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【2026年6月改定】薬局で起きやすい失敗事例8選|届出遅延・返戻・算定ミスの原因と再発防止策

「届出を出したつもりが、処理されていなかった」「廃止された加算を1か月間ずっと算定していた」——2026年6月改定の施行前後、このような失敗報告が薬局現場から続々と聞こえてきます。

変更点が多く、廃止・新設・名称変更が入り乱れた今改定は、「過去に類を見ないほどミスが起きやすい改定」です。自薬局は大丈夫と思っていても、気づかないうちに算定ミスが積み重なっていることも。

この記事では、2026年改定で実際に起きた・起きやすい失敗事例を8つのパターンに整理して解説します。「うちは大丈夫か?」と確認しながら読んでください。

📌 2026年6月改定の全体像を先に把握したい方へ
【完全ガイド】2026年調剤報酬改定の全変更点まとめ

失敗事例①:届出を出し忘れて6月1日から新加算が算定できなかった

何が起きたか

連携強化加算や電子的調剤情報連携体制整備加算など、新設・要件変更のあった加算について、「もともと届出が通っているから大丈夫」と思い込んで新規届出をしなかった薬局が複数発生しました。

施設基準の要件が変更になった加算は、原則として改めて届出が必要です。2026年6月1日施行分の届出受付期間は2026年5月7日〜6月1日(必着)でした。この期間に届出が受理されなければ、6月1日からの算定ができません。

なぜ起きたか

  • 「既存の届出がそのまま引き継がれる」という誤解
  • 届出が必要な加算のリストアップを怠った
  • 担当者が交代しており、届出業務の引き継ぎが不十分だった

再発防止策

改定のたびに「届出が必要な加算・届出不要な加算」を一覧で整理し、管理薬剤師が責任者として届出完了を記録に残す体制を構築しましょう。届出チェックリストは薬剤師の6月施行準備チェックリスト完全版も参考にしてください。

失敗事例②:廃止された加算をそのまま算定してレセプトが返戻された

何が起きたか

2026年改定では複数の加算が廃止・名称変更されました。代表例が「重複投薬・相互作用等防止加算」の廃止です。これを把握せずに6月以降も算定し続け、審査支払機関から返戻(へんれい)を受けるケースが発生しています。

主な廃止・名称変更加算の一覧

改定前の加算名 改定後の扱い 注意ポイント
重複投薬・相互作用等防止加算 廃止 → 「調剤時残薬調整加算」「薬学的有害事象等防止加算」に再編 旧コードで算定すると全件返戻リスク
医療DX推進体制整備加算 廃止 → 「電子的調剤情報連携体制整備加算」へ移行 新規届出が必要・要件変更あり
かかりつけ薬剤師指導料 廃止 → 服薬管理指導料に統合 算定区分・点数が変更
後発医薬品調剤体制加算(加算1〜3) 廃止 → 地域支援・医薬品供給対応体制加算等の新体系へ統合 届出区分が変わるため改めて届出が必要

※各加算の詳細要件は厚生労働省告示・日本薬剤師会資料で必ず確認してください

廃止加算の誤算定は返戻だけでなく、指導・監査の対象にもなり得ます。詳細な廃止・新設一覧は算定要件の改定前後比較まとめも参照してください。

失敗事例③:経過措置の「対象外」なのに届出をしなかった

何が起きたか

「経過措置があるから今年度は届出しなくてよい」という思い込みから、本来は届出が必要な加算を未届出のまま算定しようとしたケースです。

経過措置には「対象薬局の条件」がある

たとえば後発医薬品調剤体制加算の経過措置(令和9年5月31日まで後発医薬品割合要件をみなす)は、令和8年3月31日時点で加算1〜3の届出をしている薬局が対象です。3月末時点で届出がなかった薬局は経過措置の対象外となり、6月から算定するには新規届出が必要です。

「経過措置がある」ことと「自薬局が経過措置の対象である」ことは別問題です。必ず対象条件を確認してください。

失敗事例④:レセコン設定ミスで全件に影響が出た

何が起きたか

6月1日のレセコン点数マスタ更新後、設定が正しく反映されていなかったために、新点数での算定ができなかったり、廃止された加算が自動算定され続けたりするケースが発生しました。

よくある設定ミスのパターン

  • 点数マスタの更新をベンダーに依頼するのを失念した
  • フラグ設定のON/OFFを施行前に確認しなかった
  • 新設加算の算定回数制限(例:調剤物価対応料は3か月に1回)が未設定だった
  • テスト環境では確認済みだったが、本番環境への反映を忘れた

具体的な確認ポイントはレセコン設定・変更点チェックリスト完全版で詳しく解説しています。

失敗事例⑤:新加算の算定回数制限を知らず過剰算定になった

何が起きたか

新設の「調剤物価対応料(1点)」には、同一患者に対して3か月に1回のみ算定可能という制限があります。この制限を把握せずに来局のたびに算定し、審査で減点・返戻を受けるケースが想定されます。

算定頻度に注意が必要な加算

今改定では、従来になかった算定頻度制限が複数の新設加算に設けられています。「取れる加算はすべて毎回取る」という従来の感覚のままでは過剰算定になります。服薬情報提供料・服薬管理指導加算など、月1回・3か月1回制限のある加算は、レセコン側で制限設定を行ってください。

失敗事例⑥:患者向け説明が準備できずに窓口でトラブルが起きた

何が起きたか

「なんで薬代が上がるんですか?」「先月と金額が違う」という患者からの質問に、スタッフが正確に答えられずにトラブルに発展したケースです。特に選定療養費の徴収が始まった後発医薬品の取り扱い変更は、患者からの質問が多い原因になっています。

再発防止策

6月1日前に「患者説明用トーク集」を作成し、スタッフ全員で共有することが必須です。特にお薬代の変化を招く要因(調剤物価対応料の新設・選定療養費・加算変更)については、患者が理解できる平易な言葉で説明できるよう準備を整えましょう。

失敗事例⑦:スタッフへの周知が遅れて現場が大混乱した

何が起きたか

管理薬剤師は改定内容を把握していたが、一般スタッフへの説明が不十分なまま6月1日を迎え、「どの患者にどの加算を算定するのか」「廃止された加算はどう対応するのか」を現場で判断できず、混乱が生じたケースがあります。

よくある周知の落とし穴

  • 管理薬剤師だけが知っていて、スタッフ全員に伝わっていなかった
  • 研修を実施したが改定直前すぎて定着しなかった
  • パートや非常勤スタッフへの周知が漏れた
  • 新規採用スタッフへの引き継ぎが間に合わなかった

スタッフ勉強会の実施方法や資料作成の参考に、薬局内勉強会の資料・スライド構成テンプレも活用してください。

失敗事例⑧:集中率の計算を誤って調剤基本料の区分がズレた

何が起きたか

集中率(特定の医療機関からの処方箋受付割合)の計算方法を誤り、本来は調剤基本料1を維持できるのに誤った計算結果をもとに届出区分を変えてしまったケース、または集中率が上限を超えているのに気づかず高い基本料を算定し続けたケースが報告されています。

集中率の正確な計算方法と2026年改定での変更点は集中率の計算方法と算定要件ガイドを参照してください。

失敗を防ぐ:薬局全体のリスクマネジメント4ステップ

✅ 改定失敗防止 4ステップチェックフロー

STEP 1|届出確認

必要な届出を全件リストアップし、受理確認まで完了させる

STEP 2|レセコン設定

点数マスタ更新→廃止加算の無効化→算定回数制限の設定

STEP 3|スタッフ周知

全スタッフ(パート含む)に変更点を共有→患者説明トーク確認

STEP 4|施行後点検

施行1週間後に算定状況を再確認→異常値があれば即修正

今改定で特に重要なのが「施行後の点検」です。届出・設定・周知が完璧でも、実際の運用で初めて気づく問題があります。6月1日から1週間は、毎日レセプトの算定状況を確認する習慣をつけることをおすすめします。

よくある算定間違いを事前にチェックしたい方は、薬剤師がよくやる算定間違い15選も合わせてご確認ください。

まとめ:「うちは大丈夫」という思い込みが最大の落とし穴

2026年改定の失敗事例に共通する原因は、「変更前と同じはず」という思い込みと、「誰かが対応しているはず」という確認不足です。

特に以下の8つは、施行直後に影響が出やすい失敗パターンです。

  1. 届出の遅延・失念
  2. 廃止加算の誤算定(返戻リスク)
  3. 経過措置の対象条件の誤解
  4. レセコン設定ミス
  5. 算定回数制限の無視による過剰算定
  6. 患者説明の準備不足
  7. スタッフへの周知の遅れ
  8. 集中率計算ミスによる調剤基本料区分のズレ

管理薬剤師が責任を持って1項目ずつ確認し、チェックリストを活用しながら取りこぼしゼロを目指してください。地域支援体制加算チェックリストなども参考に、施行前後の体制を整えましょう。

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