「改定前は何点で、改定後は何点?」「あの加算、廃止されたんだっけ?」——2026年6月の改定直前、こんな確認に追われている薬剤師は多いはずです。
今回の改定は廃止・新設・統合が同時多発的に起きており、項目ごとに個別記事を読んでいても全体像がつかみにくい。そこでこの記事では、調剤技術料・薬学管理料・加算群の3カテゴリを横断し、改定前後の点数と算定要件の変更を一覧形式でまとめました。
6月1日の算定開始前の最終確認としてご活用ください。
▼ 改定全体の準備はこちら:【2026年6月1日施行】薬剤師の準備チェックリスト完全版
もくじ
この記事の見方
各比較表は以下のルールで色分けしています。
1. 調剤技術料の改定前後比較
調剤基本料(全区分)
調剤基本料は全区分で微増改定。ただし門前薬局等立地依存減算(-15点)が新設され、対象薬局は実質マイナスになる点に注意が必要です。
| 区分 | 改定前 | 改定後 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 調剤基本料1(一般薬局) | 45点 | 47点 | +2点 |
| 調剤基本料2(門前大型等) | 29点 | 30点 | +1点 |
| 調剤基本料3イ(同一グループ小) | 24点 | 25点 | +1点 |
| 調剤基本料3ロ(同一グループ大) | 19点 | 20点 | +1点 |
| 調剤基本料3ハ(特定医療機関グループ) | 35点 | 37点 | +2点 |
| 🟢 門前薬局等立地依存減算(新設) | — | -15点 | 新設 |
※2026年5月31日以前開局の薬局は経過措置対象(詳細は地方厚生局へ)
調剤基本料の届出・区分判定については、【2026年6月改定】調剤基本料の届出方法をあわせてご確認ください。
調剤管理料(4区分→2区分に大幅簡素化)
調剤管理料は処方日数による4段階から2段階に大幅統合。改定前は「29日分以上」が長期処方区分でしたが、改定後は「28日分以上」に1日短縮されました。8〜27日分の処方を多く扱う薬局では点数が大きく下がります。
| 処方日数(改定前区分) | 改定前 | 処方日数(改定後区分) | 改定後 | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| 7日分以下 | 4点 | 27日分以下(統合) | 10点 | +6点 |
| 8〜14日分 | 28点 | (27日分以下へ統合) | 10点 | -18点 |
| 15〜28日分 | 50点 | (27日分以下へ統合) | 10点 | -40点 |
| 29日分以上(長期処方) | 60点 | 28日分以上(長期処方・1日短縮) | 60点 | 点数は同じ |
| 🔴 調剤管理加算(廃止) | 3点 | 廃止 | — | -3点 |
※「15〜28日分」の改定後:27日分以下は10点・28日分は新たに長期処方60点区分へ移行(実質+10点)。
2. 薬学管理料の改定前後比較
服薬管理指導料(区分・点数体系が大幅刷新)
最も変化が大きい領域です。改定前は「お薬手帳の有無」で区分していましたが、改定後は「3ヶ月以内の再来・手帳提示か否か」で1・2に二分。さらに各区分がかかりつけ薬剤師(イ)とそれ以外(ロ)に分かれる体系に刷新されました。
⚠️ 重要:旧「お薬手帳なし67点(区分3)」は廃止。手帳なし患者も2のロ(59点)で算定します。また、旧「かかりつけ薬剤師指導料76点」は廃止で、改定後に76点の区分は存在しません。
服薬管理指導料2(その他・手帳あり)59点
服薬管理指導料3(手帳なし)67点 → 廃止
かかりつけ薬剤師指導料 76点 → 廃止
かかりつけ薬剤師包括管理料 291点 → 廃止
服薬管理指導料1のロ(その他・3月以内・手帳)45点
服薬管理指導料2のイ(かかりつけ・上記以外)59点
服薬管理指導料2のロ(その他・上記以外)59点
服薬管理指導料3(施設等)45点
50点(3月1回)
訪問加算
230点(6月1回)
| 改定前 | 点数 | 改定後(対応区分) | 点数 |
|---|---|---|---|
| 服薬管理指導料1(3月以内・手帳提示) | 45点 | 1のイ(かかりつけ薬剤師)/1のロ(その他) | 各45点 |
| 服薬管理指導料2(手帳あり・上記以外) | 59点 | 2のイ(かかりつけ薬剤師)/2のロ(その他) | 各59点 |
| 🔴 服薬管理指導料3(手帳なし) | 67点 | 廃止 → 手帳なし患者は2のロ(59点)で算定 | 廃止 |
| 🟢 服薬管理指導料3(施設等・新設) | — | 介護老人福祉施設等への訪問指導 | 45点 |
| 🔴 かかりつけ薬剤師指導料(廃止) | 76点 | 廃止(1のイ/2のイ+フォローアップ加算に移行) | 廃止 |
| 🔴 かかりつけ薬剤師包括管理料(廃止) | 291点 | 廃止(服薬管理指導料+訪問加算に移行) | 廃止 |
| 🟢 かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(新設) | — | 服薬管理指導料(1のイ・2のイ)に加算 | 50点(3月1回) |
| 🟢 かかりつけ薬剤師訪問加算(新設) | — | 在宅患者への訪問指導時に加算 | 230点(6月1回) |
| 🟢 服薬管理指導料4(オンライン・新設) | — | 4のイ(3月以内・施設):45点 4のロ〜ニ(在宅困難・その他):59点 |
45点 or 59点 |
かかりつけ薬剤師のフォローアップ加算・訪問加算の詳細算定実務は、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算・訪問加算の算定実務で解説しています。
3. 主要加算の廃止・新設・再編一覧
廃止加算リスト(6月1日以降算定不可)
- 重複投薬・相互作用等防止加算(在宅含む)
- 後発医薬品調剤体制加算1・2・3
- 地域支援体制加算(旧区分)
- 医療DX推進体制整備加算
- かかりつけ薬剤師指導料(76点)
- かかりつけ薬剤師包括管理料(291点)
- 服薬管理指導料3(67点・手帳なし区分)
- 調剤管理加算(3点)
新設加算リスト(6月1日から算定可能)
- 調剤ベースアップ評価料:4点(処方箋受付1回、2027年6月以降8点)
- 調剤物価対応料:1点(3月に1回、2027年6月以降2点)
- バイオ後続品調剤体制加算:50点(月1回)
- かかりつけ薬剤師フォローアップ加算:50点(3月1回)
- かかりつけ薬剤師訪問加算:230点(6月1回)
- 調剤時残薬調整加算:30点(かかりつけ薬剤師実施は50点)
- 薬学的有害事象等防止加算:30点(かかりつけ薬剤師実施は50点)
- 電子的調剤情報連携体制整備加算(医療DX推進体制整備加算の後継)
- 複数名訪問料:300点(在宅)
- 医師同時指導料:150点(在宅)
- 服薬管理指導料4(オンライン):4のイ=45点・4のロ〜ニ=59点
地域支援・後発医薬品関連の5区分再編
旧「地域支援体制加算」と「後発医薬品調剤体制加算」が統合され、「地域支援・医薬品供給対応体制加算」(5区分)に再編されました。後発品使用率85%以上などの共通要件のほか、区分ごとに追加要件があります。
| 新区分 | 改定前 | 改定後 | 旧制度との対応関係 |
|---|---|---|---|
| 地域支援・医薬品供給対応体制加算1 | 32点 | 27点 | 旧地域支援体制加算1(基本)の後継 |
| 地域支援・医薬品供給対応体制加算2 | 40点 | 59点 | 旧地域支援体制加算2(高次要件)の後継 |
| 地域支援・医薬品供給対応体制加算3 | 10点 | 67点 | 旧地域支援体制加算3(大幅増)の後継 |
| 地域支援・医薬品供給対応体制加算4 | 32点 | 37点 | 旧地域支援体制加算4(調剤基本料2・3対象)後継 |
| 🟢 地域支援・医薬品供給対応体制加算5(新設) | — | 59点 | 加算4の上位区分(新設) |
共通前提:後発医薬品使用率85%以上、他薬局への医薬品分譲実績など。詳細は地域支援体制加算チェックリストを参照。
4. 在宅関連の改定前後比較
| 項目 | 改定前 | 改定後 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 在宅薬学総合体制加算1 | 15点 | 30点 | +15点(倍増) |
| 在宅患者訪問薬剤管理指導料(単一建物1人) | 650点 | 650点 | 変更なし |
| 🟢 複数名訪問料(新設) | — | 300点 | 新設 |
| 🟢 医師同時指導料(新設) | — | 150点 | 新設 |
5. 6月1日以降の算定で取りこぼしやすいポイント
算定間違い全15事例の詳細は、薬剤師がよくやる算定間違い15選で解説しています。
まとめ
2026年6月改定の算定要件・点数変更を改定前後で比較すると、主なポイントは次の5点です。
- 調剤基本料は全区分で微増。ただし門前薬局等立地依存減算(-15点)が新設される薬局は要注意。
- 調剤管理料は4区分→2区分に大幅簡素化。長期処方の境界が「29日→28日」に短縮。8〜27日分の処方を多く扱う薬局は減収になる可能性がある。
- 服薬管理指導料は区分体系が全面刷新。旧「手帳なし67点」廃止・旧「かかりつけ薬剤師指導料76点」廃止。改定後は1のイ/ロ(45点)・2のイ/ロ(59点)の4区分体系へ移行。
- 地域支援・後発品関連は5区分に再編。旧加算コードは使用不可。新体系での届出と算定コードへの切り替えが必要。
- ベースアップ評価料・物価対応料が新設。届出が必要なため未対応の薬局は今すぐ確認を。

