が変更されたとき
- 医師・患者・家族から急遽連絡があり計画外で対応したとき
点数・算定制限は4ロと同じです(週1回を限度・末期悪性腫瘍等は週2回・月8回)。「急変時」の計画外対応であることを記録に残しておくことが重要です。
服薬管理指導料4ニ(59点)
対象患者:イ・ロ・ハのいずれにも該当しない患者
改定前の「4ロ(59点)」に相当します。外来患者でお薬手帳の提示がない場合や、3月を超えた再来局の患者などが対象になります。
算定制限と落とし穴
⚠️ 算定区分の選び方フロー
→ YES:服薬管理指導料4は全区分算定できません
→ NO:次のSTEPへ
→ YES:STEP 3へ
→ NO:介護老人福祉施設等患者→4イ(45点)/手帳なし・3月超→4ニ(59点)
→ YES:4ハ(59点)
→ NO:4ロ(59点)
特定薬剤管理指導加算1〜3との関係(見落とし注意)
服薬管理指導料4ロまたは4ハを算定した場合、特定薬剤管理指導加算1〜3は算定できません。
高度な薬学管理が必要な在宅患者にオンラインで対応する機会は今後増えますが、4ロ・4ハを選択した時点で特定薬剤管理指導加算は算定不可です。レセコン設定でアラートが出るよう、6月前に確認しておきましょう。
訪問薬剤管理指導との同日算定不可
4ロ・4ハは、同日に在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している場合は算定できません。同日に対面訪問とオンライン対応の両方が生じた場合、どちらを算定するか事前に方針を決めておきましょう。
→ 在宅訪問の算定詳細は在宅患者訪問薬剤管理指導料|2026年改定ガイドもご確認ください。
よくある疑問Q&A
Q. 在宅患者にオンライン服薬指導をした場合、4ロと4ニどちらで算定しますか?
A. 在宅療養中で通院困難な患者であれば「4ロ(59点)」が正しい区分です。手帳の提示や3月以内という条件は関係なく、在宅療養・通院困難の状態であれば4ロを使います。4ニは在宅外の患者に使う区分です。
Q. 急変時の4ハは計画的に算定できますか?
A. 4ハは「患者の状態急変等に伴い行った場合」が要件であり、定期的なフォローには使えません。急変時の計画外対応に限定して算定します。なお、4ハの算定制限は4ロと同じで、月2回以上算定する場合は週1回を限度とします。
Q. 特養(介護老人福祉施設)の入居者にオンライン服薬指導をした場合は?
A. 2026年改定で、介護老人福祉施設等の患者に対するオンライン服薬指導は「服薬管理指導料3と4イ(45点)を組み合わせて月4回まで」算定できることが明記されました。なお、介護老人保健施設(老健)や介護医療院の患者については算定体系が異なる場合があるため、疑義解釈の最新情報を確認してください。
Q. オンライン服薬指導の実施に届出は必要ですか?
A. 服薬管理指導料4自体は届出不要の項目です。ただし、実施にあたっては情報通信機器を用いた対応が可能な体制として患者への事前説明と同意取得が必要です。また、緊急時に対面に切り替えられる体制の整備も求められています。
まとめ
2026年6月1日改定でオンライン服薬指導(服薬管理指導料4)は次のように変わりました。
- ✅ 2区分から4区分(イ・ロ・ハ・ニ)に拡大
- ✅ 在宅療養・通院困難患者向けの4ロ(59点)が新設
- ✅ 在宅患者の急変時対応として4ハ(59点)が新設
- ✅ 在宅患者オンライン薬剤管理指導料(旧)は廃止・服薬管理指導料4に統合
- ⚠️ 4ロ・4ハは月2回以上算定する場合週1回を限度とする
- ⚠️ 4ロ・4ハ算定時は特定薬剤管理指導加算1〜3と併算定不可
- ⚠️ 特別調剤基本料B算定薬局は全区分算定不可
在宅対応の幅が広がった一方、算定制限も複雑になっています。2026年6月の算定開始前にレセコン設定と実務フローを確認しておきましょう。
→ 服薬管理指導料1〜4の全体像は【2026年6月改定】服薬管理指導料の点数と算定要件|完全ガイドをご覧ください。

