※当ブログはアフィリエイト広告を含みます※

第十九改正日本薬局方の使い方|薬剤師が確認する5点【2026年4月施行】

第十九改正日本薬局方の使い方。薬剤師が確認する5点を示すアイキャッチ

「日局」と書かれた電子添文を開いたとき、その「日局」が何を指しているのか、すぐに答えられるでしょうか。
学生時代に触れたきり、現場では意識しないまま過ぎている薬剤師も多いと思います。

日本薬局方は、厚生労働大臣が定めて公示する医薬品の公的な品質規範書です。
2026年4月10日に第十九改正日本薬局方が告示され、同じ日から施行されました。
医薬品各条は2,072品目になり、27品目が新しく加わっています。

ただし、告示された内容が明日の調剤台に直接効いてくるわけではありません。
経過措置があり、名称や表示が切り替わるまでには時間差があります。
この記事では、告示の本文と薬価基準収載品目リストを実際に突き合わせ、薬剤師が確認しておく5点を整理しました。

記事中の集計は、厚生労働省の公表資料を筆者が加工したものです。
まず厚生労働省の「日本薬局方」ホームページで、現行の版と更新記録を確認してください。
薬価基準の品目数と「局」表示は2026年8月13日適用の資料を基にした集計です。第十九改正の本文と通知は2026年10月3日に再確認しました。正誤表(6月29日・9月30日付)も公開されています。個別の規格や試験法を業務で使う際は、本文と正誤表を合わせて確認してください。

この記事で確認する5点

  1. 現行の版と正誤表を確認する
  2. 経過措置の期限を確認する
  3. 目的に応じて製剤総則・医薬品各条・一般試験法を開く
  4. 薬価基準の「局」表示を、集計時点と剤形に注意して読む
  5. 名称変更後も無水物と水和物を区別する

第十九改正日本薬局方はいつから適用されるのか

第十九改正は、2026年(令和8年)4月10日の厚生労働省告示第193号で告示され、同日から施行されました。
根拠は医薬品医療機器等法第41条第1項です。
同条第2項は、少なくとも10年ごとに全面にわたる検討を薬事審議会に諮問するよう定めています。

第十九改正日本薬局方の基本情報
項目 内容
告示 令和8年4月10日 厚生労働省告示第193号(日本薬局方の全部を改正する件)
施行 告示日と同じ2026年4月10日
根拠 医薬品医療機器等法第41条第1項
通知 令和8年4月10日 医薬発0410第1号 厚生労働省医薬局長通知
公示の方法 官報への掲載および公衆の縦覧(同法施行規則第196条の14)
前の版 第十八改正(令和3年6月7日告示)と、その第一追補・第二追補

実務で効いてくるのは経過措置です。
告示の附則は、切り替えの期限を二段階に分けています。

告示の附則が定める経過措置
対象 期限 内容
旧薬局方に収載されていた医薬品(附則第2条) 令和9年9月30日 旧薬局方の日本名と基準を、新薬局方のものとみなすことができる
第十九改正で新しく収載された医薬品(附則第3条) 令和9年9月30日 新薬局方に収められていない医薬品とみなすことができる
日本名別名(附則第4条) 令和9年9月30日 旧薬局方の日本名別名を新薬局方で定める名称とみなすことができる
通則39(附則第5条) 令和13年3月31日 「精密に量る」の規定について、なお従前の例によることができる
一般試験法〈9.62〉計量器・用器(附則第6条) 令和13年3月31日 なお従前の例によることができる

局長通知も、令和9年9月30日までに承認事項一部変更承認申請などの措置を行うよう求めています。
通則39と〈9.62〉については令和13年3月31日までとしています。
つまり、告示の日から1年半ほどは、新旧の名称や基準が並んで存在する期間になります。

日本薬局方の構成と、薬剤師が開く場所

日本薬局方は、通則から始まり、生薬総則、製剤総則、一般試験法、医薬品各条、参照スペクトルの順に並びます。
参考情報はその後ろに置かれます。
規模は次のとおりです。

第十九改正日本薬局方の構成(出典:PMDA「第十九改正日本薬局方の概要」)
区分 規模 薬剤師が使う場面
通則 49条 「精密に量る」など、局方全体に共通する用語の定義を確認するとき
生薬総則 10条 生薬に共通する規定を確認するとき
製剤総則 製剤通則、製剤包装通則、製剤各条、生薬関連製剤各条 剤形の定義を確認するとき。腸溶錠や口腔内崩壊錠の位置づけを調べる場面で使う
一般試験法 8カテゴリー、試験法89 溶出試験法や崩壊試験法の内容を確認するとき
医薬品各条 2,072品目(化学薬品等1,741、生薬等331) 個別の医薬品や製剤の規格を調べるとき
参照スペクトル 紫外可視576品目、赤外666品目 主に試験を行う立場で使う
参考情報 12カテゴリー、81 参考事項。医薬品の適否の判断を示すものではない

参考情報の位置づけは局長通知が明記しています。
「医薬品の品質確保の上で必要な参考事項及び日本薬局方に収載された医薬品に関する参考となる試験法を記載したもの」であり、「日本薬局方に収載された医薬品の適否の判断を示すものではない」とされています。
第十九改正で新しく作られた参考情報は、単球活性化試験法やバイオアッセイなど、製造や試験の現場に向けた内容が中心です。
調剤や服薬指導の根拠を探す目的では、まず医薬品各条と製剤総則を開くことになります。

図解1 目的から選ぶ、日本薬局方の参照先
知りたいこと 開く場所
剤形の定義 製剤総則[3]製剤各条
個別品目の規格 医薬品各条
試験法の詳細 一般試験法
補足となる試験法・考え方 参考情報(適否の判断そのものには用いない)

新規収載27品目のうち18品目は「製剤」だった

日本薬局方というと、原薬の規格集という印象を持たれることがあります。
第十九改正で新しく収載された27品目を、局長通知の別紙第2の1から剤形の有無で分けてみました。

第十九改正で新規収載された27品目の内訳(筆者集計)
区分 品目数 内訳
製剤の各条 18品目(66.7%) 錠剤9、口腔内崩壊錠2、腸溶錠1、カプセル剤2、腸溶カプセル1、シロップ用2、散剤1
原薬など 9品目 インドシアニングリーン、エソメプラゾールマグネシウム水和物、ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、プレガバリン、ブロナンセリン、ペロスピロン塩酸塩水和物、ミドドリン塩酸塩、レベチラセタム、麻子仁丸エキス

3分の2が製剤の各条でした。
局方は原薬だけを扱う規範書ではなく、錠剤やカプセル剤そのものの規格も定めています。

収載の順序にも型があります。
アリピプラゾールは、原薬が第十八改正第二追補(令和6年6月28日告示)で収載され、今回の第十九改正で「アリピプラゾール錠」が加わりました。
原薬が先に入り、製剤が後から続く流れです。

では、製剤の各条が作られる品目にはどんな特徴があるのか。
新規収載された製剤18品目に対応する14成分について、薬価基準収載品目リスト(令和8年8月13日適用)で品目数を数えました。

新規収載された製剤に対応する成分の薬価基準収載状況(筆者集計・令和8年8月13日適用)
第十九改正で新規収載された製剤 薬価収載品目数 うち後発医薬品
プレガバリン口腔内崩壊錠/プレガバリンカプセル 64 58
アリピプラゾール錠 52 38
レベチラセタム錠 42 38
セレコキシブ錠 25 23
エソメプラゾールマグネシウム腸溶カプセル 20 16
ブロナンセリン錠/ブロナンセリン散 20 13
ダパグリフロジンプロピレングリコール錠 16 14
アスピリン腸溶錠 13 5
シロップ用L-カルボシステイン 13 5
プランルカストカプセル/シロップ用プランルカスト 13 11
ミドドリン塩酸塩錠/ミドドリン塩酸塩口腔内崩壊錠 7 5
ペロスピロン塩酸塩錠 6 3
カモスタットメシル酸塩錠 4 3
リマプロスト アルファデクス錠 3 2
合計 298 234(78.5%)

298品目のうち234品目、78.5%が後発医薬品でした。
いずれも後発品が幅広く流通している成分です。

これは偶然ではありません。
第十九改正日本薬局方作成基本方針は、収載時期について次のように書いています。
「先発医薬品と後発医薬品の規格の統一や品質の向上を図る観点から、日本薬局方が品質確保における公的な規範書としての役割を果たし、広く活用されるように、再審査期間が終了した医薬品は可能な限り速やかな収載を行うよう検討する」。

作成基本方針は、再審査期間が終了した医薬品を速やかに収載するよう検討するとしています。後発品の発売時期や品目数は成分ごとに異なるため、再審査期間の終了だけで複数の後発品が流通しているとは判断できません。今回の集計では、新規収載された製剤に対応する成分の薬価収載品目に後発品が多く含まれていました。
なお、局方に収載されていない医薬品も、承認された規格に適合することが求められます。
局方各条の有無は品質の優劣を示すものではありません。

剤形の選び方も実際の流通に合わせてあります。
プレガバリンは薬価基準に64品目あり、その内訳は口腔内崩壊錠52品目とカプセル12品目でした(2026年9月18日時点の筆者集計)。
第十九改正が収載したのも「プレガバリン口腔内崩壊錠」と「プレガバリンカプセル」の2剤形で、流通している剤形と一致しています。

薬価基準で「局」が付いているのは28.8%だけ

薬価基準収載品目リストには「局」という表示の列があります。
使用薬剤の薬価(薬価基準)の凡例は、この記号を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第四十一条第一項に規定する日本薬局方に収載されている医薬品であることを示す」と定義しています。

令和8年8月13日適用のリスト全3ファイルを集計しました。

薬価基準収載品目のうち「局」表示があるもの(筆者集計・令和8年8月13日適用)
区分 収載品目数 「局」表示あり 割合
内用薬 7,064 2,207 31.2%
注射薬 3,476 918 26.4%
外用薬 1,860 451 24.2%
合計 12,400 3,576 28.8%

約7割の品目には「局」が付いていません。
局方は流通しているすべての医薬品を網羅した一覧ではない、ということです。

同じ成分でも剤形によって分かれます。
アスピリンで見ると、原末の5品目には「局」が付いていました。
一方で「アスピリン100mg腸溶錠」には付いていません。

アスピリンの薬価基準収載品目と「局」表示(筆者集計・令和8年8月13日適用)
品名 規格 「局」表示
アスピリン「ケンエー」、アスピリン「ホエイ」、アスピリン(山善)、アスピリン「ヨシダ」、アスピリン原末「マルイシ」 10g あり(5品目すべて)
アスピリン100mg腸溶錠 100mg1錠 なし
アスピリン・ダイアルミネート配合錠ほかの配合剤 1錠 なし

第十九改正で「アスピリン腸溶錠」の各条が新しく作られました。
それでも告示から約4か月後のこのリストでは、腸溶錠に「局」が付いていません。

表示に時間差が生じ得る根拠の一つが経過措置です。
告示の附則第3条は、新しく収載された医薬品について、令和9年9月30日までは「新薬局方に収められていない医薬品とみなすことができる」と定めています。
個別の品目がいつ表示を切り替えるかは承認内容によるため、この記事では品目ごとの理由までは断定しません。
表示の切り替えには時間差があるという前提で読むのが安全です。

新規収載された製剤に対応する成分の薬価収載品目298品目のうち、2026年8月13日適用のリストで「局」表示があったのは7品目でした。この298品目には、今回新設された製剤の各条と異なる剤形・原末も含みます。
その内訳はアスピリン原末5品目と、ムコダイン錠250mg・500mgの2品目です。
ムコダイン錠に「局」が付いているのは、「L-カルボシステイン錠」の各条が第十九改正より前から存在していたためで、今回新しく収載されたのは「シロップ用L-カルボシステイン」のほうです。

図解2 告示と「局」表示の確認時点
  1. 2026年4月10日 第十九改正が告示・施行。アスピリン腸溶錠など27品目の各条を新設。
  2. 2026年8月13日適用リスト アスピリン原末に「局」表示あり。アスピリン100mg腸溶錠には「局」表示なし。個別品目の理由はこの表示だけでは確定できない。
  3. 2027年9月30日 通常の経過措置の期限。承認事項一部変更承認申請等、必要な措置の確認期限。

出典:厚生労働省告示第193号の附則、医薬発0410第1号、薬価基準収載品目リスト(2026年8月13日適用)。

「無水」が取れた5品目|同じ名称が別の物を指す場面がある

第十九改正では、医薬品各条の日本名が5品目で変更されました。
いずれも先頭の「無水」が外れています。

第十九改正で日本名を変更した5品目(出典:医薬発0410第1号 別紙第2の4)
第十九改正での名称 第十八改正での名称
アンピシリン 無水アンピシリン
カフェイン 無水カフェイン
クエン酸 無水クエン酸
乳糖 無水乳糖
リン酸水素カルシウム 無水リン酸水素カルシウム

注意したいのは、水和物の各条が別に残っている点です。
第十九改正の医薬品各条を確認したところ、名称が変わった5品目すべてに、対応する「〜水和物」の各条が別に収載されていました。

名称が変わった5品目と、併存する水和物の各条(筆者確認)
無水物の各条(第十九改正での名称) 同じ局方に収載されている水和物の各条
アンピシリン アンピシリン水和物
カフェイン(721ページ) カフェイン水和物(722ページ)
クエン酸 クエン酸水和物
乳糖(1315ページ) 乳糖水和物(1316ページ)
リン酸水素カルシウム リン酸水素カルシウム水和物

「無水」という語が名称から消えたのであって、無水物と水和物の区別がなくなったわけではありません。
名称だけを見て水和物と取り違えないよう、どちらの各条を指しているかを確認します。

この改正が容器の表示にまで及ぶのは、条文に根拠があるためです。
医薬品医療機器等法第50条第2号は、日本薬局方に収められている医薬品について、直接の容器または直接の被包に「日本薬局方において定められた名称」を記載しなければならないと定めています。
名称変更が容器表示に関係するため、実際の品目では経過措置と承認内容を合わせて確認します。

標準品では、同じ名称が別の物を指す入れ替わりが起きた

もう一段こまかい話があります。
標準品の名称変更を見ると、名称そのものが入れ替わっていました。

標準品の名称変更(出典:医薬発0410第1号 別紙第1の4)
第十九改正での名称 第十八改正での名称 指しているもの
確認試験用乳糖標準品 確認試験用無水乳糖標準品 無水物
確認試験用乳糖水和物標準品 確認試験用乳糖標準品 水和物

「確認試験用乳糖標準品」という同じ名称が、第十八改正では水和物を、第十九改正では無水物を指しています。
名称だけを見て古い記録と照合すると、別の物質を同じものと扱ってしまう可能性があります。
標準品を扱うのは主に試験を行う部門ですが、過去の文書や手順書を参照する場面では、どの版の名称かを合わせて確認する必要があります。

調剤の現場で直接この標準品に触れることはほとんどありません。
この例は、品質試験で旧版の手順書や記録を読む際に、版と標準品の名称を併記して照合する必要性を示しています。

削除された3品目と、削除の考え方

第十九改正で医薬品各条から削除されたのは3品目です。

第十九改正で削除された医薬品各条
品目 分類
乾燥痘そうワクチン ワクチン
フルトプラゼパム 原薬
フルトプラゼパム錠 製剤

作成基本方針は、削除の考え方を「時代の変遷により医療上の必要性が低くなった収載品目については、適宜、削除を行う」「安全性の問題で回収などの措置がとられた品目については、その都度、削除等の適切な措置を講じる」と記しています。

各条が削除されても、その医薬品の承認がなくなるわけではありません。
局方の各条と、承認の有無、薬価基準への収載は別の仕組みです。
削除の理由を個別に断定できる資料は公表されていないため、この記事では方針の記載にとどめます。

電子添文の「日局」はどの条文から来ているか

電子添文や包装で見かける「日局」の表記にも、条文上の位置づけがあります。

医薬品医療機器等法第50条第5号は、日本薬局方に収められている医薬品について、直接の容器または直接の被包に「日本薬局方」の文字を記載するよう定めています。
そのうえで同法施行規則は、この「日本薬局方」の文字について「『日局』又は『J・P』の文字の記載をもつて代えることができる」と読み替えを認めています。
「日局」は略記であって、別の制度を指す言葉ではありません。

「日局」に関係する条文
条文 内容
法第41条第1項 厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて日本薬局方を定め、公示する
法第41条第2項 少なくとも10年ごとに、全面にわたる検討の諮問を行う
法第50条第2号 局方収載品は、局方で定められた名称を直接の容器等に記載する
法第50条第5号 「日本薬局方」の文字を記載する
同法施行規則 「日本薬局方」の文字は「日局」または「J・P」で代えることができる
法第56条第1号 局方の基準に適合しない局方収載品は、販売・授与などをしてはならない

電子添文などで成分名の前に「日局」と記載される場合は、記載対象の成分と対応する局方各条を確認します。表示だけで製剤全体の各条の有無を判断しないようにします。
生薬では、局方の名称が一般的な呼び方と一致しない場合がある点に注意が必要です。
第十九改正の生薬等の各条には「カンゾウ」「カンゾウエキス」「カンゾウ末」「カンゾウ粗エキス」に加えて「シャカンゾウ」が別の各条として収められています。
PDFで「カンゾウ」だけを検索すると、別名の「シャカンゾウ」を見落とすことがあります。
成分名で検索するときは、局方の名称で引くようにします。

電子添文そのものの探し方はPMDAで電子添文を検索する方法に、改訂の追い方は電子添文改訂の読み解き方にまとめています。

日本薬局方を無料で読む手順

日本薬局方の書籍版は市販されていますが、告示された本文は厚生労働省のホームページで公開されています。
施行規則第196条の14が、公示を官報への掲載と公衆の縦覧によって行うと定めているためです。

第十九改正日本薬局方を読む手順
手順 内容
1 厚生労働省「日本薬局方」ホームページを開き、現行の版と正誤表の有無を確認する
2 調べたい対象で分冊を選ぶ。通則・生薬総則・製剤総則・一般試験法は「目次~一般試験法」の分冊にまとまっている
3 医薬品各条は「ア~チ」「ツ~ワ」「生薬」の3分冊に分かれている。五十音順に並ぶので、局方の名称で探す
4 PMDAの第十九改正日本薬局方のページで、概要と正誤表を確認する
5 改正の経緯を追うときは、医薬発0410第1号の別紙で新規収載・削除・名称変更の一覧を見る

ファイルはいずれも大きく、医薬品各条の分冊は数百ページあります。
目的の品目名が決まっているなら、PDFの検索機能で局方の名称を入力するのが早いです。
正誤表は本文とは別に公開されます。2026年10月3日時点では6月29日と9月30日付の正誤表が掲載されているため、引用や試験手順の確認前に照合します。

改正の頻度も押さえておくと、情報の鮮度を判断しやすくなります。

医薬品各条数の推移(出典:PMDA「第十九改正日本薬局方の概要」)
版 公示年月日 収載品目数 新規 削除 改正
第十八改正 令和3年6月7日 2,033 33 8 168
第十八改正第一追補 令和4年12月12日 2,042 11 2 82
第十八改正第二追補 令和6年6月28日 2,048 13 7 95
第十九改正 令和8年4月10日 2,072 27 3 147

全部改正のあいだにも追補が出ます。
「第十八改正」とだけ書かれた資料を見たときは、追補まで反映されているかを確かめてください。
告示や通知そのものの探し方は厚労省の告示・通知・疑義解釈の探し方で手順を整理しています。

よくある質問

「局」が付いていない医薬品は品質が劣るのですか

いいえ。「局」は日本薬局方に各条があることを示す表示です。
局方に各条がない医薬品も、承認された規格に適合することが求められます。
局方収載の有無は、品質の優劣を表すものではありません。

第十九改正は調剤業務に直接影響しますか

日々の調剤手順が直接変わる改正ではありません。
影響が出やすいのは、容器や電子添文に記載される名称です。
名称が変わった5品目については、令和9年9月30日までの経過措置期間中、新旧の名称が並存し得ます。

同じ成分なのに「局」が付く品目と付かない品目があるのはなぜですか

各条は剤形ごとに設定されるためです。
アスピリンの場合、原末には各条がありますが、腸溶錠の各条は第十九改正で新設されたばかりです。
新規収載品は令和9年9月30日までは収載されていない医薬品とみなすことができるため、表示への反映に時間差が生じます。

参考情報は根拠として使えますか

局長通知は、参考情報を「日本薬局方に収載された医薬品の適否の判断を示すものではない」と明記しています。
参考となる事項や試験法を示したものという位置づけです。
規格の根拠として引用する場合は、医薬品各条や一般試験法の本文を確認してください。

書籍を買わないと読めませんか

告示された本文は厚生労働省のホームページで公開されています。
書籍版は索引や解説が付いて扱いやすい一方、本文の確認だけであれば公開PDFで足ります。
引用の際は、取得日と版を控えておきます。

製剤総則と医薬品各条のどちらを先に見ればよいですか

剤形の定義を知りたいときは製剤総則、個別の品目の規格を知りたいときは医薬品各条です。
「腸溶錠とは何か」は製剤総則、「アスピリン腸溶錠の規格」は医薬品各条という分け方になります。
剤形ごとの違いは徐放錠と腸溶錠の違いでも整理しています。

職場で説明できる形にしておく

第十九改正の内容をすべて覚える必要はありません。
「現行の版はどれか」「経過措置はいつまでか」「名称が変わった品目はどれか」の3点をメモにしておけば、疑義照会や勉強会で困る場面は減ります。

後発品の規格が先発品とそろう仕組みとして局方を説明できると、患者さんへの説明にも使えます。
先発品と後発品の違いそのものは先発医薬品とジェネリックの違いで整理しています。
調べた内容を1件の記録として残す形は薬局DIメモの作り方が参考になります。
勉強会の資料に落とすなら薬局内勉強会の資料テンプレートも使えます。

制度改正や新薬の情報を継続して追う手段としては、m3.comの情報収集機能と無料会員登録の使い方を確認する方法があります。
学習時間を単位につなげたい場合は薬剤師向けeラーニング比較と研修認定薬剤師の取得の流れを合わせて確認してください。

一次情報を読む練習を続けるなら、資料ごとに答えられる問いが違うことを意識すると整理しやすくなります。
審査の判断根拠はPMDA審査報告書の読み方、副作用報告の集計はJADERの使い方、処方の実数はNDBオープンデータの使い方、臨床研究の登録内容はjRCTの使い方にまとめています。
品質の規格を調べる資料が日本薬局方、という位置づけです。

参考にした一次情報

出典:厚生労働省「第十九改正日本薬局方」(令和8年厚生労働省告示第193号)、同「第十九改正日本薬局方の制定等について」(医薬発0410第1号)、同「薬価基準収載品目リスト」(令和8年8月13日適用)、独立行政法人医薬品医療機器総合機構「第十九改正日本薬局方の概要」。
本文の新規収載品目の剤形別内訳、薬価基準収載品目における「局」表示の集計、新規収載製剤に対応する成分の品目数と後発医薬品数は、上記資料を加工して筆者が作成しました。
収載品目数2,072品目、化学薬品等1,741品目、生薬等331品目はPMDAの公表値です。
筆者が目次から独立に数えた生薬等331品目は公表値と一致し、化学薬品等は1,740品目と1品目の差がありました。
本文では公表値を用いています。

薬価基準の集計は2026年8月13日適用の資料に基づき、本文と通知および正誤表は2026年10月3日に確認しました。
告示や正誤表は更新されるため、業務で参照する際は厚生労働省およびPMDAのページで最新の版と正誤表を確認してください。
個別の品目の取扱いについては、承認内容と電子添文をあわせて確認してください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


今の働き方・求人相場を知りたい薬剤師へ
薬剤師向けサービスを比べる
今の働き方・求人相場を知りたい薬剤師へ
薬剤師向けサービスを比べる