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2026年8月25日の使用上の注意改訂|ドンペリドン、オランザピンなど8項目で確認

2026年8月25日の使用上の注意改訂を8項目で確認する薬剤師

2026年8月25日、厚生労働省から使用上の注意の改訂指示(医薬安発0825第1号)が出ました。対象はアセトアミノフェン、オランザピン、ドンペリドン、メトクロプラミド、葛根湯、免疫チェックポイント阻害薬など、医療用と一般用にまたがる多数の製剤です。

特にドンペリドンとメトクロプラミドは「重篤な不整脈」が重大な副作用に新設され、オランザピンは制吐目的での糖尿病患者への扱いが適応別に整理されました。薬局と病棟では、通知だけを読んで対応を決めず、自施設の採用品、各製品の改訂反映状況、服薬指導資材の順に照合する必要があります。

本稿では、2026年8月25日通知を8つの確認単位に分け、改訂案が示す範囲と薬局の初動を整理します。

通知で確認する8項目

2026年8月25日の改訂指示で示された主な変更は次のとおりです。

  1. ドンペリドン、メトクロプラミド:重篤な不整脈が重大な副作用に新設。漫然投与を避ける旨が明記
  2. アセトアミノフェン:ピログルタミン酸蓄積による代謝性アシドーシスの素因がある患者への注意が新設
  3. オランザピン:制吐目的では糖尿病が禁忌から外れ、警告と条件付き投与へ
  4. 葛根湯:医療用と一般用の双方で多形紅斑が追加
  5. アパルタミド:無顆粒球症、好中球減少症、白血球減少症が重大な副作用に新設
  6. ミトタン、イボシデニブ、エンコラフェニブ:一部の抗HIV薬との併用禁忌が追加
  7. タラポルフィンナトリウム:対象となる食道癌の光線力学的療法で、食道狭窄と食道穿孔が追加
  8. 免疫チェックポイント阻害薬:ぶどう膜炎、血球貪食性リンパ組織球症、重度の食道炎が追加

今回の改訂指示の全体像

改訂指示は、PMDAの「使用上の注意の改訂指示通知(医薬品)」ページに一覧として掲載されます。今回の医薬安発0825第1号では、医療用医薬品だけでなく一般用医薬品の葛根湯含有製剤も対象に含まれています。

通知の別紙1から28を、薬局と病棟で確認しやすい単位にまとめると次のようになります。

対象 追加または変更された記載 どこに入ったか
ドンペリドン(経口剤、坐剤)
メトクロプラミド
重篤な不整脈(心室頻拍、心室細動等) 8. 重要な基本的注意
11.1 重大な副作用
アセトアミノフェンおよび含有配合剤 ピログルタミン酸蓄積の素因がある患者への注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者
オランザピン(経口剤) 制吐目的での警告新設、禁忌の適応別整理 1. 警告
2. 禁忌
9.1 合併症・既往歴等のある患者
葛根湯(医療用、一般用) 多形紅斑 11.1 重大な副作用
一般用は「相談すること」
アパルタミド 無顆粒球症、好中球減少症、白血球減少症 8. 重要な基本的注意
11.1 重大な副作用
ミトタンイボシデニブエンコラフェニブと一部の抗HIV薬 CYP3A誘導による併用禁忌の追加 2. 禁忌
10.1 併用禁忌
免疫チェックポイント阻害薬 ぶどう膜炎、血球貪食性リンパ組織球症、重度の食道炎 8. 重要な基本的注意
11.1 重大な副作用
タラポルフィンナトリウム 食道狭窄、食道穿孔 8. 重要な基本的注意
11.1 重大な副作用

出典:PMDA「使用上の注意の改訂指示通知(医薬品)2026年度指示分」(2026年8月27日確認)

使用上の注意改訂8項目と通知から患者説明までの確認順
図解 使用上の注意改訂を採用品と患者説明へつなぐ8項目

ドンペリドンとメトクロプラミドに、重篤な不整脈が加わりました

処方監査で先に確認したいのが、この2成分です。どちらも「8. 重要な基本的注意」と「11.1 重大な副作用」の両方に記載が追加されました。

改訂案の文言は、2成分でほぼ共通しています。

8. 重要な基本的注意(新設)

国内外疫学調査において、致死性不整脈及び心突然死のリスク増加が示唆されている。心室頻拍、心室細動等の重篤な不整脈があらわれることがあるので、以下の点に注意すること。

  • 必要最小限の使用にとどめ、長期にわたり漫然と投与しないこと
  • 関連する症状が認められた場合は、速やかに受診するよう患者に指導すること
  • 観察を十分に行い、関連する症状が認められた場合は速やかに心機能検査(心電図検査等)を行うこと

11.1 重大な副作用(新設)

重篤な不整脈。心室頻拍、心室細動等の重篤な不整脈があらわれることがある。異常が認められた場合には、本剤の中止、救命処置、除細動等の適切な処置を行うこと。

※メトクロプラミドは「国内疫学調査において致死性不整脈が、国内外疫学調査において心突然死のリスク増加が示唆されている」という書き出しになります。

通知は製造販売業者に、使用上の注意を速やかに改訂して医薬関係者へ情報提供するよう求めています。薬局側では、通知の文言だけで配布物を差し替えず、各製品の電子添文と患者向け資材の更新状況を確認します。

根拠になったのはNDBを用いた国内調査です

今回の改訂の根拠として、PMDAは匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)を用いた調査結果を公表しています。

調査の設計は次のとおりです。

  • データ期間:2012年4月1日から2023年3月31日
  • 対象:経口のドンペリドンまたはメトクロプラミドの処方記録がある20歳以上の患者、19,361,211人
  • デザイン:Nested case-control。悪性腫瘍、パーキンソン病、遺伝性不整脈の傷病名がある患者は除外
  • アウトカム:致死性不整脈または心突然死(複合アウトカム)

結果は次のようになりました。調整オッズ比は、心疾患、肝機能障害、腎機能障害、高血圧、脂質異常症、糖尿病、QT延長作用が知られている薬剤、CYP3A4阻害剤の併用を調整したものです。

図解1 NDB調査における調整オッズ比(複合アウトカム、Non-useが基準)

ドンペリドン Current use 2.48(2.39–2.58)

ドンペリドン Past use 1.60(1.53–1.67)

メトクロプラミド Current use 2.73(2.61–2.86)

メトクロプラミド Past use 2.00(1.91–2.10)

Current use=直近の処方期間終了日が基準日(Index date)の前7日以内または基準日以降/Past use=8日前から67日前/Non-use=68日以上前。バーの長さは値を視覚化したもので、目盛りではありません。

ドンペリドンの1日処方量別解析では、30mg超のHigh doseが1.75(95%信頼区間1.53から1.99)、30mg以下のLow doseが1.91(1.83から1.99)でした。この結果から用量反応関係や個別患者の因果関係は判定できません。通知の実務上の要点は、数値で独自の中止基準を作ることではなく、必要最小限の使用と漫然投与の回避です。

この数字を読むときの注意点

この調査結果には、報告書自身が挙げている限界があります。薬局で共有するときは、次の3点をセットで伝えたほうが誤解が生じにくくなります。

1つめは、比較対象のNon-useが「まったく使ったことがない人」ではないことです。処方期間終了日が68日以上前の患者を指すため、いずれの群も過去に処方歴があります。

2つめは、これが因果関係を証明した調査ではないことです。報告書でも「リスクが上昇することが示唆された」という表現にとどまっています。飲酒歴やBody Mass Indexといった交絡因子は調整されていません。

3つめは、部分集団解析で65歳以上や心疾患の既往がある集団のリスクがとくに高いという傾向は認められなかった点です。「高齢者だけ気をつければよい」という読み方にはなりません。

データベース調査の読み方そのものについては、副作用報告データベースを扱った記事も参考になります。

薬局と病棟での見方

「必要最小限の使用にとどめ、長期にわたり漫然と投与しないこと」が明記されたことで、確認すべき処方が具体化します。

  • 処方開始日、使用目的、定時または頓用の別が薬歴で追えるか
  • 長期継続中の場合、症状と継続理由を処方元と共有する必要がないか
  • ドンペリドンでは、最新の電子添文に基づき心疾患と併用薬を確認したか
  • 重篤な不整脈に関連する症状がある場合の受診案内を、最新の製品資材と照合したか

メトクロプラミドについては、パーキンソン病治療薬との併用という別の論点もあります。錐体外路症状の観点は次の記事で整理しています。

アセトアミノフェンに、代謝性アシドーシスの素因に関する注意が入りました

アセトアミノフェンは「9.1 合併症・既往歴等のある患者」に次の記載が新設されます。

9.1 合併症・既往歴等のある患者(新設)

重篤な腎障害、肝障害(重篤な肝障害を除く)、敗血症、栄養障害等によるピログルタミン酸蓄積の素因のある患者。ピログルタミン酸の排泄阻害又はグルタチオン欠乏が生じているため、本剤投与によりピログルタミン酸の蓄積が促進された結果、アニオンギャップ開大性代謝性アシドーシスが発現するおそれがある。

アセトアミノフェンによるアニオンギャップ開大性代謝性アシドーシスは、ピログルタミン酸の蓄積を介する事象です。今回の改訂案で、その素因となる背景が「9.1 合併症・既往歴等のある患者」に明示されました。

ここは読み違えやすいところなので、3点を分けて確認します。

まず、これは禁忌ではありません。追加されたのは「9.1 合併症・既往歴等のある患者」であり、投与できないという意味ではありません。

次に、改訂案には「肝障害(重篤な肝障害を除く)」という括弧書きがあります。これを、すべての肝障害を同じ注意区分で扱う意味に読み替えないことが大切です。重篤な肝障害については、採用品ごとの最新電子添文にある禁忌等の記載を別に確認します。

そして、対象製剤の範囲が広い点です。単剤だけでなく、次のような配合剤も対象に含まれています。

薬効分類 対象となる成分
114 解熱鎮痛消炎剤 アセトアミノフェン(経口剤、坐剤、注射剤)
イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェインの配合剤
トラマドール塩酸塩、アセトアミノフェンの配合剤
118 総合感冒剤 サリチルアミド、アセトアミノフェン、無水カフェイン、クロルフェニラミンマレイン酸塩などの配合剤
222 鎮咳剤 ジプロフィリン、ジヒドロコデインリン酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、アセトアミノフェン、ブロモバレリル尿素の配合剤

総合感冒剤や鎮咳配合剤は、成分名を確認しないとアセトアミノフェン含有を見落としやすい薬です。通知が列挙する重篤な腎障害、重篤でない肝障害、敗血症、栄養障害等の有無を、単剤と配合剤の両方で確認します。

小児のアセトアミノフェンについては、体重あたりの用量確認が先に立ちます。

オランザピンは、制吐目的で糖尿病が禁忌から外れました

オランザピンは、糖尿病とその既往に関する禁忌の適用範囲が適応別に整理されました。統合失調症と双極性障害に対する投与では引き続き禁忌です。制吐目的では禁忌の対象から外れる一方、新設される警告と9.1の条件を満たす必要があります。

項目 改訂前 改訂後
禁忌 糖尿病の患者、糖尿病の既往歴のある患者(適応の区別なし) 統合失調症、双極性障害における躁症状及びうつ症状の改善の場合に限定
警告 該当する記載なし 制吐目的で糖尿病または既往のある患者に投与する場合、有益性が危険性を上回ると判断される場合以外は投与しない旨を新設
9.1 合併症・既往歴等 該当する記載なし 血糖コントロールが良好な患者にのみ投与、投与量と投与期間は必要最小限、毎日頻回の血糖モニタリングを新設

警告と9.1では、いずれも「投与期間を通じて、緊急時に十分に対応できる体制を整えた上で投与すること」が求められています。禁忌が外れたことは、注意が緩んだことを意味しません。むしろ、投与するなら血糖の管理体制を整えたうえでという条件が明文化された、という読み方になります。

9.1では、関連学会の最新のガイドライン等を参考にしたうえで、患者の状態に応じて本剤の必要性を判断することも求められています。

図解2 制吐目的でオランザピンを見たときの確認の順番

① 適応を分ける

制吐目的か、統合失調症等か。統合失調症等では糖尿病は引き続き禁忌です

② 血糖の状況

血糖コントロールが良好か、医療チームの評価と監視計画を確認します

③ 量と期間

最新の電子添文とレジメンに基づき、投与量と投与期間が必要最小限かを確認します

④ 患者説明

最新の患者向け資材と医療チームの計画に沿って、連絡が必要な変化を共有します

改訂案は、投与前と投与期間中の毎日頻回の血糖モニタリング、投与後も血糖値が安定するまでの継続的な観察を求めています。具体的な実施計画は医療チームで共有します。

外来化学療法の患者さんでは、支持療法薬のフォローが特定薬剤管理指導加算2の算定と結びつく場面もあります。算定要件と実務の流れは次の記事にまとめています。

葛根湯には、医療用と一般用の両方に多形紅斑が追加されました

医療用の葛根湯(薬効分類520 漢方製剤)では、「11.1 重大な副作用」に多形紅斑が新設されます。

一般用医薬品側の改訂は、記載場所が異なります。「相談すること」のうち、まれに起こる重篤な症状の表に多形紅斑が加わる形です。

  • かぜ薬に分類される葛根湯含有製剤:既存の皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、急性汎発性発疹性膿疱症の行に多形紅斑が追加され、症状の説明に「水疱が皮膚の赤い部分にあらわれる」が加わります
  • 葛根湯エキスにジリュウエキスまたはビタミン類を配合した製剤:多形紅斑の行が新設されます
  • 一般用漢方製剤としての葛根湯:多形紅斑の行が新設されます

一般用医薬品の改訂案には、「皮膚が広い範囲で赤くなる」「水疱が皮膚の赤い部分にあらわれる」「高熱、のどの痛み等が持続したり、急激に悪化する」という症状が示されています。販売時の説明は、各製品の改訂後添付文書と照合します。

OTCの相談対応全般については、次の記事も参考にしてください。

アパルタミドの血液障害と抗HIV薬との併用禁忌

アパルタミドには「8. 重要な基本的注意」と「11.1 重大な副作用」に、無顆粒球症、好中球減少症、白血球減少症が追加されます。重要な基本的注意では、投与中に定期的な血液検査を実施するなど観察を十分に行うことが求められます。

もう1つ、ミトタン、イボシデニブ、エンコラフェニブと一部の抗HIV薬の組み合わせが併用禁忌に追加されます。対象となる成分と配合剤は別紙10から11、15から25で異なるため、製品ごとの確認が必要です。

記載が変わる薬剤 併用禁忌に追加された相手
リルピビリンなど、CYP3Aで代謝される抗HIV薬 イボシデニブ、エンコラフェニブ、ミトタン(既存のアパルタミド、エンザルタミド等に追加)
ミトタン エルビテグラビル配合剤、ダルナビル配合剤、ドルテグラビル・リルピビリン配合剤、ビクテグラビル配合剤、リルピビリン製剤など(既存のドラビリン、エンシトレルビル、レナカパビル等に追加)

通知では、CYP3A誘導による血中濃度低下と効果減弱などが機序として示されています。処方監査では、薬効群名で一括りにせず、各製品の電子添文にある「2. 禁忌」と「10.1 併用禁忌」を読み戻します。

電子処方箋のアラート対応については、次の記事で確認の順番を整理しています。

タラポルフィンナトリウムに、食道狭窄と食道穿孔が追加されました

タラポルフィンナトリウムの改訂は、化学放射線療法または放射線療法後の局所遺残再発食道癌に対する光線力学的療法を対象としています。

「8. 重要な基本的注意」では、レーザ光照射部位に出血、深掘潰瘍または食道穿孔がある場合、引き続き絶食と補液による管理を行うよう記載が改められます。

「11.1 重大な副作用」には、食道狭窄と食道穿孔が新設され、レーザ光照射後に発現することがあると明記されます。

この記載をタラポルフィンナトリウムのすべての適応へ一括適用せず、今回の改訂対象となる適応と治療法を分けて確認します。

免疫チェックポイント阻害薬には3つの事象が追加されました

免疫チェックポイント阻害薬については、対象となる成分の組み合わせが別紙ごとに異なります。

  • ぶどう膜炎:アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、トレメリムマブ。重要な基本的注意に、眼の異常の有無を定期的に確認し、異常時は速やかに受診するよう患者を指導する旨が新設されます
  • 血球貪食性リンパ組織球症:アベルマブ、イピリムマブ、チスレリズマブ、デュルバルマブ、トレメリムマブ、レチファンリマブ
  • 重度の食道炎:イピリムマブに新設。ニボルマブでは既存の「重度の胃炎」が「重度の胃炎、食道炎」に変更されます

ぶどう膜炎の改訂案は、眼の異常の有無を定期的に確認し、異常時は速やかに医療機関を受診するよう患者に指導することを求めています。具体的な聞き取り文言は、改訂後の電子添文と患者向け資材に合わせます。

改訂指示を薬局の運用に落とし込む

対象が多い通知は、全体像を確認したうえで採用品に絞って読み戻すと、見落としを減らせます。運用は、次の3ステップに整理できます。

第1に、自局の採用品に該当があるかを、成分名と配合剤名の両方で照合します。

第2に、該当製品の最新電子添文で改訂反映を確認し、「重大な副作用の追加」「禁忌の変更」「患者説明の更新」のどれに当たるかを分類します。服薬指導文や配布資材の変更は、改訂後の公式資材を読み戻してから行います。

第3に、朝礼メモとして1行にまとめ、更新ログに残します。ログがあると、次の改訂時に「前回どう対応したか」をたどれます。

この運用の型は、次の記事で詳しく整理しています。

なお、改訂指示の原文は厚生労働省の通知として発出され、PMDAのサイトに掲載されます。通知や疑義解釈を自分で探せるようにしておくと、二次情報を待たずに確認できます。

改訂指示を、出た日に把握できる体制をつくる

通知は製造販売業者に、速やかな改訂と情報提供を求めています。反映時期は製品ごとに確認し、通知、改訂後電子添文、院内または薬局内資材の順に更新を記録します。この習慣は、勤務先が変わっても使える医薬品情報業務の基盤になります。

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よくある質問

ドンペリドンやメトクロプラミドは、今後使えなくなるのですか?

いいえ。今回の改訂で禁忌が追加されたわけではありません。追加されたのは「8. 重要な基本的注意」と「11.1 重大な副作用」です。必要最小限の使用にとどめ、漫然と長期投与しないことが求められる形になります。

改訂前の電子添文で服薬指導していた場合、さかのぼって対応が必要ですか?

一律に「次回来局時でよい」とは判断できません。まず継続使用中の患者を把握し、現在の症状、処方目的、最新の製品情報を照合します。連絡の要否と時期は、改訂後電子添文と施設の手順に沿って判断します。

オランザピンの禁忌が外れたので、糖尿病の患者さんに制吐目的で使ってよいのですか?

制吐目的の適応に限って禁忌ではなくなりますが、警告に「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合以外は投与しないこと」が新設されます。血糖コントロールが良好な患者にのみ投与し、毎日頻回の血糖モニタリングを行うことも求められます。投与の可否は処方医の判断になります。

アセトアミノフェンの新しい注意は、腎機能が悪い患者さんには使わないという意味ですか?

いいえ。追加されたのは「9.1 合併症・既往歴等のある患者」であり、禁忌ではありません。重篤な腎障害、重篤ではない肝障害、敗血症、栄養障害などがある患者さんでは、アニオンギャップ開大性代謝性アシドーシスが発現するおそれがあるという注意です。

改訂指示の原文はどこで読めますか?

PMDAの「使用上の注意の改訂指示通知(医薬品)」ページに、年度ごとの一覧と別紙のPDFが掲載されています。今回の通知は医薬安発0825第1号です。

まとめ

2026年8月25日の改訂指示は、対象成分が広く、薬局と病棟の両方に関わる内容が含まれています。優先順位をつけて確認するなら、次の順番になります。

  1. ドンペリドン、メトクロプラミド:重篤な不整脈が重大な副作用に新設。使用目的と継続理由を確認します
  2. アセトアミノフェン:総合感冒剤や鎮咳配合剤も対象。通知が挙げる重篤な腎障害、肝障害、敗血症、栄養障害等を確認します
  3. オランザピン:制吐目的では禁忌から外れ、警告と血糖モニタリングの条件が付きます
  4. 葛根湯:多形紅斑が追加。OTC販売時の説明に皮膚症状を加えます
  5. アパルタミド:血液障害の定期検査が求められます
  6. ミトタン、イボシデニブ、エンコラフェニブ:抗HIV薬との併用禁忌が広がります
  7. タラポルフィンナトリウム:対象となる食道癌の光線力学的療法で、食道狭窄と食道穿孔を確認します
  8. 免疫チェックポイント阻害薬:ぶどう膜炎、血球貪食性リンパ組織球症、重度の食道炎の対象成分を別紙ごとに確認します

まずは自局の採用品を照合し、対象製品の改訂反映状況と継続使用患者を把握します。そのうえで、処方目的、継続理由、患者説明の更新要否を記録すると、通知を一時的なニュースで終わらせずに済みます。

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参考にした情報源

※本記事は医療従事者向けの情報整理です。改訂内容は通知の発出後、順次各製品の電子添文に反映されます。個々の患者さんへの適用は、必ず最新の電子添文と通知原文をご確認のうえ、主治医の判断に基づいて行ってください。

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